結論:二日酔いに「効く」と言い切れる飲み物は、研究では見つかっていません

二日酔いに効く飲み物について調べると、最初に出会うのは少し残念な結論です。2005年にBMJ誌に出た系統的レビューは、8件のランダム化比較試験を検討し、従来の方法でも補完的な方法でも、二日酔いを予防または治療すると確信できる根拠は見つからなかったと結論づけています。著者らは、症状を避ける最も効果的な方法は、飲まないことか、節度を守ることだと述べています(出典:PubMed 16373736)。

こんにちは、ハルです。平日はノンアルビール、週末だけ少量のワインという暮らしを3年続けていますが、週末にはたまに翌朝がつらい日もあります。そんなとき、冷蔵庫の前で「何を飲もう」と考える気持ちはよく分かります。この記事では、「効く」と断定するのではなく、根拠の強さ別に飲み物を整理して、朝に無理なく選べる形にしました。

要点: 二日酔いを治すと言える飲み物は研究で確認されておらず、飲み物は「つらさをやわらげる工夫」として考えます。

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前提の整理:二日酔いとは何か、飲み物に何を期待するのか

二日酔いは、いくつかの不調が重なった状態です

二日酔いは、頭痛、だるさ、吐き気、胃のむかつきなど、いくつもの症状が重なった状態です。原因もひとつではないと考えられています。だからこそ、「これを飲めば全部解決」という飲み物が見つかりにくいのだと、私は理解しています。

飲み物に期待できる3つの役割

根拠のある治療法ではないものの、飲み物には、朝の体にとって次のような役割が考えられます。これは私の整理で、研究で効果が確認されたものではありません。

  1. 水分を補う:お酒を飲んだ翌朝は、口が渇いていると感じる人が多く、水分が欲しくなります。
  2. 胃にやさしく何かを入れる:空腹のままだと気持ちが悪くなる人は、温かい汁物など軽いものから入ります。
  3. 気分を切り替える:飲み物を用意して座る時間そのものが、朝のペースを作ります。

飲む前に、まず「その日の予定」を確認します

つらいときの飲み物選びの前に、その日に運転や重要な作業があるかを確認してください。飲酒後の運転は法律で禁止されています。厚生労働省のガイドラインも、飲酒時には安全運転に必要な情報処理能力、注意力、判断力等が低下すると説明しています(出典:厚生労働省ガイドライン)。

要点: 飲み物には「水分」「胃へのやさしさ」「気持ちの切り替え」という役割を期待しますが、治療効果は期待しません。

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根拠:研究で分かっていること、分かっていないこと

2005年のレビューは「確信できる根拠なし」でした

先ほど触れたBMJ誌のレビューは、15件の関連しそうな試験の中から、8件のランダム化比較試験、8種類の介入を対象にしています。結論は、二日酔いの予防や治療に有効だと確信できる方法は見つからなかった、というものでした(出典:PubMed 16373736)。

2017年のレビューでは、一部の飲み物に改善が報告されています

2017年にHuman Psychopharmacology誌に掲載されたレビューは、人を対象にした6件の対照試験を整理しています。その中で、ウコギ属の多糖類を多く含む抽出物、紅参ドリンク、韓国梨のジュースなど5つの製品で、疲れ、吐き気や嘔吐、腹痛といった一部の症状の改善が報告されました。ただし、すべての症状を改善する方法はなく、著者らは、臨床的に有効な治療法を作るにはさらなる研究が必要だと結論づけています(出典:PubMed 28568743)。

ここで注意したいのは、研究の対象になった製品が、日本で普通に買える飲み物とは限らない点です。また、レビューの対象は6件と少なく、「これを飲めば大丈夫」と言える水準ではありません。

しじみやウコンなど、よく聞く飲み物はどうか

しじみの味噌汁やウコンの飲み物は、日本で定番として語られます。ただ、今回私が確認した上の2つのレビューの結論からは、これらが二日酔いに有効だと確認できる記述は見つかりませんでした。「研究が限られる」というのが、いまの私の正直な整理です。効果を断定する情報には、慎重に接してください。

要点: 研究では、確信できる有効な飲み物は確認されておらず、改善が報告されたものも小規模な試験にとどまります。

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具体の手順:朝の1杯を、根拠の強さ別に選ぶ

強い根拠はなくても、安全で続けやすい選択肢から

根拠の強さで言えば、どの飲み物も「弱い」か「分からない」です。そのうえで、体への負担が小さく、手に入りやすいものから順に並べると、次のようになります。

  • まず水かお茶:安全で手軽なので、最初の1杯にしています。冷たすぎると胃がびっくりするので、常温か少し温かいくらいにします。
  • 次に汁物:具が少なめの味噌汁やスープなど、胃にやさしく温かいものです。塩分を気にする人は、薄めにします。
  • 果汁やスポーツドリンク:食欲がないときに、水分と糖分を一緒にとりたい気持ちで選ぶことがあります。糖分も入るので、飲みすぎないようにします。
  • 紅参やウコンなどの飲料:研究が限られるので、試すなら少量で、自己責任の範囲にとどめます。

私の朝のルーティン(週末の翌朝)

ここで、自分の週末の翌朝の流れを書きます。万人向けの方法という意味ではありません。

  1. 起きたら、コップ1杯の水をゆっくり飲みます。
  2. 食欲があれば、具の少ない味噌汁か、野菜スープを温めます。
  3. しばらくして落ち着いたら、軽くパンやおにぎりを食べます。
  4. その日は、運動や長時間の作業は無理せずに予定を組み直します。

避けたい飲み方:迎え酒やカフェインの飲みすぎ

つらいからと、さらにお酒を飲む「迎え酒」は、アルコールの量を増やすだけなので、おすすめしません。コーヒーなどのカフェインも、胃が荒れていると感じる日は、量を控えめにします。

要点: 朝の1杯は、水かお茶から始めて、温かい汁物へと進めるのが無理のない順番です。

飲み物を役割と根拠の強さで並べた早見表

表で見ると、どれも「弱い」か「不明」だと分かります

ここまでの話を、表に整理します。役割は私の整理で、根拠の欄は、今回確認した2つのレビューにもとづく書き方です。

飲み物

期待する役割

根拠の位置づけ

水・お茶

水分を補う

二日酔い改善の確認はなし

味噌汁・スープ

胃にやさしく温まる

研究が限られる

果汁・スポーツドリンク

水分と糖分を一緒にとる

研究が限られる

紅参・梨ジュースなど

一部の症状の改善が報告

小規模な試験のみ

図: 二日酔いの飲み物の役割と根拠の位置づけ(2005年BMJレビュー・2017年レビューの結論にもとづく筆者の整理)

2017年のレビューで改善が報告された製品も、6件の対照試験という小さな範囲の結果です(出典:PubMed 28568743)。表の「根拠の位置づけ」が横並びで弱いことが、この記事の最も大切な点です。

「効く」の言葉に出会ったときの見分け方

ネットや売り場で「二日酔いに効く」と書かれた飲み物を見かけたら、次の3点を確認します。

  1. 人を対象にした試験か:動物や試験管の結果と、人での結果は別物です。
  2. 試験の規模と設計:参加者が数人から十数人だけか、くらべる対象があるかを見ます。
  3. 書かれている言葉:「治す」「防ぐ」と断定していないか、「サポート」「気分」などの表現にとどまるかを確認します。

この3点を見るだけで、情報に振り回されにくくなります。

買う前に、成分表示も見ます

市販の飲料は、糖分、カフェイン、塩分などが商品ごとに違います。飲み物に期待するのが水分補給でも、糖分が多い飲料を何本も飲めば、別の負担になります。成分表示を見て、1回に飲む量を決めておくと安心です。

要点: 飲み物の位置づけは表のとおり横並びで弱いので、「効く」という言葉は、人での試験の規模と表現で見分けます。

翌朝のタイムライン:起きてから昼までの過ごし方

起きてすぐ〜1時間:水分と、動かない時間

起きたらまず水を飲み、10分ほど横になってから動きます。急に立ち上がると、ふらつく人もいます。無理にシャワーや運動をせず、体が落ち着くのを待ちます。

午前中:軽い食事と、予定の見直し

食欲が出てきたら、味噌汁やおにぎりなど、軽いものを少しずつ食べます。午前の予定が詰まっているなら、重要な作業は後ろにずらします。「今日は本調子ではない」と先に認めてしまうと、気持ちが楽になります。

昼以降:食事と睡眠を、ふだんのリズムへ戻します

昼に栄養のあるものを食べ、夜は早めに休みます。翌日以降、お酒を飲まない日を作ると、体が戻りやすいと私は感じています。これも体験にもとづく感想です。

要点: 翌朝は、水分→軽い食事→予定の見直しの順で、無理せず過ごします。

予防の考え方:翌朝に備えて、飲んでいる間にできること

「二日酔いにならない」最も確実な方法は、量を決めることです

BMJ誌のレビューが述べるとおり、二日酔いを避ける最も効果的な方法は、飲まないか、節度を守ることでした(出典:PubMed 16373736)。厚生労働省のガイドラインでは、健康に配慮した飲酒の工夫として、水や炭酸水を飲むこと、アルコールの入っていない飲み物を選ぶこと、水などで割ってアルコール度数を下げることが挙げられています(出典:厚生労働省ガイドライン)。

私が実際にやっている3つの工夫

飲む日の私の工夫は、次の3つです。

週末のワインは、グラスを小さくします

ワインを飲む日は、グラスを小さめのものにして、注ぐ量を自分で決めます。ボトルを開けず、グラス1杯を丁寧に味わうことにしてから、翌朝のつらさが減りました。これも私の体感です。

要点: 最も確実な対策は、飲む量を決めることで、飲み物は補助として考えます。

例外と注意:飲み物で様子を見てはいけないとき

強い症状があるときは、医療機関に相談します

激しい嘔吐が続く、意識がぼんやりする、胸の痛みがあるなど、普段と違う強い症状があるときは、飲み物で様子を見ずに、医療機関に相談してください。二日酔いと思い込んで、別の病気を見逃さないことが大切です。

体質によっては、少量でも強く出ます

厚生労働省のガイドラインによると、アルコールを分解する酵素のはたらきが弱く、顔が赤くなる「フラッシング反応」が出る人が、日本では41%程度いると言われています(出典:厚生労働省ガイドライン)。そうした体質の人は、少量でも体調を崩しやすいので、無理に飲まない選択が安心です。

毎週のように翌朝がつらいなら、飲み方を見直します

週に何度も二日酔いになるなら、飲み物の工夫より先に、飲む量や頻度を見直すタイミングです。ノンアルコールの飲み物を挟んだり、飲まない日を決めたりすることも、選択肢のひとつです。

要点: 強い症状は医療機関へ、頻繁な二日酔いは飲み方の見直しへ、と切り分けます。

よくある質問

二日酔いにいちばん効く飲み物は何ですか?

研究では、確信できる有効な飲み物は確認されていません。2005年のレビューで確信できる根拠は見つからず、2017年のレビューでも一部の製品で一部の症状に改善が報告されたにとどまります。

しじみの味噌汁は二日酔いに効きますか?

今回確認した2つのレビューからは、効果を確認できる記述は見つかりませんでした。研究が限られるので、効くと断定はできません。温かい汁物として、胃にやさしい点を楽しむ程度が現実的です。

スポーツドリンクを飲んでも大丈夫ですか?

飲んで構いませんが、糖分も入っているので、量は控えめにします。効果が確認されているわけではなく、水分を補う手段のひとつという位置づけです。

迎え酒は効きますか?

おすすめしません。アルコールの量が増えるだけで、体への負担を先送りにする行為です。

二日酔いを防ぐ、いちばん確実な方法はありますか?

BMJ誌のレビューが述べるとおり、飲まないことか、節度を守ることです。飲む日は、水を挟み、アルコールの入っていない飲み物も選びます。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。強い症状がある方、体調に不安のある方は、医師にご相談ください。

次の週末は、飲み始める前に、水とノンアルコールビールを1本ずつ用意するところから始めてみてください。