お酒をやめる決意のきっかけは、「数字」「朝の体感」「違和感」の3つに分かれます
結論から言うと、お酒をやめる決意のきっかけは、大きく3つに分けて考えると整理しやすくなります。健診などの数字を見て動く人、朝の体の重さで動く人、自分の飲み方への違和感で動く人です。どれが正しいというものではなく、自分がどのタイプかを知っておくと、決意を行動に変えやすくなります。
お酒を減らす動機は人によって違うことが、質性研究でも示されています。私は40代の女性で、30代の後半に飲み方を見直して、今は無理のないペースで断酒5年になります。日々の体調と気分をノートに残してきたので、その記録をもとに、3つのきっかけを比べてみます。
要点: きっかけは数字・体感・違和感の3タイプで、自分のタイプを知ることが出発点です。
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きっかけを3つに分けて、向き不向きを比べます
数字で動くタイプ:基準があると決めやすい
健診の結果や飲酒量の目安を見て動くのが、数字タイプです。厚生労働省のガイドラインでは、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を、1日あたりの純アルコール量で男性40g以上、女性20g以上としています。純アルコール量は「摂取量(ml)×アルコール濃度(度数÷100)×0.8」で求められ、ビール500ml(5%)なら20gです。出典は厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」です。
20g=ビール500ml(女性の目安)40g=ビール1000ml(男性の目安)
図: 生活習慣病のリスクを高める純アルコール量(1日あたり)をビール5%で換算(500ml×0.05×0.8=20g、1000mlなら40g)
数字タイプの強みは、基準が目に見えることです。弱みは、数字が基準内に戻ると決意がゆるみやすいことです。
朝の体感で動くタイプ:実感があるので続きやすい
二日酔いの朝、起きてすぐの体の重さ、寝ても疲れが残る感じ。こうした体感がきっかけの人は、やめた翌朝に違いを実感しやすく、それが次の日の支えになります。ただ、体感は日によってぶれるので、数字の記録と組み合わせるのがおすすめです。
違和感で動くタイプ:自分への問いかけから始まる
「自分は思ったより飲んでいるかもしれない」という気づきから動く人もいます。オーストラリアの中高年女性27人(45〜64歳)に聞いた質性研究では、お酒を減らすことを「自己管理」や「personal challenge(自分への挑戦)」という言葉で語る人が見られました。出典はPubMed: Sober Curiosity: A Qualitative Study Exploring Women's Preparedness to Reduce Alcohol by Social Classです。違和感のきっかけは、外から見えにくいぶん、言葉にして書き出すことで力を持ちます。
要点: 数字は基準になり、体感は実感になり、違和感は問いになります。3つは組み合わせられます。
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私が5年分のノートを見返して気づいたこと
最初の決意は、数字ではなく朝の体感でした
振り返ってみると、私の最初のきっかけは数字ではなく、朝の体感でした。ノートには「起きても頭が晴れない」「夕方まで眠い」という一行が、何日も並んでいました。5年やってみて気づいたのは、そうした小さな一行が、決意の土台になっていたということです。
数字は、あとから決意を支えてくれました
体感で始めたあと、健診の結果が変わっていくのを見て、数字が後押ししてくれるようになりました。きっかけと、続ける理由は、別のものでもいいのだと思います。最初は朝の体感で動き、半年後に数字で確かめ、1年後には違和感が薄れていく。そうした順番でも、断酒は続きます。
要点: きっかけと続ける理由は、同じでなくてかまいません。
きっかけが弱いと感じるときの考え方
「こんな小さなことで決意していいのかな」と思う人は少なくありません。私も最初は、朝の頭の重さだけでやめるのは大げさではないかと思っていました。でも、記録をつけて5年たった今は、きっかけの大きさと、続けられるかどうかは関係がなかったと感じています。
小さなきっかけは、記録すると大きくなります
きっかけは、書き留めた分だけ増えていきます。「今日は眠りが深かった」「朝の肌が軽い」という一行も、積み重なると、自分だけの理由の一覧になります。決意を支えるのは、その一覧です。
周りの目より、自分の基準を先に置きます
家族や友人の言葉がきっかけになることもありますが、それだけに頼ると、言った人がいなくなったときに揺らぎます。自分の基準を、先にノートに書いておくほうが、長く続けやすいと思います。
要点: きっかけの大きさではなく、書き留めた回数が決意を支えます。
決意を行動に変える、今夜からの手順
決意が固まったときに、次の手順で動くと迷いにくくなります。
- 今夜から1週間、飲んだ量と朝の体調をノートに書く。
- ガイドラインの式で、自分の1日の純アルコール量を計算する。
- 飲まない日を、週のうち先にカレンダーに書く。
- 代わりの飲み物を、冷蔵庫に先に用意する。
厚生労働省のガイドラインにも、量を決めて飲む、飲まない日を設ける、といった工夫が挙げられています。決意の大きさより、最初の1週間の記録のほうが、次の行動を決める材料になります。なお、毎日たくさん飲んできた人が急にやめると、体調を崩すことがあります。不安があるときは、医療機関に相談してください。
よくある質問
きっかけがはっきりしなくても、やめていいのですか?
はっきりしなくてかまいません。「なんとなく見直したい」という感覚も、立派なきっかけです。ノートに書き出すと、あとから理由が見えてきます。
数字が基準内なら、やめなくていいのですか?
基準内でも、朝の体調や気分に影響を感じるなら、見直す価値はあります。基準は目安のひとつとして使ってください。
決意が数日でゆるんでしまうのは、意志が弱いからですか?
意志の問題とは限りません。決意だけに頼らず、飲まない日や代わりの飲み物を先に決めておくと、ゆるみにくくなります。
ひとりで決めても大丈夫ですか?
軽い見直しなら、ひとりで始められます。ただ、やめたくてもやめられない、量をコントロールできないと感じるときは、専門の医療機関や保健所の相談窓口を使ってください。
今夜は、いつもの一杯の前に、ノートの1行目に「今日の体調」を書いてみてください。それが、あなたのきっかけの最初の1ページになります。
※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。

