職場でお酒を断る理由は、3つ用意しておけば足ります

結論から言うと、職場でお酒を断る理由は「体質」「翌日の予定」「健診の数値」の3つに絞るのがいちばん続きます。自分は週4日を飲まない日にして2年になりますが、その間に使った断り文句をUntappdのメモに全部残してきました。振り返ると、毎回違う言い訳を考えていた最初の半年はほぼ失敗しています。理由が使い捨てだと、次の飲み会で矛盾するからです。逆に、変わらない事実に紐づいた理由は、同じ人に何度でも使えます。

以下では、その3つがなぜ残ったのかと、上司・取引先・同僚で言い方をどう変えているかを、実際に使っている文例ごと出します。

要点: 断る理由は増やすのではなく、繰り返せるものに絞ります。

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断り方ではなく「理由の在庫管理」の問題です

使い捨ての理由は、2回目で破綻します

最初の半年、自分は毎回その場で理由をひねり出していました。「今日は車で来ていて」「明日が早くて」「ちょっと胃の調子が」。一つひとつは通るんですが、同じ相手に3回目を出すと必ず崩れます。先週は車だったのに今日は電車なのか、と突っ込まれる。その瞬間、断ること自体が不誠実な行為みたいな空気になってしまう。これがいちばんきつかったです。

自分のメモを数えると、断ったあとに「気まずくなった」と書き残している回は、最初の半年に固まっていました。理由を3つに固定してからは、同じ書き込みがほとんど出てきません。自分のログの中の話なので一般化はできませんが、少なくとも自分には効きました。

残る理由の条件は「変わらない事実であること」

絞り込むときに使った基準はシンプルです。来月も再来月も同じことが言えるか。これだけです。車で来た、胃の調子が悪い、は今日しか言えません。体質、翌日の予定の立て方、健診の数値は、自分の側の設定なので変わりません。だから繰り返せます。

要点: 来月も同じことが言えるかどうかで、理由を選びます。

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「体質」がいちばん説明コストの低い理由になる根拠

3つの中でも、体質を理由にするのが圧倒的に楽です。相手が反論しようがないからというより、日本ではそれがかなり一般的な話だからです。

厚生労働省健康に配慮した飲酒に関するガイドラインには、アルコールの分解酵素が弱く顔が赤くなるなどのフラッシング反応を起こす人が、日本では41%程度いるとされる、と書かれています。4割です。つまり職場の飲み会で「自分はあまり強くないので」と言ったとき、テーブルの半分近くは心当たりがある側にいる計算になります。珍しい主張ではないんですよね。背景にあるのは体質差で、厚生労働省のe-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」によれば、ALDH2という分解酵素には東アジア人に多い遺伝子多型があり、活性が弱い人はコップ1杯のビールでも顔が赤くなるとされています。生まれ持った設定なので、来月も再来月も変わりません。

健康の話にするなら、数値を持っておくと話が精神論に流れません。同じ厚労省ガイドラインでは、生活習慣病のリスクを高める量として、1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上という基準が示されています。純アルコール量は「摂取量(ml)×アルコール度数÷100×0.8」で出せるので、ビール500ml(5%)なら20gです。男性の基準ならビール中瓶2本相当、という具体的な線が引けます。

生活習慣病リスクを高める量(男性)40g/日同(女性)20g/日 = ビール500ml 1本ビール500ml(5%) = 20g(式で算出)

図: 厚労省ガイドラインが示す量と、ビール500mlの純アルコール量の対応

要点: 体質の話は日本では少数派の主張ではなく、数値も公的資料から引けます。

相手別の言い方テンプレート

同じ理由でも、相手によって足す情報が変わります。自分が実際に使っている型を出します。

上司に対しては、理由より「参加姿勢」を先に置く

上司の関心は、飲むかどうかより場に加わる気があるかどうかです。だから順番を逆にします。

  • 「参加します。ただ自分は飲むほうがあまり強くないので、ウーロン茶でいさせてください」
  • 「二次会まで行きます。飲むのは最初の一杯だけにしておきます」
  • 「幹事やります。自分は飲まない側なので、店の手配と会計を持ちます」

3つ目は効きます。飲まない代わりに役割を取ると、断っている感じが消えるからです。

取引先に対しては、理由を短く切って話題を移す

取引先には説明を長くしないほうが安全です。長いほど相手が「じゃあ一杯だけ」と入り込む余地が増えます。

  • 「すみません、体質であまり飲めないんです。ノンアルで乾杯させてください」
  • 「明日の午前に大事な打ち合わせがありまして、今日はここまでにしておきます」
  • 「健診で数値をひとつ指摘されていて、今は量を決めているんです」

言い切ったら、すぐ料理か仕事の話に振ります。理由を掘らせない。ここが取引先での唯一のコツだと思っています。

同僚に対しては、事実をそのまま言うのがいちばん楽です

同僚が相手なら、自分は説明を隠しません。

  • 「週に4日は飲まない日にしてて、今日その枠なんだよね」
  • 「Apple Watchの睡眠スコアが飲んだ日に落ちるのが見えてから、平日はやめてる」
  • 「今月の総量をもう使い切ってて、来週まわしにしてる」

データの話をすると、同僚は面白がってくれることが多いです。断られたのではなく、何かの取り組みを見せられた、という受け取りになるからだと思います。飲み会そのものの立ち回りについては、飲み会で飲まない日の過ごし方をまとめた記事のほうに細かく書いています。断り文句のバリエーションをもっと集めたい場合は、角が立たない断り方を状況別に整理した記事もあります。

要点: 上司には姿勢を先に、取引先には短く、同僚には事実をそのまま。

2年かけて、理由を削っていった記録

始めた頃は理由のストックを増やそうとしていました。10個くらいメモしていたと思います。ところが多いほど、その場でどれを出すか迷って、結局いちばん弱い理由を口にしてしまう。半年目で5個に減らし、1年を過ぎたあたりで今の3つに落ち着きました。

減らしてから起きた変化が2つあります。1つは、断るまでの時間が短くなったこと。迷いがないので、乾杯の前に言えます。飲み物が配られた後に断ると場が止まるので、これは大きい差でした。もう1つは、周りが覚えてくれるようになったこと。同じ理由を繰り返していると、3回目あたりから相手が先に「お前は飲まないんだったよな」と言ってくれます。そこまで行けば、もう断る作業自体が要らなくなります。

飲む量そのものの設計は、節酒の方法を12項目で整理した記事のほうに手順で書いてあります。断り方と量の設計は別の問題なので、分けて考えたほうがうまくいきます。

要点: 理由は増やすほど迷います。3つに固定すると、覚えてもらえる段階まで行けます。

それでも押し切られたときの二段構え

理由を言っても注がれることはあります。自分が用意しているのは2手だけです。

  1. 手元のグラスを空にしない。空いていると注がれるので、ノンアルを常に半分以上残す
  2. それでも注がれたら受け取って、口だけ付けて置く。飲み干さなければ次は来にくい

3手目は考えていません。ここまでやっても押してくる場面は、理由の問題ではなく相手の問題なので、断り方を工夫しても解決しないからです。そういう場は回数を減らすほうに手を打つことにしています。

要点: グラスを空にしないのが、いちばん静かに効く防御です。

よくある質問

体質を理由にするのは嘘になりませんか

自分は「あまり強くない」という言い方にしています。飲めないと言い切ると、過去に飲んでいるところを見られていた場合に崩れます。強さには幅があるので、量を控えたい事実をそのまま乗せる表現のほうが持ちます。

健診の数値を出すと、心配されて逆に気を使わせませんか

数値そのものは言わないほうが無難です。「ひとつ指摘されていて量を決めている」くらいで止めると、詳しく聞かれることはほとんどありません。具体的な検査値を出すと、そこから健康談義が始まってしまいます。

新しい職場でいきなり断ると、付き合いが悪いと思われませんか

最初の1回で「参加はする、飲まない」をセットで示しておくと、その後が楽になります。順番として、参加の意思を先に出すかどうかで印象がかなり変わるというのが、自分の実感です。

ノンアルコール飲料を頼むのは失礼にあたりますか

乾杯にノンアルで加わること自体を問題にする場面は、少なくとも自分の周りではもう見なくなりました。むしろグラスを持って乾杯に参加している形が残るので、何も持たないより場になじみます。

3つの理由を使い分ける基準はありますか

自分は相手との距離で決めています。上司と取引先には体質と翌日の予定、同僚には飲まない日の運用そのものを話す。健診の数値は、健康の話題が先に出たときだけ使っています。

今夜の飲み会が決まっているなら、乾杯の前に言う一文だけ決めておいてください。その1回が通ると、2回目からは考えなくてよくなります。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。