「早帰り」は得じゃない、と思っていた頃の話

自分はビール半缶で顔が真っ赤になるタイプだ。ALDH2という酵素の働きが弱いせいで、アルコールの分解産物がすぐ体に回る。だから最初からノンアルドリンク一択で、飲み会があっても22時には帰宅している。

ただ、最初のうちはこの「早帰り」を、ただの体質上の制約だと受け取っていた。みんながまだ二軒目へ移動するタイミングで自分だけ解散して、電車の中でスマホをぼーっとスクロールして、家に帰ってYouTubeを見て寝る。時間はあるのに、何かに変換できているわけじゃなかった。

「飲める人は二次会でつながりをつくってるんだろうな」という、ちょっと後ろ向きな気持ちもあった。正直に言うと。

その感覚が変わったのは、社会人2年目の秋口だった。

変化① 「帰宅後の2時間」に名前をつけた

名前がないと、時間は消えていく

帰宅してから寝るまでの2時間。それまでは「自由時間」と呼んでいたけれど、自由という名前はあいまいすぎて、何も決まらないまま溶けていった。動画を見るでも、勉強するでも、どっちつかずで終わる夜が続いた。

あるとき試しに、カレンダーアプリの22時〜24時のブロックに「副業仕込み」と入力してみた。それだけのことなのに、体感がわりと変わった。「自由時間」は何をしてもいい時間だけど、「副業仕込み」はやることが決まっている時間だ。名前を変えるだけで、スマホのスクロールを始める前に「あ、今日はこの時間で何をするんだっけ」と一瞬立ち止まれるようになった。

マジで、それだけで最初の1週間は動き方が変わった。

飲みに行かない夜は「週に何時間」か数えてみた

自分の場合、飲み会がある日でも22時台には帰る。飲み会がない日なら21時前後には自由になる。週5日のうち、飲み会があるのは多くて2日。残り3日は21〜22時スタートで2〜3時間確保できる計算だ。週に換算すると6〜9時間。月にすると24〜36時間になる。

これを数字で見たとき、ぶっちゃけ「案外でかいな」と思った。副業の勉強や作業に使えるまとまった時間が、体質のおかげで最初から手元にあったということだ。

変化② 「何をするか」を前日の夜に決めるようにした

当日に考えると、かならず消耗する

時間に名前をつけても、最初のうちは当日の22時に「さて何をしようか」と考えていた。これが思ったよりコストが高い。仕事が終わって帰宅した後の頭で、ゼロから今日やるべきことを選ぶのはしんどい。結果、なんとなくリサーチだけして終わる、という日が続いた。

そこで前日の夜に翌日の「副業仕込み」の内容を一行メモしておくようにした。「明日はクラウドソーシングのプロフィール文を書く」とか「記事の構成を1本だけ出す」とか、具体的かつ小さい単位で。

これをやってから、帰宅後のスタートダッシュが明らかに速くなった。考えるフェーズがすでに済んでいるので、帰ってきたらすぐ手を動かせる状態になっている。

「やること」より「やめること」を決めた方が効いた

同時に、22時以降はSNSのタイムライン閲覧を開かないというルールを自分に課した。見始めると30分が平気で消えるし、誰かの投稿に引っ張られて気分が散漫になる。ノンアルドリンクを選ぶのと同じ感覚で、「この時間にこれは選ばない」と決めるだけで集中の密度が上がった。

追加するより、除外する方が効果が出やすい。これは副業の時間管理で自分が一番実感したことだ。

変化③ 「積み上げ」より「出力の回数」を指標にした

月100時間より、月20回アウトプットの方が自分には合っていた

副業の時間管理で陥りがちなのが、「今月は何時間作業した」という積み上げ型の計測だと思う。自分も最初はそれをやっていたけれど、時間を積んでも成果物の数が増えない週があって、モチベーションの波が激しかった。

そこで計測軸を「アウトプットした回数」に変えた。記事の構成を1本書いたら1カウント、プロフィール文を1件更新したら1カウント、というふうに。月20回を目標にすると、1回あたりのハードルが下がって「今日は1個だけやっておこう」と動きやすくなった。

小さい完了体験が積み重なると、副業をやること自体が「重い作業」ではなく「いつもの習慣」になっていく。自分はこのフェーズに入ってから、副業から初めての売上が立つまでの時間が短くなった。

飲めない体質は、出力回数を稼ぐのに向いている

正直なところ、ここに来て体質のありがたさを初めて実感した。飲み会のある夜でも翌朝のコンディションが一定だから、翌日の昼休みや移動時間に副業の続きを進めやすい。「昨日飲みすぎて頭が重い」という状態がないぶん、週のどこかでリカバリーに時間を使う必要がない。

出力の回数を稼ぐには、コンディションの波が少ない方が有利だ。これは体質がどうこうというより、「波の少ない日常」が副業の継続率に直結するという話だと思う。

今の自分が「時間の捻出」について思うこと

副業を始めるときに多くの人が「まず時間をどこかから削り出さないと」と考える。でも自分の場合、時間自体はもともとあった。問題は、その時間に何の形も与えていなかったことだった。

名前をつける、前日に決める、やることより除外するものを決める。この3つは、特別なアプリも課金も必要ない。ぶっちゃけ、ノートと30秒あればできる。

飲まない夜が「何もない夜」に見えるとしたら、それはまだその時間に形がついていないからかもしれない。形をつけるのは、思ったより小さいアクションで始められる。自分の体験からすると、そう思う。

今日この記事を読んで「ちょっとやってみようかな」と思った人は、まずカレンダーアプリの今夜の枠に一行だけ書いてみてほしい。それが最初の変化になった、というのが自分の話だった。

※本記事は一般情報であり、医療的助言ではありません。副業・投資に関する判断は個人の状況に合わせてご検討ください。