月曜の午後2時、手が止まらなくなった日

それは、特別なことが何もなかった月曜日の午後のことだった。

会議が終わって席に戻り、企画書の続きを開く。「どうせまた詰まるだろうな」と思いながらキーボードに指を置いたら——するする、と言葉が出てきたんですよね。まるで頭の中のノイズが消えたみたいに。気づいたら1時間、一度も手を止めていなかった。

以前の私なら、こういう「乗れてる感」は週の後半にしか来なかった。月曜や火曜は「週末の疲れを引きずってる」感じで、頭がどこかもわっとしていた。でも最近は違う。月曜の午後でも、こういう瞬間がくるようになった。

変わったこと、といえば——3年前から続けている、平日のノンアル生活くらいしか思い当たらない。

金曜の夜から、日曜の夜を振り返る

週末のワインと、月曜の朝のコンディション

私の飲み方はこんな感じ。平日はノンアルビールかアルコールフリーのクラフトスパークリング。週末だけ、好きなワインをグラス1〜2杯楽しんでいる。

ある日曜の夜、友人と家でビオワインを一本あけた(二人でだから半分くらいずつ)。おいしくて、話も弾んで、最高の夜だった。翌朝のことは、正直あまり考えていなかった。

月曜の朝。目が覚めた瞬間から「あ、今日はちょっとしんどいかも」と感じた。体が重いとか、頭痛があるとかではない。ただ、焦点が合うまでに少し時間がかかる、というか。スマホの画面を見てもすぐに「読む」モードに入れない感じ。メールを開いて文字を追っていても、内容がスッと入ってこない。

これ、昔は「月曜ってこういうもん」だと思っていたんですよね。でも今はわかる。あれは「週明けのしんどさ」ではなく、「前夜の選択の余韻」だったんだって。

ノンアルの夜が続いた週明けの、頭の感触

一方、週末も外出が重なって「飲む機会がなかった月曜」の朝は明らかに違う。

目が覚めた瞬間から、視界がパキッとしている。窓から入る光の量と角度でだいたい何時かわかるくらい、感覚が鮮明なんですよね。スマホを開いたら文字がすっと目に入ってくる。キッチンでコーヒーを淹れながら、今日やること・今週の段取りが自然に頭の中で整列していく。

この差を、私は「焦点が合う速さ」と呼んでいる。頭が「起きている」状態になるまでのラグが、全然違うんです。

「冴える」の正体は、たぶんこれだと思っている

夜中に脳が働いていなかった、ということ

アルコールが睡眠の後半部分に影響を与えることは、私も体感している。飲んだ夜は確かに寝つきが早い。でも明け方に浅くなる感じがあって、夢もやたらに多い。

ノンアルで過ごした夜は、それがない。「夢を見た気がしない」くらいしっかり眠れる夜が続く。そうすると朝の頭が、昨日の続きから始まれるんですよね。昨日の仕事の文脈を引き継いだまま、今日を始められる感じ。この「文脈の連続性」が、午後2時の「するするタイム」につながっているんじゃないかと思っている。

「疲弊している脳」と「休めた脳」は、出力の質が違う

こんな体験もあった。ある水曜日の夜、締め切り前でどうしても企画書を仕上げたかった。ノンアルのホップ入りスパークリングをグラスに注いで、デスクに座った。ちょっと気分転換になって、また集中できた。

あの「ちゃんと休めた脳で仕事をしている」感覚は、飲んだ翌日には出せない。疲れてはいないんだけど、どこかが「引っかかる」。思考が一本線でつながらなくて、途中で別のことを考えてしまう。気づいたらSNSを開いていた、みたいなことが起きやすいのも、そういう日だ。

集中力って、「頑張る力」じゃなくて「ノイズが少ない状態」なんだと思うようになった。

ノンアルの夜が「明日の自分への投資」になっていく

3年続けてきて、平日ノンアルが習慣になった一番の理由は、「翌日のパフォーマンスが気持ちいい」からだと思っている。ストイックな話ではなくて、純粋に「明日の自分が動きやすい」という快感。

仕事終わりにキンキンに冷えたノンアルビールを開ける瞬間、炭酸の泡が立つのを見ながら「今日もよく働いたな」と思う。ノンアルのホップの香りって、意外とちゃんとリラックスさせてくれるんですよね。そして翌朝、頭がすっきりした状態でコーヒーを飲みながら「今日もいける気がする」と思えたとき、なんか両方が揃った感じがする。

週末のワインは相変わらず好きだし、やめる気もない。ただ「月曜に大事な仕事がある週は、日曜の夜はノンアルにしようかな」という判断が、今は自然にできるようになってきた。飲む日も飲まない日も、自分で選んでいるという感覚があると、なんか気分がいい。

あの月曜の午後2時に戻って

企画書を書き終えて、ファイルを保存したときに思った。「あ、今日いい仕事できたな」って。

特別なことは何もしていない。前の夜に特別な栄養を摂ったわけでも、早起きして瞑想したわけでもない。ただ、金土日とも飲む機会がなくて、ノンアルのクラフトスパークリングを飲みながらのんびり過ごしていただけ。

それだけで、月曜の午後2時の自分が全然違う。頭が「今日の自分」として、ちゃんとここにいる感じ。

冴える、って派手なことじゃないんですよね。ノイズが消えて、やるべきことに手が届く。それだけのことが、思っていたより毎日をずっと気持ちよくしてくれる。私がノンアルの夜を好きな理由は、たぶんここにある。

※本記事は一般的な生活習慣に関する情報提供を目的としており、医療的助言・診断・治療の推奨ではありません。体調に関するご心配がある方は医療機関にご相談ください。