結論から言うと、30日間お酒を飲まない試みを成功させる鍵は、気合いではなく「始める前に決めておくこと」にあります。私が決めたのは3つ、途中で足したのが1つです。完全にやめると決めたわけではなく、「30日だけ、自分で選んで飲まない」と決めて、育児の合間に試してみました。この記事では、その体験を時系列で振り返りながら、始め方の手順と、終わったあとの考え方までをお伝えします。

私は30代の女性で、第一子の出産を機に、お酒を「選んで飲まない」暮らしになって2年ほどです。授乳期から自然に移行したので、はじめは意識して挑戦したというより、気づけば飲まない夜が増えていました。そのあとで改めて「1か月、きちんと決めて飲まない」を試したのが、今回の話です。

始める前に、研究で分かっていることを確認した

まず、30日という期間にどんな意味があるのかを知りたくなりました。

1か月の休止のあと、飲む日が減ったという報告がある

イギリスの「Dry January」という、1月に1か月お酒を飲まない取り組みの参加者を追った研究では、半年後に飲む日数や1回に飲む量、酔う頻度が減ったと報告されています。この研究の結果は、のちの調査論文の序文でも引用されています(Case et al. 2021 Drug and Alcohol Dependence)。元の研究は、完走できなかった参加者にも似た減少が見られたとされています。

数字を過信しすぎない

ただし、これは「飲まなかった人」だけの結果ではなく、自分から参加した人の話です。参加する時点で意欲が高い人が多いはずなので、そのまま誰にでも当てはまるとは言えません。私は「うまくいけば儲けもの」くらいの気持ちで、期待しすぎずに始めました。

要点: 1か月の休止は、その後の飲み方を見直すきっかけになる可能性があります。ただし結果には個人差があります。

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始める前に決めた3つのこと

準備に使ったのは、始める前の週末の1時間です。

1つ目:期間とゴールを書く

手帳に「開始日と終了日」を書き、ゴールを「30日続ける」ではなく「30日間、自分の夜がどう変わるかを見る」にしました。失敗か成功かで測らないほうが、途中で飲んでしまったときにも続けやすいと考えたからです。

2つ目:代わりの飲み物を先に買う

飲みたくなるのは、たいてい夜の決まった時間です。その時間に手に取る飲み物を、先に用意しました。炭酸水、麦茶、ノンアルコール飲料の3種類を冷蔵庫に入れておきます。

3つ目:家族に先に伝える

夫に「この1か月は飲まないで過ごしてみる」と先に話しました。協力してほしいことは、家にお酒のストックを増やさないことだけです。

要点: 期間とゴール、代わりの飲み物、家族への共有。この3つを始める前に決めます。

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30日のあいだに起きたこと

時系列で、週ごとに振り返ります。

時期

私に起きたこと

やったこと

最初の1週間

夜の手持ちぶさたが目立つ

夕食後に温かいお茶をいれる

2週目

寝つきの感じ方に気づく

就寝時刻を手帳に記録

3週目

外食の誘いが1件あった

ノンアルを先に頼む

最後の1週間

終わったあとの飲み方を考える

ルールを書き出す

図: 30日の経過(筆者の記録をもとに整理)

最初の1週間は、夜の「手持ちぶさた」が最大の壁

飲まないことそのものより、子どもが寝たあとの空白の時間が落ち着きませんでした。そこで、夕食のあとに必ず温かいお茶をいれる習慣をつくりました。飲み物の代わりに、「いれる」という動作を残したのが良かったようです。

途中で足した1つ:夜の予定を一つ決める

2週目に足した工夫が、4つ目のルールです。夜の9時台に「やることを一つだけ決める」。ストレッチ、読書、翌日の準備のどれかです。空白が埋まると、グラスに手が伸びる回数が減りました。

手帳には「飲みたかった時間」だけを書く

毎日の記録は、長い日記にしませんでした。「飲みたくなった時間」と「そのとき何をしたか」を一行ずつ書くだけです。2週目あたりから、飲みたい気持ちが強いのは疲れた夕方の決まった時間帯だと分かり、その時間に先回りして温かいお茶をいれるようにしました。原因が見えると、気持ちに振り回されにくくなります。

要点: 壁になったのは飲みたい気持ちより、夜の空白でした。やることを一つ決めると越えやすくなります。

終わったあとの選び方を決めておく

30日目を迎えたとき、私が悩んだのは「今夜飲むかどうか」より「これからどうするか」でした。

ゴールのあとの3つの選択肢

  • そのまま続ける。
  • 飲む日と飲まない日を決めて再開する。
  • 特別な日だけ飲む。

どれが正解というわけではありません。厚生労働省のガイドラインにも、飲酒量を事前に決めること、飲まない日を設けること、アルコールを含まない飲み物に置き換えることが減酒の工夫として挙げられています(厚生労働省 ガイドライン)。私は2つ目を選び、飲む日には先に量を決めるようにしました。

気をつけたいこと

毎日たくさん飲んでいた方が急にやめると、体調を崩すことがあります。そうした心当たりがある方や、持病・服薬のある方は、始める前に医師に相談してください。この記事は、そうした方に自己流の中断を勧めるものではありません。

要点: 終わったあとの選び方を先に決めておくと、30日が「点」で終わらず「続き」になります。

よくある質問

途中で飲んでしまったら、失敗ですか?

失敗とは考えなくて大丈夫です。研究でも、完走できなかった人に似た減少が見られたと報告されています。翌日から再開して、何が引き金になったかを手帳に書き留めておくと、次に活きます。

30日ではなく、もっと短くてもいいですか?

かまいません。まずは1週間から試して、できそうなら延ばす方法もあります。大切なのは、期間より「自分で決めた」という感覚です。

家族や友人にはどう伝えればいいですか?

理由を細かく説明する必要はありません。「この1か月は飲まないで過ごしてみる」と短く伝え、協力してほしいことを一つだけお願いすると、負担が少なく済みます。

ノンアルコール飲料は使ってもいいですか?

私は使いました。ただし、アルコール分1%未満の商品が混ざることもあるので、ラベルの表示は確認してください。

もし気になったら、今夜まず手帳を開いて、開始日を一行書いてみてください。準備が整えば、30日はそれほど遠くありません。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。