「なんで副業できてるの?」と聞かれ続けた1年間
正直、最初はその質問の意味がよくわからなかった。「なんで時間あるの?」とも言い換えられるこの問いを、同世代の友人から何度もぶつけられた。仕事終わりにWebライティングの案件を受けて、週末に動画の台本を書いて——そういう話をすると、決まって「すごいね、どこにそんな時間があるの」と返ってくる。
自分の答えはシンプルだった。「飲みに行かないから」。ただ、それだけ言うと「ストイックだね」とか「意識高い系」みたいなニュアンスで受け取られる。でも実態はもっとシンプルで、自分はアジア人特有のALDH2低活性型で、ビール半缶でも顔が真っ赤になるタイプ。お酒が体に合わないから、最初からノンアルを選んできた。意志の強さとは関係なく、そういう体質なのだ。
だから「飲まない夜」は特別なことでも我慢でもなく、もともとの標準仕様。ぶっちゃけ、それが副業を動かすエンジンになるとは、しばらく自覚していなかった。
「残った時間」と「使える時間」は、まったく別物だった
時間があるのに動けない、という罠
副業を本格的に始めたのは社会人2年目の秋。その前から「夜は時間があるはずなのに、なぜか何も進まない」という感覚がずっとあった。仕事終わりに帰宅して、ノンアルビールを開けてソファに沈んで、気づいたら23時——そんな夜を繰り返していた。お酒のせいじゃない。単純に、時間の設計をしていなかっただけだ。
転機になったのは、ある週末に自分のカレンダーを1週間分遡って眺めたこと。「平日の20時〜23時、合計15時間。この時間、何に使ったっけ?」と問い直したとき、ほぼ空白だった。飲み会のブロックも、二日酔いの回復時間もない。にもかかわらず、何も残っていない。これはマジでショックだった。
「余白」を「余白のまま」にしていたことへの気づき
飲む人が「飲み会に使った夜」を取り戻そうとするとき、意識的に代替行動を設計しようとする。でも自分の場合、その夜がもともと空いているから、逆に「ま、あとでもできるか」という感覚で流してしまいやすかった。余白があることに慣れすぎると、余白をデフォルトのサボりゾーンにしてしまう——これが盲点だった。
つまり問題は「時間がない」ではなく、「時間があることに甘えていた」だ。飲まない選択は、時間を自動的に生んでくれる。でも副業を育てるには、その時間を意図的に「刈り取りに行く」姿勢が要る。
やってみた:週の「副業ブロック」を死守する設計
カレンダーに先に「副業の時間」を入れる
実践したのはシンプルなことだった。月曜の朝に、その週の平日3日分、20時〜22時の枠をカレンダーにブロックする。タイトルは「副業スプリント」。たったこれだけ。飲み会の予定が入ったらずらせばいいし、体調が悪ければ翌日に回せばいい。でもまず「ここは副業の時間」と宣言しておくことで、夜の使い方が劇的に変わった。
飲む人が「今夜は飲まない」と決めるときのエネルギーを、自分は別のところに使える。その夜に何をするかを決めるだけでいい。これは地味に大きなアドバンテージだと思う。翌朝のコンディションを心配しなくていいぶん、夜のパフォーマンスに全振りできる。
「何をするか」より「何をしないか」を先に決めた
副業ブロック中のルールとして、SNSのタイムライン閲覧とYouTubeの流し見を禁止にした。代わりに、ノンアルクラフトビールを1本開けながら作業する、という小さな儀式を作った。自分にとってノンアルは「楽しむもの」だから、それを作業のお供にすることでスイッチが入りやすくなった。仕事感を薄めながら、ちゃんとアウトプットできる状態——このバランスが自分にはちょうどよかった。
最初の1ヶ月は週3×2時間=6時間。ライティングの案件を1本こなして、Webデザインの独学をちょっとやって、という感じで動かしていった。収入はまだほとんどなかった。でも「動いている感覚」が積み上がるのが、マジで気持ちよかった。
3ヶ月後、変わったのは収入より「見え方」だった
3ヶ月後に手元に残ったのは、ポートフォリオサイトと、クライアント2社との継続案件と、少額だけど確かな副収入だった。金額より先に変わったのは、自分が自分のキャリアをどう見ているか、という感覚だ。
会社の仕事だけをしていたころは、評価も報酬も全部「上から降ってくるもの」だった。でも副業を動かしてみると、自分で動いた分だけ結果が返ってくる構造がリアルに見える。この「自分で動かしている感」は、何かを我慢して手に入れたものじゃない。もともとあった夜の余白を、ちゃんと使い始めただけで手に入った。
飲まない体質に生まれたことが、昔はコンプレックスに近い感覚もあった。飲み会で輪に入れない、みたいな。でも今は、それが自分のタイムバジェットの強みになっているとはっきり言える。夜が使える。翌朝が使える。週末が使える。この積み重ねは、長い目で見たらかなりデカい。
「飲まない選択」をしている人へ——時間の先取りを試してほしい
ノンアルを選んでいる人、ソバキュリな生活をしている人、体質的にお酒が合わない人——みんなに共通するのは、「飲んでいたら使えなかった時間」がすでに手元にある、ということだ。その時間を「特に何もしなかった」で終わらせるのは、正直もったいない。
副業に限らず、資格学習でも、趣味の深掘りでも、体を動かすことでも何でもいい。大事なのは、余白を余白のまま置いておかないこと。カレンダーに先に「自分のための時間」を入れてしまう、という小さな行動だけで、夜の景色は変わる。
自分はノンアルクラフトビールを飲みながらこの記事を書いている。今夜の副業ブロック、ちゃんと動かせている。それがいちばんの証拠かな、と思う。
※本記事は一般情報の提供を目的としており、医療的助言・診断・治療の推奨を行うものではありません。健康上の疑問・不安がある場合は、医師や専門家にご相談ください。

