結論:チューハイのアルコールが抜ける時間は、「1本」ではなく度数と容量で決まります
結論から言うと、チューハイのアルコールが抜ける時間は、缶の本数ではなく純アルコール量で決まります。同じ350mlの1本でも、度数3%なら約8g、度数9%なら約25gで、3倍ほど違います。抜ける時間の目安は、純アルコール20gで男性4時間、女性5時間とされているので(島根県の資料(厚生労働省作成の内容を引用))、9%の350ml缶は、単純に比例させるだけでも5時間前後は見ておく必要があります。
純アルコール量は、厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」にある式で出せます。摂取量(ml)×度数÷100×0.8です(厚生労働省 ガイドライン(PDF))。この式をそのままチューハイに当てはめると、「缶1本だから軽い」という思い込みがどこで崩れるかが見えてきます。
自分は30代で、Apple Watchと記録アプリで飲酒を管理しながら、週4日はお酒を飲まない運用をしています。数値で測ると、体感と実際の量はけっこうずれます。この記事では、そのずれを数字で埋める方法を、早見表と手順の形でまとめます。
要点: 抜ける時間を決めるのは純アルコール量です。まず缶の度数と容量から、何グラム飲んだかを出します。
関連記事: 記録すると減る人、記録しても変わらない人、飲酒ログに潜む転機
前提の整理:純アルコール量と「抜ける」の意味をそろえる
純アルコール量とは何か
純アルコール量は、飲み物の中に含まれるアルコールそのものの重さです。厚生労働省のガイドラインでは「摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」と示されていて、ビール500ml(5%)は500×0.05×0.8で20gになります(厚生労働省 ガイドライン(PDF))。
この20gという量が、ひとつの目安として広く使われています。ビール中びん1本や日本酒1合、チューハイなら度数5%の500ml缶が、おおよそこのあたりに当たります。
「抜ける」とは、体内のアルコールがほぼなくなること
「アルコールが抜ける」とは、肝臓での分解が進み、体内のアルコールがほぼなくなった状態を指す場合が多いです。肝臓ではアルコールがアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸へと分解されます(厚生労働省 ガイドライン(PDF))。気分が覚めたかどうかや、顔の赤みが引いたかどうかとは別の話で、自分の感覚はあてになりません。
分解時間の目安は4時間と5時間
自治体が公開している資料では、厚生労働省作成の「アルコールウォッチ」を引用して、純アルコール20gを分解・排出する目安を男性で4時間、女性で5時間としています。飲酒量が増えればその分時間がかかり、分解速度は遺伝や体質、体調による個人差があると注記されています(島根県の資料(厚生労働省作成の内容を引用))。
ここで大事なのは、この時間は「飲み終わってから」ではなく「飲んだ総量」に対しての目安だということです。ゆっくり飲んでも、量が同じなら総量は同じです。
要点: 純アルコール20gで男性4時間・女性5時間が目安。ただし体質や体調で変わります。
関連記事: 20gは5時間、14gは3.5時間。アルコール分解時間の早見表と、表が当てはまらない5つの条件
度数別に並べる:チューハイ350mlと500mlの純アルコール量
計算の手順
純アルコール量は、次の手順で出せます。
- 缶の容量(ml)を確認する
- 缶の度数(%)を確認する
- 容量×度数÷100×0.8を計算する
- 結果(g)を20gで割って、「20gの何杯分か」を出す
度数3%・5%・7%・9%の比較
上の式で、チューハイの代表的な度数を並べるとこうなります。数値は、ガイドラインの式で自分が計算した結果です(計算式の出典:厚生労働省 ガイドライン(PDF))。
350ml・3% = 8.4g350ml・5% = 14g350ml・7% = 19.6g350ml・9% = 25.2g500ml・9% = 36g20gが目安線。式は 容量×度数÷100×0.8
図: チューハイの純アルコール量(厚生労働省ガイドラインの式で算出)
350ml缶で見ると、3%は8.4g、5%は14g、7%は19.6g、9%は25.2gです。500ml缶の9%になると36gで、20gの目安の約1.8倍になります。同じ「1本」という数え方でも、中身は大きく違います。
抜ける時間の概算
分解時間の目安(20gで男性4時間・女性5時間)を、そのまま量に比例させて概算したのが次の一覧です。分解は体質によって変わるので、あくまで「最低でもこのくらい」の目安として使います。
- 350ml・3%(8.4g):男性で約1.7時間、女性で約2.1時間
- 350ml・5%(14g):男性で約2.8時間、女性で約3.5時間
- 350ml・7%(19.6g):男性で約3.9時間、女性で約4.9時間
- 350ml・9%(25.2g):男性で約5.0時間、女性で約6.3時間
- 500ml・9%(36g):男性で約7.2時間、女性で約9.0時間
これらの時間は、島根県の資料にある目安(20gで男性4時間・女性5時間)を単純に比例させた自分の概算です(島根県の資料)。実際の分解は一定の速さで進むとは限りませんし、個人差も大きいので、これを根拠に運転の可否を決めるのは避けてください。
要点: 同じ1本でも、350ml・3%は約8g、500ml・9%は36gで4倍以上の差があります。
関連記事: 適量論の最新知見、週100gの線と自分のログを突き合わせる5つの確認
比較してわかる「ストロング系」と「低度数」の使い分け
度数が高いと、量のコントロールが難しい
低度数(3%前後)と高度数(9%)を比べると、一番の違いは「1本で入る量」の幅です。9%の350mlは、5%の350mlの約1.8倍の純アルコール量になります。数字で見ると当たり前なのですが、飲んでいる最中は味が似ているので気づきにくいです。
ここで、自分が記録を取ったときの気づきを書きます。Apple Watchで夜の心拍の推移を見ていると、飲んだ量が多い夜ほど、寝ているあいだの心拍が高めに出る印象がありました。これは自分のログの傾向で、一般化できる話ではありません。ただ、量を数字にすると「今日は多かった」という感覚が客観的に確認できるので、節酒の助けになります。
低度数を選ぶときの落とし穴
低度数のチューハイは純アルコール量が少ないぶん、続けて何本も飲むと結局同じ量になります。350ml・3%を3本飲むと25.2gで、9%を1本飲んだときと同じです。つまり「度数が低いから安心」ではなく、「合計で何グラムか」が判断の軸になります。
向き不向きを整理する
比較してみると、向き不向きはこうなります。
- 低度数(3%前後):短時間で終える日、翌朝の予定が早い日に向く。ただし本数が増えると意味がなくなる
- 中度数(5%前後):350mlなら14gで、1日の目安内に収めやすい
- 高度数(9%):1本で20gを超えやすい。飲む日は1本でやめる、容量を小さくするなどの工夫が必要
要点: 度数が低くても、本数を重ねれば同じです。軸は「合計の純アルコール量」に置きます。
翌朝の予定から逆算する:具体的な手順
逆算の考え方
大事な予定がある日は、「何時に起きて何をするか」から逆算します。たとえば、翌朝7時に運転する予定があるなら、飲み終わりから7時までの時間で分解できる量を超えないようにします。ここで先ほどの概算を使います。ただし、概算はあくまで目安なので、運転前日は飲まない選択がいちばん確実です。
逆算の手順
- 翌朝の予定(運転・早朝会議など)を確認する
- 飲み終えたい時刻を決める
- 予定までの時間を、男性なら4時間、女性なら5時間で割って、飲める上限(20gの何倍か)を出す
- 自分の体質や睡眠の質を考えて、さらに余裕を持たせる
- 飲む日は、最初から量を決めて記録する
睡眠中は分解が進むが、睡眠の質は別
寝ているあいだも肝臓は分解を続けます。ただし、飲酒後の睡眠は浅くなりやすい傾向があります。この点は別記事で扱っているので、気になる人は睡眠スコアの記録とあわせて見直してみてください。
要点: 翌朝の予定から逆算し、余裕を持たせます。運転が絡む日は飲まないのが確実です。
例外と注意:この早見表が当てはまらない人
体質で分解の速さは変わる
アルコールを分解する酵素の働きには遺伝的な個人差があり、日本人には酵素の働きが弱いタイプの人が一定数います。顔が赤くなる、少量で動悸がする人は、早見表より長くかかる可能性があります。厚生労働省のガイドラインでも、飲酒に伴うリスクは体質などで異なることが示されています(厚生労働省 ガイドライン(PDF))。
水や食事で早く抜けるわけではない
「水をたくさん飲めば早く抜ける」「サウナで汗をかけば抜ける」と考える人がいますが、分解を速める確実な方法は見つかっていません。水を飲むことは脱水を防ぐ意味では役に立ちますが、肝臓の分解スピードを上げるわけではありません。ガイドラインでは、水などを混ぜてアルコール度数を低くして飲む配慮が紹介されています(厚生労働省 ガイドライン(PDF))。
「抜けた」と感じても、運転は別
酔いの感覚が消えても、体内にアルコールが残っている場合があります。運転については、道路交通法の基準が別にあります。感覚で判断せず、飲んだ翌日の運転は避ける、公共交通機関を使うなど、運転しない選択を取ってください。
要点: 早見表は体質や体調を考慮しない目安です。迷ったら、運転しない・予定を変える方向で考えます。
自分のログ運用:チューハイを記録して見えたこと
自分は、飲んだ缶の容量と度数を記録して、純アルコール量を自動で計算する形にしています。Untappdはビールの記録に向いているので、チューハイはメモアプリに「350・9」のように書くだけにしています。
記録を続けて気づいたのは、「度数を見て選ぶ」だけで、翌日の体感が変わることです。ストロング系を週末に1本、あとは低度数に切り替えると、数値上の合計が減り、飲んだあとの満足感もそこまで変わらないことに気づきました。ここは自分の体感の話で、全員に当てはまる保証はありません。
家計簿的な視点でも、ストロング系は安くて量が多いので、つい手が伸びます。ただ、純アルコール1gあたりの値段で見ると安いのは「たくさん飲めてしまう」ことの裏返しでもあります。節酒に取り組むときは、「安さ」より「合計のグラム数」を見るのがいいと思っています。
要点: 記録は缶の容量と度数だけで十分です。合計グラムで見ると、飲み方の変化が見えやすくなります。
飲み方で変わること:ペース・食事・本数の決め方
同じ量でも、飲む速さで「ピーク」は変わる
総量が同じなら、分解にかかる時間の目安は変わりません。ただ、短時間で一気に飲むと、体内のアルコール濃度が急に上がりやすくなります。厚生労働省のガイドラインは、危険な飲み方として「短時間に大量に飲む」ことを避けるよう示しています(厚生労働省 ガイドライン(PDF))。チューハイは冷たくて甘みがあり、のどごしがいいぶんペースが上がりやすいので、意識して間を空けたいところです。
自分が実際に試しているのは、次のような小さな工夫です。
- 1本目は、飲み終わる時刻をスマホのタイマーで決めておく
- 2本目に行く前に、必ず水かノンアルを1杯はさむ
- 氷を入れたグラスに移して飲む(缶のまま飲むより量が見える)
- 飲み始める前に、食べ物をお腹に入れておく
- 3本目を飲みたくなったら、いったん「翌朝の予定」を確認する
ストロング系を「半分に割る」という選択
9%の缶を、炭酸水で割って度数を下げる方法があります。ガイドラインでも、水などを混ぜてアルコール度数を低くして飲む工夫が紹介されています(厚生労働省 ガイドライン(PDF))。ただし、ここで勘違いしやすいのは、薄めても缶の中の純アルコール量そのものは減らない点です。全部飲み切れば総量は同じ。減らすのは「飲み切らない」ことでしか実現しません。薄めることは、ペースを落とすための道具だと考えると使いやすくなります。
本数のルールは「グラム」で作る
「1日2本まで」というルールは、缶の種類が変わった瞬間に意味を失います。自分は「1日20gまで」のようにグラムで決めておくと、缶のサイズや度数が変わっても使い回せると感じています。350ml・5%なら14gなので1本、350ml・9%なら25.2gで1本でも超えます。数字で決めておくと、お店で別の缶を手に取ったときも、その場で判断できます。
飲まない日をはさむ、という発想
自分は週4日をお酒なしにして、週末の2日だけ飲む運用にしています。量が多い日があっても、飲まない日をはさむことで、合計の量を抑えやすくなります。どの曜日を飲まない日にするかは、仕事や家庭の予定で決めればよく、正解はありません。大事なのは、決めたことを記録して、後から見返せる形にしておくことです。
要点: ペース、割り方、本数ルールは、すべて「合計グラム」を軸に作ると崩れにくくなります。
記録で「感覚のずれ」を埋める:自分の運用テンプレート
最後に、自分が使っている記録のテンプレートを共有します。特別なアプリは要りません。メモ帳アプリで十分です。
- 飲む前に「予定の本数と度数」を1行で書く
- 飲んだら「容量・度数・時刻」を1行ずつ追加する
- 寝る前に、合計の純アルコール量を計算して書く
- 翌朝、寝起きの体調を5段階で書く
- 週の終わりに、飲んだ日と飲まなかった日の数を数える
この記録をしばらく続けると、「5%の缶なら翌朝がラク」といった自分なりの傾向が見えてきます。ただし、それはあくまで自分のログの傾向であって、他人にそのまま当てはまるものではありません。体調に不安がある人は、健診の結果や主治医の意見を優先してください。
また、記録をつけても「減らせない」と感じる日が続く場合は、ひとりで抱え込まず、かかりつけ医や地域の相談窓口に相談する選択肢もあります。
要点: 記録は「飲む前の予定」と「飲んだあとの実績」を並べるだけで、ずれが見えてきます。
よくある質問
チューハイ1本でアルコールが抜けるまで何時間かかりますか?
度数と容量で変わります。350mlで3%なら純アルコール約8g、9%なら約25gです。20gを男性4時間・女性5時間とする目安(島根県の資料)を比例させると、おおよそ2時間から5時間以上の幅になります。
水を飲めばアルコールは早く抜けますか?
水を飲んでも、肝臓の分解スピードが上がるとは言えません。ただし、脱水を防ぐ意味では役に立ちます。
ストロング系は、5%のチューハイの何倍くらいの量になりますか?
350mlで比べると、9%は25.2g、5%は14gで、約1.8倍です。計算は厚生労働省の式(厚生労働省 ガイドライン(PDF))によります。
翌朝に運転する予定があるときは、何時間空ければいいですか?
時間では断言できません。分解速度は体質や体調で変わります。運転の前日は飲まない、または公共交通機関を使うなど、運転しない選択をおすすめします。
女性のほうが抜けるのに時間がかかるのはなぜですか?
目安として、男性4時間・女性5時間という数字が資料にあります(島根県の資料)。理由の詳細はこの記事では扱いません。個人差が大きいので、目安として受け止めてください。
次にチューハイを手に取るときは、缶の「容量」と「度数」の2つだけ確認して、頭の中で純アルコール量を出してみてください。
※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。

