健診の数値に「お腹まわり」を突きつけられた日

以前は仕事帰りに缶ビールを2〜3本、週末は晩酌に日本酒を2合ほど飲むのが当たり前でした。それが「普通」だと思っていましたし、特段の不調も感じていなかった。ところが昨年の健診でγ-GTPが基準値の2倍を超えていたことを医師から告げられ、減酒指導を受けることになったのです。

そのとき同時に指摘されたのが、腹囲の数値でした。体重はさほど変わっていないのに、お腹だけが年々じわじわと大きくなっていた。医師には「内臓脂肪もですが、皮下のたるみも気になりますね」と言われ、はじめて「飲み方を整える」ことを真剣に考え始めました。

週3日の休肝日と、飲む日は1日2杯まで。このルールを1年続けてみると、体にいくつか気持ちのいい変化が現れてきたのです。今回は「皮下脂肪とむくみ」という切り口で、その変化を正直に書いてみます。

お酒と「むくみ」の関係を整理する

アルコールが水分バランスに働きかける仕組み

以前の私は、翌朝に顔や脚がぱんと張っている感覚を「年のせい」だと片づけていました。しかし節酒を始めてしばらくすると、休肝日の翌朝は顔の輪郭がすっきりしていることに気づきはじめました。

アルコールには、腎臓から水分を排出させる働きを促す一方で、その後に体が水分を溜め込もうとする揺り戻しが起こると一般的に言われています。飲んだ夜に利尿が進み、翌朝はかえって顔や手足がむくむ——そのサイクルを長年くり返していたのだと、節酒して初めて体感として気づきました。

休肝日の翌朝に気づいた「顔の軽さ」

週3日の休肝日を設けて2〜3週間が経ったころ、洗顔後に鏡を見て「あれ、顔がすっきりしているな」と思う朝が増えてきました。決して劇的な変化ではありません。ただ、以前は当たり前だったぼんやりとした重さが、休肝日の翌朝には感じにくくなっていた。体感的な変化というのは、こういう小さな積み重ねで実感するものだと思います。

脚のだるさも似たような変化がありました。夕方になると脚が重い感覚を「立ち仕事でもないのに」と不思議に思っていましたが、休肝日が続く週は夕方の脚のだるさが幾分か楽に感じられる日が増えました。

皮下脂肪と節酒——私が体感した変化

お腹まわりの「やわらかいたるみ」が少しずつ変わった

内臓脂肪と皮下脂肪は別物です。内臓脂肪は比較的早く変化が出やすいと言われますが、皮下脂肪はもっとゆっくりです。私の場合、節酒を始めた最初の3か月は体重計の数値にさほど変化はありませんでした。ところが半年を過ぎたあたりから、ベルトの穴が一つ変わりました。

体重そのものは数キロ程度の変化でしたが、お腹まわりのやわらかいたるみが明らかに変わっていた。以前は腰に手を当てると皮下のやわらかさがつかめたのですが、それが幾分か引き締まってきた感じがありました。食事の内容も少し見直しましたが、大幅に変えたわけではありません。飲む量と頻度を整えたことが、一番大きな変数だったと思っています。

アルコールが「体の調整力」を奪っていたかもしれない

以前は、飲んだ翌日は食欲が増す傾向がありました。脂っこいものや塩分の強いものを無性に食べたくなる。振り返ってみると、アルコールが体の調整信号を鈍らせていたのかもしれません。節酒してからは、翌朝に「なんとなく腹が減っている、何か食べなきゃ」という焦りのような感覚が薄れました。朝食を落ち着いて選べるようになった、とでも言いましょうか。

皮下脂肪は一朝一夕には変わりません。でも、飲む頻度と量を整えることで「過剰に食べてしまう翌日のサイクル」が減り、それが少しずつ積み重なって体の変化につながったのだと私は解釈しています。

1年間続けた「週3休肝・1日2杯」ルールの実際

ルールを続けやすくする工夫

正直なところ、最初の1か月は休肝日に物足りなさを感じる日もありました。でも「やめる」のではなく「量と頻度を整える」という発想に変えたことで、気持ちがずいぶん楽になりました。飲む日はちゃんと楽しむ。飲まない日は飲まないなりの夜の過ごし方を見つける。この切り替えが上手くできるようになったのは、3か月目以降だったと思います。

休肝日の夜は、炭酸水や温かいお茶を手元に置いておくだけで、不思議と「飲まなくていい」という気持ちになれました。手元に何もないと物足りなさが増すのですが、グラスやカップに飲み物があるだけで夜のリズムが整う気がします。

健診の数値が「続けるモチベーション」になった

節酒を始めて半年後の中間チェックで、γ-GTPの数値が基準値に近いところまで下がっていました。医師から「ちゃんと結果が出ていますね」と言われたときは、素直に嬉しかったです。数値が動くと、体感の変化も「気のせいではなかった」と思えてきます。

健診の数値というのは、自分の体への正直なフィードバックです。以前は健診結果をなんとなく見て「また来年頑張ろう」で終わらせていました。でも今は数値を具体的な行動のきっかけとして使えるようになった。この変化が、私にとって節酒を「続けられるもの」にしている一番の理由かもしれません。

整えることは、楽しみを手放すことではない

1年間節酒を続けてみて感じるのは、「飲む量と頻度を整える」ことは、お酒の楽しみを失うことではないということです。むしろ飲む日の1杯目が、以前よりずっとおいしく感じられるようになりました。毎日飲んでいたころは、2杯目あたりから味よりも「慣れ」で飲んでいたように思います。

むくみが引いた朝の顔の軽さ、ベルトの穴が変わった小さな達成感、健診数値の改善——これらは「何かを我慢した結果」ではなく、「整えたことで生まれた気持ちよさ」だと感じています。完全禁酒でなくても、量と頻度を少し見直すだけで体は確実に応答してくれます。50代の私でも実感できたのですから、試してみる価値はあると思います。

引き続き、数値と体感の両方を手がかりに、自分のペースで整えていくつもりです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療的助言・診断・治療の推奨を行うものではありません。体の不調や健康上の不安がある場合は、必ず医師や医療専門家にご相談ください。