結論から言うと、飲まない夜を選んでも気持ちの波はなくなりません。ただ、波が来る時間帯と理由を知っておくと、お酒に頼らなくても乗り切れるようになります。第一子の出産をきっかけにお酒を選んで飲まなくなって2年。いちばん心がざわつくのは、決まって夕方です。ある火曜日の一日を、場面ごとに振り返ります。お酒と気分の関係については、e-ヘルスネットのアルコールとうつ、自殺のページがありますが、執筆時点では更新中の表示でした。そのため本文では、確認できた公的資料と研究だけを使います。
午後5時、台所に立つ前の数分間
保育園のお迎えから帰ると、子どもは「おなかすいた」と言い、洗濯物は山になっていて、夕飯の支度はまだ何も始まっていません。この時間帯に、胸のあたりがざわっとします。以前の私は、この瞬間に「とりあえず一杯」と冷蔵庫を開けていました。
その火曜日、私は冷蔵庫の前で一度立ち止まりました。ざわつきの正体は、疲れと空腹と、「今日もうまくできていない」という気持ちが混ざったものだと、2年かけてわかってきたからです。
まず、波に名前をつける
私がやっているのは、ノートに「いまの気持ち」を一言書くことです。「疲れた」「焦っている」「さびしい」。名前をつけるだけで、波の高さが少し下がります。
空腹と喉の渇きを先に片づける
台所に立つ前に、次の3つだけを済ませます。
- 麦茶かお水を1杯飲む
- バナナかチーズを少し口に入れる
- 洗濯物は見ないふりをして、椅子に3分座る
これだけで、ざわつきが落ち着く日が多いです。気持ちの問題だと思っていたことが、実は空腹だったという日が意外と多いです。
要点: 夕方のざわつきは、名前をつけて、空腹と渇きを先に片づけます。
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午後8時、寝かしつけのあとに来る第二の波
子どもが寝たあとの静けさは、安心と同時に、少し不安も連れてきます。以前はここでお酒を飲んで気持ちをゆるめていました。
厚生労働省の健康に配慮した飲酒に関するガイドラインには、不眠を解消するための飲酒は避けるべきだと書かれています。飲酒によって眠りが浅くなり、睡眠リズムが乱れるなどの支障が出ることがあるためです。また、不安を解消するための飲酒を続けると、依存症になる可能性が高まることがあるとも書かれています。振り返ると、私がお酒で和らげようとしていたのは、まさにこの二つでした。
睡眠と飲酒の関係については、フィンランドの就労者を対象にした観察研究でも、飲酒量が増えるほど眠り始めの数時間の心拍が高くなる傾向が報告されています。論文はJMIR Mental Healthに掲載された研究で読めます。観察研究なので、すべてが飲酒のせいと決めつけることはできませんが、「飲んだほうが休まる」とは限らないという目安にはなります。
要点: 夜の不安や眠れなさをお酒で和らげる方法は、公的資料でも勧められていません。
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気持ちの波に、お酒の代わりに置いたもの
波が来たときの選択肢を、紙に書いて冷蔵庫の横に貼っています。お酒を飲むかどうかの二択ではなく、選べる行動を増やしておくための表です。
波の種類 | 以前の私の選択 | いまの選択 |
|---|---|---|
疲れ | お酒で気持ちをゆるめる | ぬるめの湯に入る・早く横になる |
焦り | お酒で考えを止める | やることを3つだけノートに書く |
さびしさ | お酒で気を紛らわす | 友人に短いメッセージを送る |
退屈 | とりあえず一杯 | 温かいお茶と好きな動画 |
図: 気持ちの波の種類別に見た、以前と今の選択(私の記録より)
表を作ってよかった点
波の最中は、頭が働きません。だから、考えなくても選べるように、先に書いておきました。紙を見て、上から順にやるだけです。
うまくいかない日もある
もちろん、全部がうまくいくわけではありません。ざわつきが強くて、何をしても落ち着かない夜もあります。そういう日は、早く寝ることを選びます。眠れない日が続いたり、気分の落ち込みが長引いたりするときは、一人で抱えず、かかりつけ医や地域の相談窓口に話してください。
要点: 波の最中に考えなくて済むよう、選択肢を先に書いておきます。
午後10時、その日の波を振り返る
寝る前に、ノートを見返します。今日の波は何時ごろ来て、何をして、どれくらいで引いたか。続けていると、「夕方5時ごろは必ず来る」「雨の日は少し強い」といった癖がわかってきます。癖がわかると、波は怖いものではなく、天気予報のようなものになります。
その火曜日、波は30分ほどで引きました。時間を測ったわけではなく、ノートに書いた時刻から数えただけです。それでも、「引くものだ」と知っていることが、いちばんの支えになりました。
要点: 波は記録すると癖が見えて、怖さが減ります。
よくある質問
気持ちの波は、いつまで続きますか
人によって違い、一律の目安はありません。私の場合は、ゼロになったというより、来ても慌てなくなったという変化でした。
波がつらいときは、誰かに相談したほうがいいですか
気分の落ち込みや不眠が続くときは、かかりつけ医や、お住まいの地域の保健所・精神保健福祉センターなどに相談してください。一人で我慢し続ける必要はありません。
お酒を飲まない夜に、何を飲んでいますか
麦茶、無糖の炭酸水、温かいハーブティーなどです。気分で選んでいます。
今夜、ノートの端に「いまの気持ち」を一言だけ書いてみませんか。夜の過ごし方をまとめた記事も、あわせて読んでみてください。
※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。

