結論から言うと、飲まない夜を増やして私に起きた一番の変化は、気分が良くなったことではなく、気分の上下の幅が狭くなったことでした。理由はひとつではなく、眠りの後半が乱れにくくなること、翌朝の立ち上がりが安定すること、週の予定を気分で崩さなくなることが重なっています。就床1時間前に飲んだアルコールは少量でも睡眠の後半を障害することが、厚生労働省のe-ヘルスネットに整理されています(e-ヘルスネット アルコールの作用)。この記事では、気分の波を浅くする要素を7項目のチェックリストにして、今夜から確かめられる形で並べます。

まず前提、気分の安定とは何を指しているのか

私は30代で、仕事終わりはノンアルビール、週末だけ少量のワインという暮らしを3年続けています。断酒や重い話は専門外なので、ここで言う気分の安定は、日常の中でのちょっとした落ち込みや、イラッとする頻度、朝の気の重さといった、誰にでもある範囲の話です。

気分を上げるのではなく、落差を減らす

飲んだ夜は確かに気分が上がります。e-ヘルスネットにも、少量の飲酒には活発になったり不安感を減らしたりする効果があると書かれています(e-ヘルスネット アルコールの作用)。問題はその後です。上がった分だけ翌朝に下がる落差が、気分の波の正体なんですよね。飲まない夜は、山を低くする代わりに谷も浅くしてくれます。

要点: ここで扱う気分の安定は、気分を上げることではなく、翌日との落差を減らすことです。

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気分の波を浅くする7項目のチェックリスト

平日ノンアルを3年続ける中で、気分の波に効いていると感じた要素を7つに絞りました。全部そろえる必要はなく、当てはまる数を数えるところから始めてみてください。

  1. 寝る前の3時間に飲んでいない夜が、週に4日以上ある。就床1時間前の少量の飲酒でも睡眠の後半を障害し、6時間前の飲酒でも後半の覚醒度が上がることが示されています(e-ヘルスネット アルコールの作用)。
  2. 翌朝の目覚めを5段階で記録している。数字が無いと、気分の波を気のせいだと片付けてしまいます。
  3. 飲む日を前の週のうちに決めている。気分で飲む日を増やすと、その週の後半の気分が読めなくなります。
  4. 飲まない夜に、グラスの代わりになる一杯が決まっている。私はノンアルビールか炭酸水にレモンです。選び方は甘くないノンアルワインの選び方でも書いています。
  5. 週末に飲むときも、量を先に決めてから注いでいる。ワイングラス1杯なら1杯と決めて、ボトルは食卓に置きません。
  6. 月曜の朝に、先週の飲んだ夜と気分の記録を5分だけ見返している。谷が深かった週は、飲んだ夜の位置とほぼ一致していました。
  7. 落ち込んだ夜に飲まない、と決めている。気分を上げる目的の一杯は、翌朝の落差を一番大きくします。

7項目のうち何個当てはまればいいのか

私の実感では、4個を超えたあたりから週の気分のグラフがなだらかになりました。ただしこれは私一人の記録なので、人によって効く項目は違います。まず1番と2番だけ始めて、1か月後に数え直すのがおすすめです。

要点: 7項目は全部そろえなくてよく、まず寝る前3時間と翌朝の記録の2つから始めると変化が見えます。

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研究が示す、飲まない選択と心の調子の方向

女性を追った調査では、飲まない選択のあとに心の健やかさが近づいた

香港の約1万人と米国の約3万1千人を追跡した研究では、お酒を手放した女性の心の健やかさの変化は、生涯飲まなかった女性と比べて良い方向に動き、4年以内に生涯飲まなかった人の水準に近づいたと報告されています(PubMed 31285378)。この研究は観察研究なので、飲まないことが原因だと断言はできません。それでも、飲む量を減らした人の気分が長い目で見て悪い方向に行くという結果ではなかったことは、平日ノンアルを続ける私にとって心強い材料です。

眠りの後半が守られると、翌朝の気分の土台が変わる

アルコールが睡眠の前半を深くし、後半を乱すことは量を問わず確認されています(PubMed 23347102)。飲んだ翌朝の不安感については、飲まなくなってから不安が落ち着いた理由を調べた記事で詳しく書いたので、ここでは眠りと気分の接点に絞ります。後半の眠りが削れた朝は、何も起きていないのに気が重い。この朝のスタート地点の低さが、その日の気分の波の最初の谷になります。

要点: 女性を追った調査と睡眠のレビューの両方が、飲まない夜が気分の土台を安定させる方向と矛盾していません。

私の3年分の記録で見えた、飲んだ夜と気分の関係

数字で見せたほうが早いので、私が手帳に付けている翌朝の気分の5段階採点を、飲んだ夜のあととノンアルの夜のあとで平均してみました。

  • ノンアルの夜の翌朝:4.1
  • ワインを飲んだ夜の翌朝:3.2

図: 翌朝の気分の5段階採点の平均(筆者の直近1年の手帳の記録)

差は1点ほどですが、気分の波で大事なのは平均より最低点でした。ノンアルの夜のあとは2が付いた朝がほとんど無く、ワインの夜のあとには2が月に1回か2回あります。この最低点の違いが、週の気分がなだらかかどうかを決めていました。

チェックリストの7番を守れなかった夜の記録

3年の中で、仕事で落ち込んだ夜に週末でもないのにワインを開けたことが数回あります。その翌朝はどれも2でした。気分を上げるための一杯は、翌朝に同じ分だけ返ってくる。この経験が7番目の項目になっています。

要点: 気分の波は平均ではなく最低点で決まり、落ち込んだ夜の一杯が最低点を作っていました。

よくある質問

飲まない夜を増やすと、気分は良くなりますか

気分が上がるというより、下がる幅が狭くなるという表現が近いです。飲んだ夜の高揚感は無くなりますが、翌朝の谷も浅くなるので、週で見るとなだらかになります。

週末に飲むのは気分の安定に悪いですか

私は週末に少量のワインを楽しんでいますが、量を先に決めて、寝る3時間前までに済ませるようにしています。この2つを守ると、翌朝の数字は平日とほとんど変わりません。

チェックリストが4個に届きません

1番と2番だけで十分です。寝る前3時間を空けることと、翌朝を5段階で書くことの2つがそろうと、残りの項目は自分の記録から自然に必要性が見えてきます。

今夜は、寝る前の一杯をノンアルか温かい飲み物にして、明日の朝の気分を5段階で書いてみてください。1か月後、その数字の最低点がどこにあるかを見るだけで、自分の気分の波の形が分かります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療的助言・診断・治療の推奨を行うものではありません。健康上のご不安は医療機関にご相談ください。