結論から言うと、飲み会で量を抑えるコツは、「断る」ことではなく、「席に着く前に決めておく」ことです。私は健診でγ-GTPが基準値の2倍を超え、医師から減酒を指導されました。以前は誘われれば最後まで付き合っていましたが、今は週3日の休肝を設けたうえで、飲む日も1日2杯までと決めて運用しています。この記事では、その飲み会での立ち回りを7つに絞ってお伝えします。考え方の裏付けには、e-ヘルスネット「アルコールと循環器疾患」、e-ヘルスネットの減酒パンフレットと厚生労働省のガイドラインを使っています。

席に着く前に決めておく3つのこと

飲み会での失敗の多くは、席に着いてから判断していることに原因があります。場の空気に流されると、量を決めた意志はあっけなく崩れます。以前の私がそうでした。

1. 飲む量を先に決める

厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、自分で飲む量を定めることが飲酒行動の改善につながると述べられています。行事などの場でも、各自が何をどれくらい飲むかを決めておくことが大切だとされています。私は家を出る前に、手帳へ「今夜は2杯」と書きます。書くだけで、席での迷いがかなり減りました。

2. 先に食べる、または食べながら飲む

同じガイドラインには、飲酒前や飲酒中に食事をとると、血中アルコール濃度が上がりにくくなると書かれています。私は乾杯の前に、サラダや枝豆などを先に口にします。空腹で最初の一杯を迎えないだけで、2杯目の誘惑が弱まる実感があります。

3. 最初の一杯の頼み方を決めておく

乾杯の一杯だけは、周りに合わせて同じものを頼みます。ここで悩むと場が止まるからです。ただし、そこから先の注文は自分のペースで決めます。「最初の一杯は付き合い、二杯目からは自分の選択」と切り分けると、気持ちが楽になります。

要点: 量、食事、最初の一杯の3つを、席に着く前に決めておきます。

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席の上でできる4つの工夫

ここからは、実際に席に着いてからの動きです。

4. 合間に水か炭酸水を挟む

ガイドラインでは、飲酒の合間に水や炭酸水を飲むことで、アルコールをゆっくり分解・吸収できるようにすることが勧められています。私は一杯飲んだら、同じだけの水を頼むようにしています。水を飲んでも酔いが止まるわけではありませんが、飲むペースを自分で落とせる効果は確かにあります。

5. 薄める、ゆっくり飲む

度数を下げる方法も、ガイドラインで挙げられています。ハイボールなら薄めに作ってもらう、ワインなら少しずつ口にする、といった工夫です。グラスを持つ手を、あえてテーブルに置く時間をつくると、自然にペースが落ちます。

6. ノンアルコール飲料を選択肢に入れる

ノンアルコール飲料を選ぶことも、同じガイドラインで具体的な方法のひとつとして示されています。最近は居酒屋でも、ノンアルコールのメニューが充実してきました。同じ減酒パンフレットには、週に数日はお酒をノンアルコール飲料に置き換えることや、飲み会でグラスを空にしないことで注がれる回数を減らすことも、具体策として載っています。私も三杯目をノンアルにしても、周りは意外と気にしません。「今日は運転がありまして」など、軽い理由を添える必要もないと、私は経験から感じています。

7. 帰る時間を先に伝えておく

最後の工夫は、宴席の始めに「今日は〇時に失礼します」とひとこと伝えておくことです。二次会に誘われても、先に宣言しているので断りやすくなります。時間を区切ることは、量を区切ることにもつながります。

到着前: 1.量 2.食事 3.一杯目乾杯後: 4.水を挟む中盤: 5.薄める 6.ノンアル終盤: 7.帰る時間到着前 → 乾杯後 → 中盤 → 終盤の順に、使う工夫を切り替えます

図: 飲み会の流れと7つの立ち回りの対応(筆者の整理)

要点: 水を挟み、薄め、ノンアルを混ぜ、帰る時間を伝えると、断らずに量だけ抑えられます。

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それでもうまくいかない日の考え方

7つを実行しても、うまくいかない日はあります。私も、久しぶりに会う友人との席では、3杯を超えた夜がありました。

翌日に取り戻そうとしない

量が増えた翌日に、極端に食事を抜いたり、飲まないと決めて自分を責めたりするのはやめました。ガイドラインにも、一週間のうちに飲酒しない日を設けることが挙げられています。一晩の失敗は、週の中で調整すればよいと考えるようになってから、続けやすくなりました。

眠りと入浴にも気を配る

ガイドラインでは、飲酒により眠りが浅くなり睡眠リズムを乱すことがあると述べられています。また、飲酒後の入浴は血圧の変動が強まるなどして、心筋梗塞などを引き起こす可能性があるとされています。飲み会の帰りは、熱い湯に入らず、水を飲んで早めに休むことを心がけています。

高血圧がある人は特に注意

同じガイドラインの表では、高血圧の発症リスクについて、少量でも飲酒そのものが発症リスクを上げると示されています。e-ヘルスネット「アルコールと循環器疾患」でも、長期間の飲酒は血圧を上昇させ高血圧の原因になりえるとされ、服薬中の人は飲酒の可否を自己判断せず主治医に相談することが重要だと説明されています。私のように健診で指摘を受けている人は、「少しなら大丈夫」と考えず、主治医に相談しながら量を決めてください。

要点: うまくいかない日は週の中で調整し、帰宅後の眠りと入浴にも気を配ります。

飲み会の前後に書いておく、私の記録の取り方

立ち回りは、記録と組み合わせて初めて続きます。e-ヘルスネットの減酒パンフレットでは、毎日の飲酒量を正直に記録することが、自分の飲酒習慣を理解し改善する手助けになるとされています。飲酒量は「量(ml)×アルコール度数(%)÷100×0.8」で計算できます。

私が手帳に書いている4項目

  • 飲んだ日付と、お酒の種類と量
  • 計算した純アルコール量(g)
  • 席でできた立ち回りが7つのうちどれか
  • できなかったときは、その理由を一行

目標も、最初から高く置かないのがコツです。パンフレットには、今日から2週間〜1か月ほど無理なく取り組める目標を立てること、途中で難しいと感じたら変更してよいことが書かれています。私も、最初の2週間は「水を挟む」だけを目標にしました。

1〜2週間ごとの振り返り

同じパンフレットは、1〜2週間ごとに飲酒量と取り組みを振り返ることを勧めています。日曜の夜に5分だけ手帳を開き、増えた日と減った日を見比べます。増えた日には必ず理由があり、多くは「空腹で乾杯した」「久しぶりの相手だった」のどちらかでした。理由が分かれば、次の対策が立てられます。

要点: 量と理由を手帳に残し、1〜2週間ごとに見返すと、立ち回りが習慣になります。

よくある質問

Q. 飲み会で「今日は控えています」と言うのは失礼ですか?

失礼にはなりません。減酒のパンフレットでも、周囲に減酒中であることを伝える方法が具体策のひとつに挙げられています。理由は短く、「健診で言われまして」程度で十分です。

Q. 水を挟んでも酔いは止まりませんか?

水がアルコールを消すわけではありません。ガイドラインが述べているのは、合間に水を飲むことでアルコールをゆっくり分解・吸収できるようにする、という点です。飲むペースを落とす道具として使うのが現実的です。

Q. 二次会に誘われたときはどうすれば良いですか?

最初に帰る時間を伝えておくのが一番です。それでも誘われたときは、パンフレットにあるように、飲まずにまっすぐ帰宅する、または次回はランチにしようと提案する方法があります。

Q. 週に何日くらい飲まない日を作れば良いですか?

ガイドラインは、一週間のうちに飲酒をしない日を設けることを挙げています。具体的な日数は人によって違うため、健診結果を持って医師に相談して決めるのが安全です。

今夜から試せる小さな一歩

7つ全部を一度にやる必要はありません。私が最初に始めたのは、「飲む量を手帳に書く」ことと「水を挟む」ことの2つだけでした。それだけでも、翌朝の体の感覚が変わりました。数値の変化は健診を待つしかありませんが、体感の変化は一週間で実感できます。

次の飲み会の前に、まず1つだけ、手帳に今夜の量を書いてみてください。小さな記録が、半年後の健診結果を変えるきっかけになるかもしれません。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。健診で指摘を受けた方は、医師や専門家にご相談ください。