結論から言うと、夜に気分が揺れるかどうかは、お酒の有無だけで決まるわけではありません。睡眠、食事、その日の緊張の度合いが重なって、揺れやすい夜と穏やかな夜が分かれていました。健康診断をきっかけに節酒を始めて1年、気分の記録を見返して見つけた4つの確認項目を、チェックリストの形でまとめます。

気分を記録しはじめた理由

節酒を始めた頃の私は、体の数字ばかり気にしていました。ところが続けるうちに、飲んだ翌日だけでなく、飲まなかった日にも気分が沈む日があることに気づきました。

そこで、夜寝る前に「今日の気分」を5段階で、あわせて飲んだ量、睡眠時間、食事の内容を簡単にメモすることにしました。1年分のメモが、今回の材料です。睡眠の項目を入れたのは、飲酒と睡眠の関係を扱った厚生労働科学研究費補助金の報告書「飲酒と睡眠との関連に関する文献レビュー」の存在を知ったことがきっかけでした。

記録の項目は4つだけ

夜の入浴後に、スマートフォンのメモ帳へ1行で書くだけです。たとえば「気分3、睡眠6時間、夕食は軽め、飲酒なし」のような書き方をします。

欲張ると続かないので、気分、睡眠、食事、飲酒の4項目に絞りました。点数は主観で構いません。大切なのは、同じ基準で続けることです。

要点: 気分を記録するときは、項目を絞って主観の点数で続けるのがコツです。

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睡眠が気分の土台になっていました

最初に見えたのは、睡眠の影響でした。眠りの質が悪かった翌日は、お酒を飲んでいなくても気分の点数が低い傾向がありました。

厚生労働省のe-ヘルスネット「快眠と生活習慣」には、アルコールは一時的には寝付きをよくするが、深いノンレム睡眠を減らし、中途覚醒を増やすなど睡眠の質を低下させる、という趣旨の説明があります。私の場合も、飲んだ夜のほうが夜中に目が覚めやすいと感じていました。

海外の研究が示していること

27件の研究をまとめた2025年の系統的レビュー(PMID 39631226)では、体重1kgあたり0.50g以下、標準的な飲酒でおよそ2杯分の少量でも、レム睡眠が乱れたと報告されています。一方で、総睡眠時間などへの影響は不確かだとされていて、すべてが分かっているわけではありません。

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4つの確認項目

ここが本題です。気分が揺れそうな夜に、私が自分に問いかける項目を並べます。

  1. 昨夜の睡眠は足りているか
  2. 今日、食事を抜いていないか
  3. 不安を解消する目的で飲もうとしていないか
  4. 寝る前の時間に余白があるか

確認1:昨夜の睡眠

睡眠が足りていない日は、気分が不安定になりがちでした。そういう日は、お酒を足すより早く休むことを優先します。

確認2:食事

空腹だと、気持ちの余裕がなくなります。特に夕方に何も食べていない日は、感情が揺れやすいと感じました。

確認3:飲む目的

厚生労働省の飲酒ガイドライン(6ページ)には、不安の解消のための飲酒を続けることが依存症になる可能性を高める、という趣旨の記述があります。気分を落ち着かせるために飲みたくなったとき、それは飲み物の問題ではなく、気持ちの扱い方の問題かもしれないと考えるようにしています。

確認4:寝る前の余白

余白といっても、何かをする時間ではなく、何もしない時間です。予定を詰め込んだ夜は、頭が休まりません。寝る前の30分は何も入れない時間にして、スマートフォンを手放しています。

要点: 4つの確認は、睡眠、食事、飲む目的、寝る前の余白の順で、それぞれ1分で答えられます。

揺れにくくなる日の共通点

記録を並べると、穏やかな夜にはいくつかの共通点がありました。

夜の様子

睡眠

食事

飲酒

穏やかだった夜

十分

3食とれた

なし、またはごく少量

揺れた夜

浅かった

抜いた食事があった

量はまちまち

図: 私の1年分の記録から見た、夜の気分と生活の傾向(個人の記録であり、一般化はできません)

見えたこと

穏やかな夜の前には、前日の就寝が早かったり、昼間に外を歩いていたりする日が多くありました。逆に、仕事の締め切りが重なった日や、人付き合いで気を張った日は、飲酒の有無にかかわらず点数が下がりました。

飲酒の量よりも、睡眠と食事の乱れが先にある日が多いと感じました。もちろん、これは私個人の記録です。体質や状況によって結果は変わります。

揺れたときの小さな対処

揺れた夜があっても、責めないようにしています。そのかわり、翌日に一つだけ見直します。睡眠なら就寝時刻、食事なら朝食、という具合です。

私の定番

揺れた夜の対処は、特別なことをしません。普段の生活の中で、すぐに手が届くものを選んでいます。

  • ぬるめの湯に入る
  • 温かい飲み物を用意する
  • 今日あったことを3行だけ書く
  • 無理に結論を出さず、明日に回す

専門家に頼る目安

私は健診のあと、結果を見ながら医師と話す機会がありました。そのとき、数字だけでなく生活の様子も伝えると、アドバイスが具体的になると感じました。記録は、そのための材料にもなります。

気分の落ち込みが長く続く、日常生活に支障が出るといった場合は、記録を持って医療機関に相談してください。記録が説明の助けになることもあります。

よくある質問

気分の記録はどのくらい続ければ傾向が見えますか

私の場合は、1か月ほどで睡眠と気分の関係が見えてきました。期間は人によって違うので、続けられる範囲で構いません。

飲まない日でも気分が沈むのは普通ですか

飲まない日でも、気分は睡眠や仕事の影響で上下します。ただ、強い落ち込みが続く場合は、専門家に相談してください。

節酒を始めたばかりでも記録は役に立ちますか

始めたばかりの頃こそ、自分の傾向を知る材料になります。最初の数日は書き方に迷いますが、1週間ほど続けると、自分なりの型ができてきます。完璧を目指さず、抜けた日があってもそのまま続けてください。

今夜の一問から

今夜は、4つの確認のうち一つだけ、自分に聞いてみてください。それだけでも、夜の気持ちの扱い方が少し変わるかもしれません。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。