健診の数値が、私に「量を整えろ」と教えてくれた

昨年の春の健康診断で、γ-GTPの数値が基準値(50 IU/L)の2倍をゆうに超えていました。医師からは「肝臓に負荷がかかっています。飲む量と頻度を見直しましょう」と淡々と告げられ、以前の私は「そのうち気をつけよう」と聞き流していたと思います。ところがその年は、なぜか数値が紙に印刷されたまま頭に残り続けました。

それまでは仕事帰りに缶ビールを2〜3本、週末はウイスキーをロックで3〜4杯という生活が当たり前でした。「飲む量が多い」という自覚はあったものの、やめるつもりは全くなく、ただ「整えればいいのだろう」という感覚で、週3日の休肝日と1日2杯までのルールを自分に課してみることにしたのです。

節酒を始めて最初に気づいたのは、午後の頭の重さだった

「飲んだ翌日の午後」がいちばん鈍かった

節酒を始めて最初の1〜2週間、正直なところ「飲む日と飲まない日のメリハリ」が想像以上にはっきりしていることに驚きました。以前は毎日飲んでいたため気づかなかったのですが、休肝日の翌朝の頭の軽さと、飲んだ翌日の午後の重たさを、初めて比較できるようになったのです。

特に顕著だったのは、午後2時から4時ごろの時間帯です。以前は「年のせいか午後は集中できない」と思っていたのですが、休肝日明けの日にはその重さがほとんど感じられない。飲んだ翌日は、何かを読んでいても内容が頭に入ってこず、メールの返信文を考えるのにも妙に時間がかかっていました。量と頻度を整えてみると、それが「年齢」ではなく「お酒の影響」だったのではないかと思い始めました。

「2杯まで」の縛りが、逆に飲む時間を豊かにした

1日2杯というルールは、始めた当初は窮屈に感じていました。しかし、2杯と決めると、1杯目をどのタイミングで飲むか、何を飲むかを自然と意識するようになりました。以前は惰性で缶を開けていたのが、「今日の1杯目」として少し丁寧に選ぶ習慣ができたのです。結果として、飲む時間が心地よくなったと感じています。量を減らしたのに、満足感が下がらなかったのは正直意外でした。

3ヶ月後の再検査、数値が動いた

節酒開始から3ヶ月後に経過観察のため受診しました。γ-GTPの数値は、以前の数値から約4割ほど下がっており、医師から「このまま続けてみましょう」と言っていただけました。ALT(GPT)も合わせて改善していると説明を受け、「肝臓の負荷が減っている」ということを数字で確認できた瞬間は、節酒を続ける大きな動機になりました。

数値の改善と並行して、午後の集中力の変化も続いていました。特に、休肝日を週3日設けたことで、「翌日の午前中の鮮明さ」が習慣として定着してきた感覚があります。以前は「朝から頭をフル回転させる仕事は午前中に片付ける」という意識が薄かったのですが、休肝日明けは頭がすっきりしているため、自然と難しいタスクを午前中に持ってくるようになりました。

「整える」ことで変わった、1日の時間の使い方

夜の飲み方が変わると、翌日の行動が変わる

節酒を続けていると、夜の過ごし方が少しずつ変化しました。以前は帰宅後すぐに缶ビールを開けて、そのままテレビの前でだらだらと時間を使っていました。今は、休肝日には夕食後に少し読書をしたり、翌日の仕事の段取りを整えるメモを書いたりする余裕が生まれています。

「飲まない夜」が必ずしも退屈というわけではなく、ただ「何をするかを意識していなかっただけ」だったと気づいた感覚があります。飲まない日の夜の時間が、翌日の集中力と直結していると実感するようになると、自然と休肝日が苦ではなくなっていきました。

「量と頻度を整える」は、禁酒より続けやすかった

私は完全に断酒しようとは思っていませんでしたし、今もそのつもりはありません。「週3休肝・1日2杯まで」というルールは、数字があることで迷わなくて済むという点が自分には合っていたと感じています。「今日は飲む日か、飲まない日か」を週の初めに決めておくだけで、気持ちの揺れが減りました。

禁酒や大幅な制限が合う方もいると思いますが、私のように「お酒は好きだし、飲み続けたい。ただ数値と体調を整えたい」という立場では、ルールの明確さが継続のカギになったように思います。1年を振り返ると、無理をした記憶がほとんどないのは、ゼロを目指さなかったからかもしれません。

節酒1年、数値と頭の冴えが教えてくれたこと

節酒を始めて1年が経ちました。直近の健診でもγ-GTPの数値は引き続き改善傾向を維持しており、医師からは「生活習慣として定着しているようですね」と言っていただいています。体重もじわじわと落ち、健診全体の評価が1段階改善しました。

いちばん大きな変化として実感しているのは、やはり午後の集中力です。以前は「これは50代の衰えだ」と半ば諦めていたものが、量と頻度を整えるだけで変わってきたのは、正直予想以上でした。もちろん加齢の影響もゼロではないと思いますが、少なくともお酒の量が頭の状態に影響していた部分は確実にあったのだと、自分の体感から感じています。

「完璧にやめる」ではなく「丁寧に整える」という選択が、私には心地よく続けられる方法でした。健診の数値が気になっている方、午後の頭の重さをぼんやり感じている方に、この1年の体験が何かのヒントになれば嬉しいと思います。

※本記事は一般的な生活習慣・体験に関する情報提供を目的としており、医療的助言・診断・治療の推奨ではありません。体調や検査値に不安がある場合は、医師など専門家にご相談ください。