「七夕に乾杯」って、そもそも何で乾杯するべき?

去年の七夕、友人たちと集まって短冊を書くプチイベントをやった。自分が幹事だったので飲み物を用意する係になったんだけど、そのとき初めて「あれ、このシチュエーションって何を出せばいいんだろう」と真剣に考えた。

クリスマスならシャンパン的な泡、お花見なら缶ビール、みたいな「イベント×ドリンク」の文化的パッケージってあるじゃないですか。七夕には正直、そういう「これ一択」みたいなドリンクがない。むしろその余白が、ノンアルにとってかなりのチャンスだと気づいた瞬間だった。

自分はもともとALDH2が低活性型で、ビール半缶で顔が真っ赤になる体質。最初からノンアル一択でやってきた人間なので、「場に合わせて飲む」という発想がそもそもない。でもだからこそ、「このイベントにはどのノンアルが似合うか」を純粋に楽しみとして考えられる気がしている。

去年の七夕、実際に何を選んだか

「星」「夜空」「涼」をキーワードに選ぶ

七夕のムードって、視覚的にはブルーとシルバー、感覚的には夏の夜の涼しさ、だと自分は思っている。だからドリンクも、見た目が涼しくて、色がきれいなものを意識して選んだ。

具体的には、青みがかったボタニカル系のノンアルスピリッツをソーダ割りにしたものと、クラフト系のノンアルビールを2種類。前者は氷をたっぷり入れたグラスに注ぐと光が屈折してきれいで、テーブルがなんとなく「夜っぽく」なった。後者は麦の風味がしっかりしたやつで、外が蒸し暑い夜にみんなが一口飲んで「あ、これうまい」ってなってくれたのがマジでうれしかった。

「乾杯の言葉」が変わった

そのとき、友人のひとりが「何に乾杯する?」と聞いてきた。普段の飲み会なら「とりあえず!」で終わるやつが、なぜかその夜は「今年の願い事に!」ってなった。短冊を書いた後だったからかもしれない。

ぶっちゃけ、あの乾杯はすごくよかった。アルコールが入っていようといなかろうと、グラスを合わせる行為自体に意味があって、その「意味」を言語化する機会をイベントが作ってくれる。ノンアルだったから場がしらけた、なんてことは一切なかった。

季節イベントとノンアルの「相性問題」を考え直す

「何を飲むか」より「なぜ飲むか」が先

この体験を経て、自分の中でひとつ考え方が変わった。季節のイベントにノンアルを持ち込むとき、「これノンアルだけど大丈夫?」と不安になるより先に、「このイベントで乾杯する意味って何だっけ」を一回考えると、選ぶドリンクが自然と定まってくる。

七夕なら「願いを共有すること」、お花見なら「季節の移ろいを感じること」、誕生日なら「その人の存在を祝うこと」。その目的に対して、ノンアルがジャマをするかというと、全くしない。むしろグラスの見た目や香り、炭酸の強さを自由に選べる分、「今夜の気分」に合わせやすいと感じている。

「記念日感」の演出はドリンクだけじゃない

去年の七夕でもうひとつ気づいたのは、グラスにちょっとだけ気を遣うだけで場の空気がかなり変わるということ。いつもの家飲みグラスじゃなくて、脚付きのグラスやワイングラスにノンアルを注ぐだけで、なんか「特別な夜っぽさ」が出る。ドリンクの中身がノンアルかどうかより、その器と注ぎ方が場の温度を作っていた。

正直、これはノンアル派の自分が気づきやすいことかもしれない。アルコールの「酔う」という効果に頼らない分、五感の他の部分で「この夜が特別だ」と感じる仕掛けを自然と探すようになる。それが自分にとっては、季節イベントをより丁寧に味わうことにつながっている気がする。

「夏のイベントカレンダー」をノンアルで埋めていく面白さ

七夕を経験してから、自分の中で「イベント×ノンアル」を考えるのがちょっとした趣味みたいになってきた。夏だけでも、土用の丑の日、お盆、花火大会、夏祭り……それぞれに「このシーンに合うノンアルって何だろう」と考えるのが、マジで楽しい。

花火大会なら、屋台のにおいと夏の夜風に合わせて、麦感強めのノンアルビールをペットボトル持参。夏祭りの縁日っぽい雰囲気なら、甘めのノンアルジンジャービアをコップに注いで飲む。それぞれの場の空気感を「飲み物で翻訳する」感覚で選ぶのが面白い。

アルコールが飲めないことを「制限」と感じていた時期は、正直ほとんどなかった。でも今は、制限どころか「ドリンクの選択肢が広い人間」だと思っている。アルコールを除外した上で、炭酸の強弱、甘さ、苦み、香り、見た目の色……この全部を自由に組み合わせてイベントの雰囲気を作れる。それって、けっこう豊かな楽しみ方じゃないかと感じている。

今年の七夕、自分が試してみること

今年の七夕(7月7日)は平日だけど、仕事終わりに一人でも「ちゃんと乾杯する夜」にするつもりでいる。去年みんなとやった体験が良すぎたので、一人でも再現したいという気持ちがある。

短冊は書かないかもしれないけど、今年やりたいことをメモした手帳を開きながら、見た目が涼しくてすっきりした炭酸系のノンアルを一杯。それだけで、7月7日という日が「ただの平日」から「ちょっと特別な夜」になる。

ノンアルって、アルコールの代替品というより、「場と気分を演出するツール」だと自分は思っている。季節のイベントは、そのツールを意識的に使う絶好のタイミングだ。乾杯の理由がある夜ほど、グラスの中身を丁寧に選びたくなる。それが、自分にとっての「飲まないチカラ」の使い方。

※本記事は一般情報であり、医療的助言ではありません。飲料の選択に関して健康上の不安がある場合は、医師や専門家にご相談ください。