そもそも、なぜお酒代の節約は続かないのか?

「今月からきっぱりゼロ」が招く反動

お酒代を節約したいと思ったとき、多くの人が最初にやることは「今月から飲まない」という宣言だと思う。正直、気持ちはすごくわかる。でも、ここに最初の落とし穴がある。

急に支出ゼロを目指すと、脳が「我慢している」と認識してしまう。その反動で週末にまとめ飲みが起きて、月の合計額が変わらない、むしろ増えた——という話、自分の周りでもよく聞く。節約の文脈でいうと、これは「ダイエット中のドカ食い」と構造が全く同じだ。

自分はもともと体質的にアルコールを受け付けないので、この「急にやめようとして失敗する」サイクルの外にいる。だからこそ、冷静に観察できる側にいる。そして見ていて思うのは、うまくいっている人はほぼ例外なく「段階的に支出を置き換えた」人だということ。

節約の目的を「お金を減らす」から「お金を動かす」に変える

お酒代の節約を「削減」として捉えると苦しくなる。でも「移動」として捉えると話が変わってくる。お酒に使っていた予算を、別の何か——ノンアル飲料、趣味、積立、健康投資——に流し込む感覚に切り替えると、「減らした」より「使い道を選んだ」になる。マジでここが一番大事なフレーム転換だと思っている。

Q. 今の自分がお酒に月いくら使っているか、どうやって把握すればいい?

レシートより先に「場所別」で仕分けする

まず支出を把握するステップから始めよう。家計簿アプリをすでに使っている人は「食費」や「外食」に埋もれがちなお酒代を、独立した項目として引き出してみてほしい。使っていない人は、ひと月だけレシートを取っておくか、スマホのメモに日付と金額だけ記録するところから。

場所別——コンビニ・スーパー・居酒屋・バー——で仕分けすると、どこが一番高いかが見えてくる。自分がノンアル飲料のレビューで各種飲料の価格を追いかけているなかで気づいたのは、「家飲み」と「外飲み」で1杯あたりのコストが3〜5倍ほど変わるケースが珍しくないということ。月の飲酒代が5,000円の人でも、その8割が外飲みなら削れる余地は大きい。

「お酒代」として認識していない支出を拾う

見落とされがちなのが、飲み会の交通費・二日酔いの日の昼食(揚げ物や炭水化物過多になりやすい)・頭痛薬などの小さな出費だ。これらをざっくりでいいので月の概算に足してみると、「お酒代の実額」より数百〜数千円多くなることが多い。ぶっちゃけ、この「隠れコスト」に気づいたときが、節約のモチベーションが一番上がる瞬間だったりする。

Q. 段階的に減らすとは、具体的にどういう順番でやるのか?

ステップ1:まず「外飲み1回分」をノンアルに置き換える

いきなり全部を切るのではなく、月の外飲みのうち1回だけをノンアルの席にシフトするところから始める。居酒屋でもノンアルビールやノンアルカクテルを選ぶだけでいい。1回の外飲みで飲酒代が2,000〜4,000円だとしたら、それがそのまま浮く。しかも「飲み会を断る」必要がないので、人間関係コストがゼロ。これが最初の一手として最も摩擦が少ない。

自分はもともと全席ノンアルなので、ここはむしろ得意分野だ。ノンアルクラフトビールや輸入ノンアルスピリッツのバリエーションは、ここ数年で本当に増えた。「ノンアルって選択肢少ないんでしょ」という印象はもう古い。飲める人がノンアルを選ぶ体験設計が整ってきているのを、自分は毎週レビューしながら感じている。

ステップ2:家飲みの「本数上限」を先に決める

家飲みを減らしたいなら、「飲まない日を作る」より「週に買う本数の上限を決める」ほうが機能しやすい。理由は、禁止は管理コストが高いが、数量制限は棚に残った本数が自動的に教えてくれるからだ。

上限を決めたら、余ったぶんの予算をノンアル飲料や別の飲み物に回す。ここで重要なのは「節約した分を空白のままにしない」こと。空白はストレスになる。代わりに「少し高めのクラフトノンアルを1本買う」くらいの代替を用意しておくと、満足感を保ちながら支出を削れる。

ステップ3:浮いたお金の「行き先」を先に決めておく

段階的に減らしながら浮いてくるお金を、行き先が決まっていない状態にしておくと、別の衝動買いに消えていく可能性が高い。だから「お酒代を月3,000円削ったら、その3,000円はつみたてNISAの積立額に上乗せする」というルールを最初に設定しておくのがベストだ。

自分が周りを見ていて感じるのは、「節約できた」を実感するには、浮いたお金が「どこかに着地した」という記録が必要だということ。積立の設定額が上がった画面を見るのは、正直けっこう気持ちいい。

Q. ノンアル飲料への置き換えはコスト的に本当にお得?

価格帯の現実と選び方

ノンアルクラフトビールや輸入ノンアルスピリッツは、コンビニで売っているアルコール飲料より1本あたりの価格が高いケースもある。これは事実として書いておく。350ml換算で200〜500円台の商品は珍しくない。

ただし比較の相手を「外飲みでオーダーするアルコール飲料」にすると話は変わる。居酒屋でビール1杯600〜800円が当たり前の時代に、コンビニで300円のノンアルクラフトを買って自宅で楽しむなら、半額以下になる。「置き換え先として何と比べるか」で損得の答えが変わるので、家飲みのノンアル化は節約効果が高く、外飲みのノンアル化は人間関係コストを下げながら節約できる、と使い分けて考えるといい。

自分はノンアルを毎週レビューしているので、価格帯ごとの満足度の実感はかなりある。ぶっちゃけ500円台のノンアルスピリッツより、200円台のノンアルビールのほうが満足度が高い商品も普通にある。価格と体験は比例しない、というのがレビューを続けてきて一番強く思うことだ。

まとめ:節約は「急に」より「ずらして」が残る

お酒代の節約方法をひと言でまとめるなら、「支出を急に消すのではなく、行き先を変える」だと思っている。

まず今の支出を場所別に把握して、次に外飲み1回をノンアルに置き換え、家飲みの本数上限を設定して、浮いた分の行き先を先に決める。この順番で動くと、「我慢した」ではなく「選んだ」に変わっていく。

自分はそもそも飲めない体質なので、お酒代の節約に苦労した経験はない。でも逆に、ノンアルという選択肢がどれだけ豊かになってきているかを毎週実感している立場として、「飲む量を減らしたい」「お酒代を別のことに使いたい」と思っている人に言えることがある。代替の選択肢は、もうちゃんとある。あとはその入れ替えを、急がずに、一個ずつやっていくだけだ。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。健康上の不安がある場合は医療機関にご相談ください。