せっかく禁酒を始めたのに、「毎日なかなか眠れない」と困っていませんか?
実際に、私も禁酒をし始めた直後はそうでした。そして、それは、結局またお酒に戻り、お酒の問題を再発させてしまう大きな原因の一つになりかねません。
そこで、この記事では、禁酒をすると眠れない理由と、そのための解決法に紹介いたします。
1.禁酒をすると眠れない理由
もし、あなたが、過度の飲酒をしていた場合、禁酒を始めると睡眠障害に陥る可能性があります。
これは、最も一般的なアルコール離脱症状の 1つです。そして、睡眠障害は、再飲酒を引き起こしてしまうことが多い傾向にあります。
そして、ある研究では、禁酒を行った際の睡眠障害の特徴について、下記のように発表しています。
睡眠の問題は禁酒後、何ヶ月も続く可能性がある
寝て起きてしまうというよりも、そもそも寝ることができない
睡眠障害は、アルコール依存症の回復につきものである
参照元:Experiencing Sleep Problems as a Recovering Alcoholic
また、カルガリー大学のショーン・R・キュリー(Shawn R. Currie)は、アルコールが睡眠にもたらすメリットは、たったこれだけといっています。
「一般的な人は、3杯以上のお酒を飲むと、普段よりも早く眠ることができる」
しかし、酒を飲むと頻繁に目を覚ましたり、睡眠の質が落ちたりと十分な睡眠を得らることができなくなります。
禁酒を初めて、2ヶ月から半年が経過しても、アルコール依存者はこれが続く可能性があります。
このように、禁酒中は、十分な眠りを取ることもできなくて、非常に辛い場合もあります。
そして、カルガリー大学心理学教授のDavid Hodginsは、再飲酒を引き起こす危険因子として、HALTと呼ばれるものがあるといっています。
HALTとは、
- Hungry:空腹
- Anger:怒り
- Lonliness:孤独
- Tired:疲労
の頭文字をとった言葉で、これらが増加すると再発してしまう可能性が高くなるといっています。
これまで説明してきたように。禁酒をし始めたころは、睡眠障害にあうことがあります。すると、寝不足になり、疲れてしまい、HALTのTiredの状態になってしまうのです。
それにより、再飲酒をしてしまう可能性が高くなってしまいます。
2.禁酒中に睡眠を取るための9の方法
では、どうすれば、禁酒中でも睡眠をとれるのでしょうか?
ここでは、すぐに実践可能な9つの方法を紹介します。
一つずつ確認して、実践していないものがあれば試してみましょう。
2-1.カフェインなどの睡眠を妨げる化学物質を避ける
コーヒーやチョコレートなどに含まれるカフェインを摂取すると、睡眠を引き起こす「アデノシン」の働きを妨げてしまいます。それにより、全然眠たくなく、覚醒した状態になるのです。
また、カフェイン摂取後、その効果が軽減されるまでは、早くても3時間かかると言われています。中には、6時間以上経ってもカフェインの効果が残っており、睡眠に影響したという実験もあります。
それが、下記の研究結果です。
複数の被験者に異なるタイミング(寝る間際、寝る3時間前、寝る6時間前)でカフェインを摂取させた。すると、全員の睡眠が大幅に阻害されたことがはっきりと数値に表れたという。要するに、寝る直前はおろか、寝る6時間前であっても、カフェインを含むコーヒーやお茶を飲めば睡眠が阻害されることが明らかになったのだ。(コーヒーで眠気をとばすとヤバイ これだけの理由)
つまり、就寝前の最低3時間以内、6時間以内も可能な限りカフェインを取らないようにしましょう。
2-2.寝室は睡眠を誘発しやすい環境にする
睡眠を誘発する環境を作るためには、最低限下記の三点をおさえておきましょう。
- 音
- 光
- 温度
音を防ぐ
布団に入ると、車や電車が通る音や時計の秒針が動く音まで、かなり些細な音まで気になってしまいますよね。
一般的に、40デシベルを超える音だと、眠りにつきにくくなると言われています。ちなみに、40デシベルは、図書館の音とほとんど同じそうです。音の大きさのサンプルは、「dbごとの騒音サンプル集【騒音の大きさの目安・基準に】」で詳しく説明がされていますので、ご確認ください。
音を防ぐために、寝るときは「耳栓をする」、正直これが手っ取り早い方法です。また、寝てるときに外れにくい、睡眠用の耳栓もあるので、ぜひ、試してみてください。
光を遮断する
夜間に、明るい光を浴びると睡眠を誘うメラトニンが抑制され、なかなか眠りにつけなくなります。
メラトニンの分泌が活発になるのは21時からと云われているため、その時間からテレビ、パソコンやスマートフォンの使用を控えましょう。そして、眠るときは部屋を真っ暗にして、アイマスクをつけて寝ましょう。暗くすることで、睡眠を誘うメラトニンの分泌を促すこともできます。
また、ペンシルベニア大学シェイエ眼科研究所の研究チームが、小さな豆電球が一つでもついていると、子どもの近視が進む一因となり、大人になってから近視になる可能性が高くなると言う発表もされています。
参照元サイト:「間接照明が睡眠によくない本当の理由」
ですので、寝るときは、必ず真っ暗にしましょう。
適切な温度にする
人によって、快適な温度は様々ですが、下記の温度が一般的な参考にしましょう。
- 夏:26度前後
- 冬:20度前後
2-3.習慣化する
自分の中で、寝る前に行う行動をパターン化しましょう
例えば、
- 風呂に入ってから寝る
- 寝る前に本を読む
- 寝るときは同じパジャマを着る
- 毎日同じ時間に寝る
など、眠る前の行動をパターン化することで、自然と眠りやすい状態に持っていくことができます。
2-4.眠れない時はもう一回リラックス
眠れないときは、音楽を聞くなど、一度リラックスしましょう。
ただし、その時に歌詞のある音楽はなるべく避けてください。歌詞があると、頭の中で意味を考えてしまい、リラックスしずらくなります。
そのため、心を落ち着かせるヒーリングミュージックを聞くようにしましょう。
2-5.太陽の光を浴びる
朝、起きたときに、太陽に光を浴びましょう。
なぜなら、ご存じの通り、1日は24時間ですが、実は、体内時計は、25時間周期で動いています。このズレを調整するのに太陽の光を浴びることが大切だからです。
この太陽の光が、体内時計のスイッチになっており、光を浴びると睡眠モードから覚醒モードに切り替わるのです。
つまり、毎朝、日光を浴びることで、生活リズムが整い、質の高い睡眠を得られることができます。
2-6.30分以上の昼寝をしない
30分程度の浅い睡眠は、リフレッシュでき、作業効率アップなどの効果が見られます。しかし、30分以上の昼寝は、眠りが、深くなり、夜の睡眠に影響を及ぼします。
また、あなたも経験したことがあると思いますが、30分以上睡眠を行うと、目を覚ましても頭がボーッとして、全然働かず、ミスが多発する可能性があります。
あくまで、昼寝は30以内にとどめておきましょう。
参照元サイト:昼寝は30分程度に
2-7.寝る前にご飯を食べない
寝る前に食事をとると、胃の内容物を消化しようと血液を胃に送り込みます。すると脳に血液が十分に行き渡らず、熟睡することが難しくなります。
また、体温が上昇しているため体が睡眠モードになりきれておらず、ノンレム睡眠にうまく入れないため体の疲れが取れません。
ちなみに、ご飯を食べたあとに、消化されるまでに3時間程度かかります。そのため、就寝する3時間前にはご飯を食べておきましょう。
2-8.適度な運動を行う
定期的に運動をしている人は、そうでない人に比べて、不眠になる可能性が少ないと言われています。なぜなら、適度な運動をすることで、リラックスするとができ、寝つきが良くなり、深い睡眠がとれるようになります。
しかし、就寝の直前の運動及び激しい運動はおすすめしません。それらを行うと交感神経が働き、脳を興奮状態にさせてしまいます。
ですので、寝就の2~3時間前には、適度な運動を行いましょう。そうすることで、よく眠れるようになります。
2-9.あまりにひどい場合は・・・
日常生活で、あまりにひどい眠気を感じる場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)やナルコレプシー過眠症などの病気の場合があります。
今まで紹介した対策をとっても、睡眠が改善されない場合は、医者に行くことをおすすめします。
3.まとめ
いかがでしたか?
禁酒を始めたばかりだと、寝むれなくなりやすいです。しかし、ここを乗り越えれば、あなたも夢の禁酒が達成です。
ぜひ、この記事を参考に頑張っていきましょう。