「頻度」が問題だと、医師に言われた日

以前は、量よりも頻度を気にしたことがほとんどありませんでした。1日に飲む量は缶ビール1〜2本とウイスキーを少し、という程度。「大して飲んでいないほうだ」と自分では思っていました。

ところが昨年の健康診断で、γ-GTP(ガンマGTP)が基準値のおよそ2倍の数値で引っかかりました。再検査に訪れた内科の先生に言われた言葉が、今でも頭に残っています。「量だけじゃなく、毎日飲んでいることが肝臓には相当な負担になっている。週に3日は休ませてあげてください」と。

「毎日少量」が問題になりうる——それが私の節酒スタートのきっかけでした。飲むことをやめるのではなく、「肝臓が休める日をつくる」という発想の転換。これが、私の1年間の軸になっています。

γ-GTPと飲む頻度の関係を、もう少し整理する

γ-GTPが示しているもの

γ-GTPは肝臓や胆道の細胞が傷ついたときに血中に放出される酵素で、アルコールへの感受性が特に高いとされています。毎日飲酒を続けると、肝細胞が回復する間もなく刺激を受け続けるため、数値が上がりやすい状態が続きます。

私の場合、量そのものが極端に多かったわけではありません。それでも毎日という「頻度」が積み重なり、肝臓に余裕がなくなっていたのだろうと、今は理解しています。先生からも「毎日少し飲み続けるのと、週4日飲んで3日休むのでは、肝臓への影響が変わってくる」と説明を受けました。

「休む日」をつくることで何が変わるか

休肝日というのは、文字どおり肝臓を休ませる日です。アルコールが体内で代謝されるには時間がかかり、毎日飲んでいると分解が追いつかない状態になりやすいとも言われています。週3日の休肝日を設けることで、肝臓が「処理待ち」にならない余白が生まれます。

私が実際に試してみると、休肝日明けの朝は明らかに体の軽さが違いました。以前は「毎朝なんとなく重い」のが当たり前でしたが、休肝日を2〜3日挟んだ翌朝は、目覚めたときの頭のすっきり感が違います。これは数値の話というより純粋な体感ですが、「飲まない日」が体に何かをリセットしてくれているのだと実感しています。

週3休肝を1年間続けて、数値はどう動いたか

私自身の変化を記録する

現在の私のルールは、週3日は飲まない、飲む日は1日2杯まで、という運用です。「2杯」の基準は、ビールなら350ml缶2本、ワインならグラス2杯、ウイスキーならシングル2杯を目安にしています。

1年前の健診でγ-GTPが基準値の約2倍だったものが、半年後の再検査では基準値内に戻りました。体重もこの間に2〜3kg程度減り、以前は少し高めが続いていた血圧も落ち着いてきました。もちろん食事の見直しも並行していたので、節酒だけの効果とは言い切れません。ただ、主治医には「飲む頻度を減らした影響は大きいと思いますよ」と言っていただきました。

数値の変化を「見守る」という姿勢

健診の数値は、生活習慣を映す鏡のようなものだと感じています。1回の数値で一喜一憂するより、半年・1年という単位で「流れ」を見る。以前は健診結果を封も切らずに引き出しに入れていた私が、今は再検査の日程を即座に予約するようになりました。

数値が改善されていくと、不思議なことに節酒そのものへのモチベーションが保ちやすくなります。「あの数値が下がってきた」という小さな達成感が、「今週もちゃんと休もう」という気持ちにつながっていく。データを味方につけると、節酒はぐっと取り組みやすくなる、というのが1年間を通じて感じていることです。

週3休肝を「続けやすく」するための工夫

休肝日を「あらかじめ決める」

私がやってみて一番効果があったのは、休肝日をあらかじめカレンダーに入れてしまうことです。「今日は飲まないでおこうかな」と当日に考えると、夜に疲れていたりすると意志が揺らぎます。週の始めに月・水・金を休肝日と決めておくと、それが「デフォルト」になります。

以前は、飲む日が普通で飲まない日が例外でしたが、今は飲まない日がベースラインになっています。この逆転が、思いのほか気持ちをラクにしてくれました。

休肝日の夜を「別の楽しみ」で埋める

最初のころ、休肝日の夜は「なんとなく物足りない」という感覚がありました。晩酌という儀式がなくなると、夜の時間の使い方がわからなくなる。そこで試してみたのが、少し凝ったノンアルコール飲料を用意することと、読みたかった本を手に取ることです。

炭酸水にレモンを絞って氷をたっぷり入れたグラスを持つだけで、「くつろぎタイムが始まった」という気分になれます。器や所作で「儀式感」を演出するだけで、アルコールがなくても夜が充実してきます。これは体感的な話ですが、試してみると意外と効果がありました。

「2杯まで」の枠を楽しむ

飲む日も1日2杯と決めてからは、その2杯を「どう楽しむか」に意識が向くようになりました。以前は惰性でビールを開けていましたが、今は少し値段を上げた好きなクラフトビールを1本だけ、じっくり飲む。量が減った分、1杯の満足度が上がっています。

「量を減らす」という制約が、かえってお酒との関係を豊かにしてくれた、というのは意外な発見でした。節酒は我慢ではなく、「飲み方の再設計」だという感覚が、今の私には定着しています。

1年目の私から、同じ境遇の方へ

γ-GTPが高いと言われて健診結果を前に途方に暮れていた頃の私に、今なら伝えられることがあります。「全部やめなくていい。まず頻度を整えることから始めてみてください」と。

完全に断つのではなく、飲む日と飲まない日のリズムをつくる。その小さな変化が、数値にも、体感にも、じわじわと影響してきます。私はまだ節酒1年目で、正直なところ毎週きれいに守れているわけでもありません。それでも、「週のリズムで整える」という軸を持っているだけで、以前とは明らかに違う場所に立てている気がしています。

健診の数値は、怖いものでも責めてくるものでもありません。体が出してくれるサインを、生活をアップデートするヒントとして読む。そういうスタンスで向き合ってみると、健診がちょっと楽しみになってくるから不思議です。

※本記事は一般的な生活情報の提供を目的としており、医療的助言・診断・治療の推奨を行うものではありません。体の状態や数値について気になることがある場合は、医療機関にご相談ください。