「肩こりって、こんなに楽になるんだ」と気づいたのは、断酒2年目の冬でした

振り返ってみると、30代の後半はずっと肩と首に何かが乗っているみたいな感覚がありました。デスクワークのせいだと思っていたし、そういうものだと受け入れてもいました。週に何度かビールやワインを飲んで、その夜だけは「ふっ」と体の力が抜けるような気がして。でも翌朝はなぜか首がより重くて、それも当たり前だと思っていたんです。

断酒して2年目の冬、記録ノートを読み返したときに「最近、肩が軽い」というメモが何度も出てきていることに気づきました。意識して書いたわけじゃなくて、その日の体感をただ書いていたら自然とそういう言葉が増えていた。そのときはじめて、あの重さはお酒と関係していたのかもしれないって思ったんです。

お酒が筋肉の緊張に影響する、という話

アルコールと筋肉のあいだにあるもの

アルコールは飲んだ直後、たしかに筋肉をゆるめるように感じさせます。あの「どっと力が抜ける」感覚は、中枢神経への作用によるものです。でも、その後の体は別の話をしていて。アルコールが分解される過程で体内の水分やミネラルが大量に使われ、筋肉は実は脱水に近い状態になりやすいと言われています。

脱水した筋肉はしなやかさを失って、翌朝じわじわと硬くなる。肩や首は細かい筋肉が密集している場所なので、そのサインが出やすかったのかもしれません。5年やってみて気づいたのは、お酒を飲んでいた頃の「翌朝の首の重さ」が、ただの疲れじゃなくて筋肉のコンディションそのものだったということです。

睡眠の質と、朝の筋肉のかたさ

肩と首のこりに関係していると感じるもうひとつの要素が、睡眠の深さでした。お酒を飲んだ夜は眠りにつくのは早いけれど、夜中に目が覚めたり、朝の目覚めがぼんやりしたりすることが多かった。浅い睡眠の時間が長いと、体が夜のあいだにじゅうぶんな回復をできないまま朝を迎えます。

筋肉の修復や緩和も、深い睡眠中に起きやすいものです。断酒して睡眠が整ってきた時期と、「肩が軽い」というノートのメモが増えた時期がほぼ重なっていた。それに気づいたとき、点と点がつながった感じがしました。夜の選択が、翌朝の肩と首に影響している。そういうことだったんだなって思うんです。

記録ノートが教えてくれた、季節ごとの変化

冬と春の体感の差

私は毎日、その日の体調・気分・睡眠の深さを5段階で記録するシンプルなノートをつけています。断酒から3年目ごろ、ノートを季節ごとにざっと見返してみたとき、冬に「肩が重い」「首が張っている」という記述が増え、春から初夏にかけて「体が軽い」「肩がゆるんだ」が増えるパターンがあることに気づきました。

これはお酒だけの話ではなく、寒さで体が縮こまる冬の特性もあるでしょう。でも、断酒前の冬の記録(当時は体調メモを時々つけていました)と見比べると、明らかに「重い」の頻度が下がっていた。季節の変化の中でも、断酒後のほうが肩と首が楽な日の割合が多い。数字で出したわけじゃないけれど、感覚としてはっきりしていました。

「深呼吸できてる」というメモの増加

もうひとつ、ノートに増えてきた言葉が「深呼吸できてる」でした。肩と首が楽な日には、この言葉がセットで出てくることが多い。肩と首の緊張がゆるむと、胸郭が開きやすくなって、自然と呼吸が深くなる感じがあるんですよね。逆に肩が張っているときは呼吸が浅くて、頭がぼんやりする。

5年やってみて気づいたのは、「体の整い」はひとつの臓器や部位だけで起きるんじゃなくて、つながり合っているということです。肩と首がゆるむ→胸が開く→呼吸が深くなる→頭がクリアになる。その流れが、断酒後の朝に起きやすくなった気がしています。

日常の中で肩と首をゆるめるために、私が続けていること

朝のストレッチと「ノートを開く」ルーティン

断酒して変わったことのひとつに、朝の時間の使い方があります。以前は頭が重いまま準備していたのが、今は10分だけ早く起きて、簡単な肩と首のストレッチをしてからノートを開くのが習慣になりました。首をゆっくり左右に傾ける、肩をぐるりと回す、そのくらいのことです。

大げさなことじゃないけれど、この10分があるかないかで、その日の肩の軽さが違う気がする。そして「今日の体感」をノートに書くことで、自分の状態を客観的に見る練習にもなっています。記録が続くと、体のパターンが見えてきて、「最近肩が張る日が増えたな、何か変わったかな」と気づけるようになります。

夜の「巻き肩リセット」を取り入れてみた

デスクワークで前かがみの姿勢が続くと、どうしても肩が内側に入った「巻き肩」になりやすい。以前はそれをお酒でごまかしていた部分があったかもしれないと、今は思います。断酒後は夜の時間の使い方が変わったので、寝る前に胸を開くストレッチを取り入れるようになりました。

壁に手をついて胸を前に押し出すだけの、ほんとうにシンプルなもの。でもこれをやった翌朝と、やらなかった翌朝とでは、首の可動域がはっきり違う。お酒がなくなって「何かを変えよう」という気持ちが自然に生まれて、こういう小さな習慣が積み上がっていったんだなって思うんです。

5年経って思うこと――「整える」は小さな選択の積み重ね

断酒5年で気づいたのは、体の変化は劇的に訪れるものじゃないということです。ある朝突然「完全に肩こりがなくなった!」という日があるわけじゃなくて、「あれ、最近肩のこと気にしてなかったな」と後から気づく。それがノートの記録のおかげで見えてきます。

振り返ってみると、お酒を選ばない夜が積み重なることで、睡眠が深くなり、筋肉が回復しやすくなり、朝のストレッチが気持ちよくなり、体が軽い日が増えていく。どれかひとつが劇的に変わるんじゃなくて、全部がゆっくりつながっていく感じ。それが5年続けてわかってきた「整える」の正体だなって思っています。

肩や首のこりは、多くの方が感じている日常の不快感です。夜の選択を変えることがその一助になるかもしれない、という視点を、今日は私の記録ノートをもとにお届けしました。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。肩・首の痛みや不調が続く場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。