自分には「浮いたお酒代」という概念がない
正直に言うと、よく見かける「断酒したら月◯万円浮いた」系の記事、ずっとピンとこなかった。自分はビール半缶で顔が真っ赤になるALDH2低活性型なので、そもそも最初からお酒を飲んでいない。浮くも何も、最初から手元にあるお金だ。
じゃあ自分には関係ない話かというと、そうでもなかった。気づいたのは、毎週ノンアルクラフトビールや輸入ノンアルスピリッツを試飲レビューしている中で、「自分、ドリンクにけっこう課金してるな」という事実だ。好きだから続けているけど、月に換算するとそれなりの金額になる。
そこでふと思った。この「ノンアル代」を、もう少し意識的に使い分けたらどうなるんだろう?消費で終わるお金と、何かを生み出すお金に、意図的に仕分けしてみる実験をはじめた。
「サブスキル費」という名前をつけた理由
名前をつけると、お金の動きが変わる
家計管理アプリで支出カテゴリを眺めていたとき、「趣味・嗜好品」にまとめられていたノンアル代が目に入った。それ自体は間違っていないけど、なんか勿体ない気がした。レビューのために買うドリンクは確かに趣味だが、同時に自分のライティングスキルや商品知識を育てている側面もある。
そこで新しいカテゴリを作った。名前は「サブスキル費」。副業や本業外のスキルを育てるために使うお金、という意味だ。ノンアル代の一部、具体的には純粋な「飲んで楽しむ」出費と、「学んで発信する」出費を意識的に分けてラベルを貼りなおした。
これだけで面白いことが起きた。「サブスキル費」と名付けた支出は、なんとなく回収しようという気持ちが生まれてくる。投資したなら、何かアウトプットを出したい。そういう心理が自然と動きはじめた。
月に使える「サブスキル予算」を先に決める
ぶっちゃけ、最初は予算管理がザルだった。気になるノンアルを見つけるたびに買って、月末に振り返ると想定より出費が増えている、みたいなことが何度かあった。そこで月初に「サブスキル費:◯◯◯◯円」と先に決めて、その中でやりくりするスタイルに切り替えた。
上限を決めると選ぶ基準が変わる。「これは純粋に飲みたいだけか、それとも記事になるか、スキルになるか」を自問するようになった。結果として、衝動買い的な出費が減り、1本1本の選び方が丁寧になった。マジでこれだけで支出の質感がガラッと変わった。
サブスキル費の使い道:3つの分け方
①ドリンク代そのものをコンテンツ資産に変える
ノンアルのレビュー記事を書くために飲むドリンク代は、コンテンツ制作費として位置づけた。1本のノンアルスピリッツが記事1本になれば、そのドリンク代はコンテンツという資産に変換されている。記事が読まれ続けるかぎり、そのドリンクへの投資は長く働いてくれる。
これを意識しはじめてから、レビューの視点が変わった。「おいしかった」で終わらせず、「なぜおいしいのか」「誰に向いているか」「どんなシーンで飲みたいか」を言語化するトレーニングになった。言語化力は、どの仕事にも使えるスキルだ。
②関連するオンライン学習に課金する
ノンアル市場の知識を深めるために、フード&ビバレッジ系のオンラインコースや、醸造・フレーバー設計に関する動画講座にサブスキル費の一部を使いはじめた。飲料の背景を知ると、レビューの解像度が格段に上がる。
さらに、ライティング講座やSEOの基礎を学ぶサブスクにも少額課金した。これもサブスキル費として計上している。ドリンクを買うお金と、それを発信するスキルを磨くお金を同じ「サブスキル費」の枠に入れることで、インプットとアウトプットがセットで回るようになった。
③「現場体験」に使う
ノンアルバーやノンアルコースを提供するレストランに実際に足を運ぶ費用も、サブスキル費に入れている。現場でしか得られない情報がある。どんなグラスで出てくるか、スタッフはどんな説明をするか、空間の雰囲気はどうか。それを体験することで、記事に奥行きが生まれる。
これを「外食費」ではなく「サブスキル費」として計上するのは、単なる言葉遊びじゃない。同じ1000円でも、使う意識が変わると行動が変わる。体験をメモし、写真を撮り、帰り道に感想を音声メモする、という習慣が自然についてきた。
6ヶ月続けて気づいた「複利的な変化」
サブスキル費という概念を導入して半年が経った。金額的なリターンはまだ小さいが、正直それより先に変化したことがある。
まず、アウトプットのスピードが上がった。月に1本だった外部向けの記事が、3〜4本書けるようになった。ノンアル商品の知識が蓄積されているから、調べる時間が減って書く時間に充てられる。
次に、声がかかるようになった。SNSで発信し続けていたら、ノンアル関連の小さな案件に声をかけてもらえるようになった。まだ副業と呼ぶには小さい規模だけど、「本業外に収入源がある」という感覚は思ったより自己肯定感に効く。
そして一番驚いたのは、お金への解像度が上がったこと。「消費か、投資か」を日常的に問い続けることで、ドリンク以外の出費も同じ目線で見るようになった。サブスキル費という小さな実験が、お金全体の使い方に波及していった。
「飲まない選択」はそもそもコスパが良い
自分はもともとお酒を飲まない。それは体質の話であって、偉くも何ともない。ただ、飲まない時間とお金を何に変えるかは、完全に自分が決められる。
ノンアル代という小さなお金に「サブスキル費」という名前をつけて、意識的に動かしはじめた。それだけで、お金が消えるだけでなく、何かを育てる感覚が生まれた。Z世代の「飲まない選択」は、単なる健康志向じゃなくて、時間とお金の使い方を自分でデザインする選択でもあると思っている。
まずは家計アプリに「サブスキル費」というカテゴリを一つ作るだけでいい。ラベルを変えると、お金の動きが変わる。自分はそこから全部はじまった。
※本記事は一般情報の提供を目的としており、医療的助言・診断・治療の推奨を行うものではありません。健康に関するご相談は医療専門家にお問い合わせください。



