結論から言うと、ノンアルコール飲料を子どもに飲ませてよいかを一律に決める法律はなく、判断は家庭に委ねられています。ただし、表示がアルコール分0.00%なのか、1%未満の微アルコールなのかで中身は別物なので、まずラベルの確認が出発点です。そのうえで私は「味や見た目がお酒そのものの商品は、子どもには出さない」という線を引いています。理由は、研究で見えている範囲と、我が家の実感の両方から説明できます。

子どもにノンアルコール飲料を飲ませていいのか、先に答えを整理します

ここで先に押さえておきたいのは、「ノンアル」という言葉が指す範囲が広いことです。缶の正面に大きく「ノンアルコール」と書いてあっても、中身の表示は商品ごとに違います。

  • 完全にアルコール分を含まない商品(0.00%表記のもの)
  • アルコール分が1%未満で、酒類には当たらない商品(微アルコール)
  • ビールやワインを造ってからアルコールを抜いた商品(脱アルコール型)

子どもに出す前に、缶やボトルの裏の「アルコール分」の欄を見てください。ここに数字が入っているものは、0.00%でなければ微量でもアルコールを含みます。1%未満は酒税法上の酒類には当たりませんが、アルコールゼロとは違います。

要点: 「ノンアル」の一語で判断せず、裏面のアルコール分の表示から確認します。

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ラベルの読み方と、売り場で見落としやすい点

私は買い物のとき、アルコール分の欄、原材料欄、飲用年齢の注意書きの順に見ています。商品によっては「20歳未満の方の飲用はおやめください」と書いてあるものがあり、これは業界が自主的に付けている表示です。法律で全商品に義務づけられた表示というわけではないので、書いていない商品もあります。

売り場でもう一つ気になるのは、ノンアルが酒類と同じ棚に並んでいる店が多いことです。年齢確認をされる店とされない店があり、子どもが自分で買えてしまう場面も想像できます。ここは店側の運用に差があるので、家庭の側で「買うのは大人」と決めておくほうが確実です。

表示の種類

中身

子どもに出す前の見方

0.00%など

アルコール分を含まない

見た目や名前がお酒そのものでないか確認

1%未満の表示

微量のアルコールを含む

出さない判断が無難

酒類(1%以上)

お酒そのもの

20歳未満は法律で禁止

図: アルコール分の表示ごとの見方(筆者が表示区分を整理)

要点: 飲用年齢の注意書きは任意の自主表示で、買い物の段階から大人が管理するのが確実です。

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公的機関と研究は「飲酒習慣の前倒し」をどう見ているか

子どもが飲むと何が心配なのかを、まず日本の調査から確認しました。日本の小学生と家族を対象にした調査(薬学雑誌 2018年)では、ノンアルコール飲料を飲んだ経験のある子どもは、そうでない子どもに比べて、家族に飲酒する人が多く、飲酒や喫煙への関心や動機づけが高い傾向があったと報告されています。詳しくはPubMedの要旨(PMID: 29962476)で確認できます。

次に、公的な情報も確認しておきます。厚生労働省の e-ヘルスネットは、20歳未満の飲酒について、脳や骨の発達への影響が大きいこと、飲み始める年齢が早いほど将来の事故やアルコール依存症のリスクが高まることを、多くの研究が示していると説明しています。これはあくまでお酒そのものの話で、ノンアルコール飲料に当てはめた記述ではありません。出典はe-ヘルスネット「20歳未満の者の飲酒」です。

ここで大事なのは、日本の調査は「ある時点での関連」を調べたもので、ノンアルを飲ませたから飲酒に進む、という因果を示したものではないことです。家庭の飲酒環境という別の要因も絡んでいるので、断定は避けたほうが誠実だと私は考えています。

要点: 関連は報告されていますが、因果までは分かっていないので、不安をあおる言い方も安心しきる言い方もできません。

家庭で決めておきたい3つの線引き

ここまでの情報から、我が家で実際に決めている線引きを3つにまとめました。正解というより、迷ったときの物差しとして使ってください。

  1. 見た目と名前がお酒そのものの商品は出さない。ビール缶そっくりの子ども向け以外のノンアルは、大人の飲み物として扱います。
  2. アルコール分の欄に数字が入っている商品は、1%未満でも出さない。0.00%の表示かどうかを毎回確認します。
  3. 買うのは大人、冷蔵庫の置き場所も大人の側に。子どもが自分で選べる環境にしません。

子ども向けに作られたジュースや麦茶、炭酸水は、この3つの線の外側にあります。「乾杯したい」という気持ちに応えるなら、そちらを選べば十分です。

要点: 線引きは商品の見た目、表示の数字、買う人と置き場所の3点で決めると迷いません。

私の場合、乾杯の場面でどうしているか

私は平日の仕事終わりにノンアルビールを飲んでいます。もし子どもがいる食卓なら、同じ缶を見せないようにするでしょう。というのも、自分が3年飲み続けて気づいたのは、ノンアルの魅力が「お酒の雰囲気を楽しめること」にあるという点だからです。それは大人にとっては良さでも、子どもにとっては「ビールのまね」の入口になりやすい気がしています。

親戚の集まりのような乾杯の場面では、子どもには専用のグラスにりんごジュースを注いで、同じタイミングでグラスを合わせるのがちょうどいいんですよね。仲間外れ感がなく、缶の見た目も揃えずに済みます。

要点: 乾杯の気分は共有しつつ、飲み物はお酒の見た目から離すのが無理のない形です。

よくある質問

0.00%のノンアルコールビールなら、子どもに飲ませても問題ありませんか

法律上、アルコール分が含まれない飲料の飲用を子どもに禁じる決まりはありません。ただし、前の章で触れたとおり、飲酒への関心との関連を報告した調査もあります。商品の見た目がビールそっくりの場合は、家庭の判断で控える選択が考えられます。迷うときは、かかりつけの小児科医に相談してください。

微アルコール(1%未満)の飲料はどう考えればいいですか

アルコール分が入っている以上、ゼロの商品と同じ扱いにはしないほうが安全です。20歳未満の飲酒は法律で禁じられており、微量でも「飲酒」に近づけない判断が無難です。

子どもがノンアルを飲みたがったらどう伝えればいいですか

「これは大人が選んで飲むもの」と短く伝え、代わりの飲み物をすぐ渡すのがおすすめです。理由を長く説明するより、選択肢を示すほうが落ち着いて受け止めてくれる印象があります。

子どもが自分で買えてしまう場合はどうなりますか

店ごとに年齢確認の運用が違います。家庭で「ノンアルは大人が買う」と決めておけば、店の対応に左右されません。

関連する話は、飲まないチカラの「こどもビール」の記事でも触れています。今夜は冷蔵庫を開けて、子どもの手が届く段にあるものを、一度だけ確認してみてください。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。