二日酔いの食べ物は、水分から始めて三段階で戻します

結論から言うと、二日酔いの朝は、食べられるものを探すより先に水分を入れ、少し落ち着いたら糖質、最後に通常の食事でたんぱく質を足す、という順番で戻すのが無理のない進め方です。そして、この記事で最初にはっきりさせておきたいのは、特定の食べ物が二日酔いを治すと言い切れる根拠は、今のところ確認できていないということです。

私は50代で、健診でγ-GTPが基準値の2倍を超え、医師から減酒の指導を受けました。いまは週3日を飲まない日にして、飲む日も1日2杯までと決めています。そうなる前の私は、翌朝に食欲がなく、何を口にすればよいか分からない日が少なくありませんでした。この記事は、その頃の自分に渡したい内容です。

段階

タイミングの目安

口にするもの

ねらい

第1段階

起床直後

水、スポーツドリンク、白湯

不足気味の水分を補う

第2段階

吐き気や重さが少し引いたら

果物、おかゆ、うどん、はちみつ入りの飲み物

糖分を補い、胃に負担をかけない

第3段階

食欲が戻ってから

卵、豆腐、魚、味噌汁など

通常の食事に戻す

図: 二日酔いの朝に食べ物を戻す三段階の目安(水分補給と糖分・ビタミンCの摂取は岡山大学病院薬剤部の資料に基づく。段階の分け方と食材の例は筆者の運用です)

水分と糖分を補うという考え方は、岡山大学病院薬剤部の「薬の窓口」No.297に書かれています。資料には、体内の水分が不足気味になっているためスポーツドリンクなどで水分を摂ること、アルコールの分解を助けてくれる糖分やビタミンCを積極的に摂ること、しっかり休息をとって自然に体が回復するのを待つことが挙げられています。

一方で、同じ資料は、二日酔いのつらい症状がどのようなしくみで起きるかについては不明の点が多いとも述べています。だからこそ私は、「これを食べれば治る」ではなく、「体が受けつける順番で戻す」と考えています。

要点: 水分、糖質、通常の食事の順に戻します。食べ物で二日酔いが治るとは言い切れません。

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二日酔いとは何か、食べ物の役割はどこまでか

症状は「飲み過ぎたあとの体の不調」の総称です

二日酔いは、お酒を飲んだ翌日に出る、頭痛、吐き気、だるさ、口の渇きなどの不調の総称です。岡山大学病院の資料では、大量に飲むと肝臓でアルコールを処理しきれず二日酔いになるといわれている、と説明されています。

アルコールが体に残る時間を数字で知る

同じ資料には、アルコールの分解速度が1時間あたり男性で約9g、女性で約6.5gで、個人差がとても大きいと書かれています。血中濃度のピークは飲酒後30分から2時間後です。

この数字を使うと、ビール500ml(純アルコール20g)の分解には、男性で約2.2時間、女性で約3.1時間かかる計算になります(20÷9、20÷6.5)。ただし、これは平均的な目安です。たくさん飲んだ日や、睡眠中は、もっと時間がかかります。食べ物は、この分解の速度を劇的に変えるものではありません。

食べ物がしてくれるのは「体をいたわる補助」です

食べ物や飲み物にできるのは、不足した水分や糖分を補い、胃や体の負担を減らす補助です。症状の原因そのものを消す魔法ではありません。この前提を置いたうえで、段階ごとに具体策を見ていきます。

要点: 食べ物は補助であって、治療ではありません。分解には時間がかかるので、休むことが前提です。

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第1段階:まず水分を入れる(起床直後)

水、スポーツドリンク、白湯のどれを選ぶか

起きたら最初にやるのは、食べ物ではなく水分です。岡山大学病院の資料でも、スポーツドリンクなどで水分を摂るよう勧められています。

  • 水:いちばん手軽です。一気にではなく、少しずつ口に含みます
  • スポーツドリンク:水分と一緒に糖分も取れます。甘さが強すぎるときは水で薄めます
  • 白湯:胃が冷えて重いときに、私はこれから始めます

どれも、冷たすぎないほうが飲みやすいと私は感じています。

吐き気が強いときは、量よりも回数

吐き気が強い朝は、コップ1杯を飲み干そうとしないでください。ひと口ずつ、数分おきに飲みます。飲んだものをもどしてしまうと、かえって消耗するからです。

飲み物でも「甘い飲み物は避ける」と決めつけない

甘い飲み物は、糖尿病や体重管理をしている人にはリスクになる場合があります。私はγ-GTPの指導を受けた立場なので、日常的には甘い飲み物を控えています。ただ、二日酔いの朝だけの話として、糖分を含む飲み物を少量取り入れることは、資料の考え方に沿っています。持病のある人は、主治医の指示を優先してください。

要点: 最初はひと口ずつの水分。食べ物は水分が入ってからです。

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第2段階:糖質を少しずつ足す(吐き気や重さが引いてから)

食べやすい糖質の例

水分が入って少し落ち着いたら、糖質を足します。資料にも、アルコールの分解を助けてくれる糖分やビタミンCを積極的に摂るよう書かれています。私が選ぶのは、次のようなものです。

  • バナナ、みかんなどの果物(ビタミンCも一緒に取れます)
  • おかゆ、やわらかく煮たうどん
  • 少量のはちみつを溶かした白湯
  • 具の少ない雑炊

胃が重くて受けつけないときは、無理に食べず、ひと口だけで構いません。

食べられない日に「食べなければ」と焦らない

食欲がまったくない朝があります。そのときは、第1段階の水分だけで午前中を過ごして問題ありません。資料にも、休息をとって自然に回復するのを待つという考え方が書かれています。

糖質の「取りすぎ」にも注意します

一度に甘いものを大量に取ると、胃に負担がかかることがあります。少量を、時間をあけて何度かに分けるのが私の基本です。

要点: 糖質は少量ずつ。果物、おかゆ、うどんのような、胃にやさしいものから始めます。

第3段階:食欲が戻ったら、たんぱく質を含む通常の食事に

昼前後が目安です

食欲が戻ってきたら、通常の食事に近づけます。私の場合は、昼前後がその目安でした。卵、豆腐、白身魚、味噌汁のように、消化が重くないものから選びます。

ここで正直にお伝えします。たんぱく質を取るこの段階が二日酔いの回復に有効だと示す研究は、今回確認した資料の範囲では見つかっていません。この段階は、胃の負担と食べやすさで私が決めている運用です。栄養を普段の食事に戻していく、という位置づけで読んでください。

避けたいのは「無理に食べる」ことです

脂っこいものや量の多い食事を無理に詰め込む必要はありません。胃が重いときに食べると、かえって気分が悪くなる人もいます。食べられるものが少なくても、それで十分です。

具体的な1日の流れ(私の例)

  • 起床直後:白湯をひと口ずつ
  • 1時間後:スポーツドリンクを水で薄めて少し
  • 昼前:バナナ半分とおかゆ
  • 昼過ぎ:豆腐と味噌汁、白いご飯
  • 夜:通常の食事。ただし飲まない

要点: 通常の食事に戻すのは食欲が戻ってから。無理に詰め込まないことが大切です。

迎え酒は選びません、その理由

迎え酒を有効とする根拠は確認できませんでした

二日酔いの朝に、もう一度お酒を飲む「迎え酒」を勧める声が、昔から根強くあります。今回確認した資料の範囲で、迎え酒を有効な対処法として裏づける根拠は見つかりませんでした。

研究誌には、迎え酒は役に立つ二日酔いの対処法なのか、それとも将来の問題飲酒を予測するものなのかを問う論説(Current Drug Abuse Reviews 2009年)が掲載されています(PubMed)。タイトルの問いかけにとどまり、私が確認できた範囲では結論までは書かれていません。ただ、問題飲酒との関係が議論されていること自体、迎え酒を気軽に勧められない理由になると私は考えます。

理屈で考えても、迎え酒は筋が通りません

二日酔いは、アルコールを処理しきれなかったあとの不調です。そこに同じアルコールを足すのは、処理すべき量を増やすことになります。症状が一時的に軽く感じられたとしても、先送りにしているだけです。

減酒中の私にとっては、判断が簡単になります

「二日酔いの朝は飲まない」と先に決めておくと、迷う必要がなくなります。減酒を続けるうえでも、ルールが単純なほうが守りやすいと私は感じています。

要点: 迎え酒を有効とする根拠は確認できませんでした。朝は飲まないと決めておくのが確実です。

研究レビューが教えてくれる、食べ物に期待しすぎない理由

2005年のBMJの系統的レビューの結論

二日酔いの予防や治療の方法を調べた研究は、すでにまとめられています。2005年にBMJに載った系統的レビューは、ランダム化比較試験8件を対象に、プロプラノロールなどの薬、果糖やブドウ糖、ボリジ、アーティチョーク、ウチワサボテン、酵母製剤などを調べました。結論は、従来の方法でも補完的な方法でも、二日酔いを効果的に予防・治療すると言える確かな根拠はない、というものでした。著者らは、二日酔いを避けるいちばん効果的な方法は、禁酒か節度ある飲酒だとまとめています(PubMed)。

この中に果糖・ブドウ糖が含まれている点は、第2段階の糖質を考えるうえで押さえておきたい事実です。糖質で二日酔いが治ると言い切れる根拠は、このレビューでは得られていません。

2017年のレビューが示した「限定的な改善」

2017年に発表された別の系統的レビューは、6件の対照試験をまとめました。一部の製品で、疲労感、吐き気や嘔吐、腹痛といった症状が改善したものの、すべての症状に効果があった方法はなく、さらなる研究が必要だと結論づけています(PubMed)。

私がここから得た結論

この2本のレビューから私が得た結論は、二日酔いの食べ物探しに時間とお金をかけるより、飲む量と飲み方を先に見直したほうが確実だ、ということでした。この記事の三段階は、治すための手順ではなく、つらい朝を乗り切るための手順です。

要点: 食べ物や飲み物で二日酔いを治せると示した確かな研究は、まだありません。予防は飲む量の見直しです。

体験談:二日酔いの朝と、食べ物の順番を決めた日

健診でγ-GTPの数値を告げられる前の私は、二日酔いの朝を「いつものこと」と考えていました。洗面所で顔を洗っても頭が重く、台所に立っても何を食べたいのか分からない。結局、コーヒーだけを流し込んで出勤する日が続いていました。

医師から減酒の指導を受けたあと、飲む日と飲まない日を決めました。同時に、飲んだ翌朝にやることも、紙に書いて冷蔵庫に貼りました。水を飲む、白湯を飲む、食べられるときに果物を食べる、昼に温かい食事をとる。ただそれだけのメモです。

書いておいてよかったのは、頭が働かない朝に、考えなくて済むことでした。以前のように、つらいときに「迎え酒でもするか」と迷う余地も減りました。二日酔いそのものが減ったのは、食べ物の順番を決めたからではなく、飲む量を決めたからです。ここは、取り違えないでいただきたい点です。

要点: 朝のやることをメモにして貼ると、つらい朝でも迷いません。二日酔いを減らしたのは飲む量でした。

例外と注意:食べ物の話だけでは済まないとき

受診を考えたほうがよい場合

次のようなときは、食べ物の工夫で済ませず、医療機関に相談してください。

  • 水分を口にしても吐き続けてしまう
  • 意識がぼんやりする、呼びかけへの反応が鈍い
  • 強い腹痛や胸の痛みがある
  • 二日酔いが頻繁に起きて、自分でも飲み方を変えられない

これらは自己判断で様子を見る範囲を超える場合があります。

持病や服薬がある人

糖尿病などで食事制限がある人、薬を飲んでいる人は、この記事の段階をそのまま当てはめず、主治医や薬剤師の指示を優先してください。

運転や仕事の前に

二日酔いの朝は、前夜のアルコールが体に残っていることがあります。運転や危険を伴う作業は、避けるのが無難です。

要点: 吐き続ける、意識がぼんやりする、強い痛みがあるときは受診します。持病のある人は主治医の指示を優先します。

よくある質問

二日酔いの朝に食べるなら、何から始めるのがよいですか?

まずは水分です。水、白湯、薄めたスポーツドリンクを少しずつ口にします。そのあとで、バナナやおかゆなど、胃にやさしい糖質を少量足します。

食べられないときは、何も食べなくてもよいですか?

水分が取れていれば、午前中は何も食べなくて構いません。岡山大学病院の資料にも、休息をとって自然に回復を待つ考え方が書かれています。食欲が戻ってから、少しずつ食べてください。

しじみの味噌汁や特定のサプリは効きますか?

効果が確かめられたと言える根拠は、今回確認した範囲では見つかっていません。2005年と2017年のレビューでも、すべての症状に効く方法はないとされています。味噌汁は、水分と塩分を取れる温かい食事として楽しむ位置づけで十分だと私は考えています。

迎え酒をすると楽になりますか?

迎え酒を有効な対処法とする根拠は、確認できませんでした。二日酔いはアルコールを処理しきれなかったあとの不調なので、私は勧めません。

二日酔いを減らす一番の方法は何ですか?

BMJの系統的レビューの著者らは、二日酔いを避けるいちばん効果的な方法は、禁酒か節度ある飲酒だとまとめています。量と飲む日を先に決めることが、いちばん確実だと私も感じています。

次に飲む日が決まっている方は、その翌朝に何をするかを、今日のうちに紙に書いておいてください。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。