休肝日は、2日連続にすると効果があると言えるのでしょうか

結論から言うと、「2日連続のほうが効果的」と言い切れる根拠は、今回自分が確認した公的資料の範囲では見つかりませんでした。e-ヘルスネットは休肝日を「週に1日以上飲酒しない日を設ける」ことを推奨する造語と説明していて、連続にするべきかどうかの記載はありません。厚生労働省のガイドラインも、飲まない日を設けることは挙げていますが、日数や連続性は決めていません。

自分は30代の男性で、飲酒の記録をアプリで取り、休肝日を週4日以上にして、飲むのは主に週末にしています。日本人10万人超を追跡したコホート研究のように、量とリスクを調べた研究はあります。ログを取ると、「連続で飲まない日が何日続いたか」は簡単に数えられますが、それが体にどう効くかは、数えるだけでは分かりません。この記事では、「2日連続」の根拠を問い直し、確認できたことと、確認できなかったことを分けてお話しします。

なお、自分は医師ではありません。肝臓の数値が気になる方や、お酒をやめにくい方は、必ず医療機関にご相談ください。

要点: 「2日連続」の根拠は、確認できた公的資料には書かれていませんでした。

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そもそも、休肝日はどう定義されているのでしょうか

e-ヘルスネットの説明

厚生労働省のe-ヘルスネットのキーワード解説では、休肝日は肝臓を休めるために、週に1日以上飲酒しない日を設けることを推奨する目的で作られた造語と説明されています。理由として、アルコール性肝障害は一般に、飲酒量が多いほど、飲酒期間が長いほど進行しやすいとされていることが挙げられています。

この解説で、自分が数字として確認できたのは「週に1日以上」だけです。連続させるべきか、あるいは連続して飲んではいけないのか、という点の記載は、このページには見つかりませんでした。

厚労省のガイドラインの扱い

2024年に示された厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」には、飲酒量を減らす工夫の例として、一週間のうち飲酒をしない日を設ける(毎日飲み続けるといった継続しての飲酒を避ける)ことが挙げられています(p.4〜5)。毎日飲み続けることを避ける、という方向性は読み取れます。

ただし、このガイドラインも「週に何日」「連続何日」とは書いていません。したがって、国の資料から言えるのは「飲まない日を設ける」「毎日続けない」という点までです。

つまり、2日連続は「誰の指針」なのか

世間では「週2日、できれば連続で」といった言い方を目にしますが、自分が今回確認した範囲では、その出所を公的資料で特定できませんでした(要確認)。日本肝臓学会などの名前が挙がることもありますが、一次資料まで確認できていないので、この記事では断定しません。

要点: 公的資料で確認できたのは「週1日以上」「毎日続けない」まで。連続2日の出所は確認できていません。

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飲酒量と死亡リスクの研究から、何が言えるのでしょうか

日本人10万人超を追跡した研究

飲酒のパターンと死亡の関係を調べた研究として、国立がん研究センターなどによる日本人の飲酒量と飲酒パターンが全死亡・主要な死因に与える影響の研究(Journal of Epidemiology)があります。J-STAGEの要旨ページによれば、対象は40〜69歳の日本人102,849名で、平均18.2年追跡し、15,203名の死亡が報告されています。

男性では、飲酒量が週あたり600g以上の群で、非飲酒者に対するハザード比が1.19でした。ハザード比とは、ある群が基準の群と比べて、一定期間に死亡する確率が何倍かを示す指標です。要旨は、重い飲酒が死亡リスクを増加させるというJ字型の関連を認めたと整理しています。

数字の一部を、図にしてみます

同じ要旨ページから、男性の週あたり飲酒量別のハザード比を、次の図にまとめました。

非飲酒者=基準(1.00)、数値が大きいほど死亡の相対的な多さ非飲酒者:1.001〜149g/週:0.76150〜299g/週:0.75300〜449g/週:0.84450〜599g/週:0.92600g以上/週:1.19横幅はハザード比に比例(1.00=160px)。男性のみ。J-STAGEの要旨ページの数値

図: 日本人男性の週あたり飲酒量別の全死亡ハザード比(出典: Journal of Epidemiology、J-STAGE要旨ページ)

この図を、どう読まないか

ここは注意が必要です。図のとおり、少量の群の数値は非飲酒者より低く出ています。ただ、自分はこれを「少し飲んだほうが健康」とは読みません。飲酒と健康の関係では、基準になる非飲酒者の群に、病気などでやめた人が含まれる可能性が、研究の世界でたびたび議論されているからです(今回の要旨ページだけでは確認できなかったので、要確認です)。

この図から確実に言えるのは、週あたりの量が多い群で、リスクが高く出ているという点です。そして、これは「連続して飲まない日の効果」を直接調べたものではありません。

要点: 量が多いとリスクが高く出る関連は確認できましたが、連続の休肝日の効果を直接調べた結果ではありません。

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「連続」が意味を持つとしたら、どんな理由が考えられるのでしょうか

ここからは、確認できた事実ではなく、自分の考察です。連続の休肝日に意味があるとすれば、次のような理由が考えられます。ただし、これらを裏づける資料は、今回確認できていません(要確認)。

  • 飲まない日が連続すると、毎日飲み続ける習慣が途切れやすい。
  • 1日だけだと、翌日の予定や気分で崩れやすいが、連続で決めると、生活のリズムに組み込みやすい。
  • 週の総量を減らす効果が、結果として大きくなる。

2つ目と3つ目は、特に、自分のログから感じていることです。数字で測ると、休肝日が1日だけの週は、その前後の飲む日の量が増える傾向が、自分にはあります。これは自分ひとりの記録で、一般化できる話ではありません。

「毎日続けない」と「週の総量」を分けて考える

ガイドラインには、生活習慣病のリスクを高める量として、1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上という目安が示されています(p.4)。飲まない日の数と、飲む日の量は、別々に考えるほうが整理しやすいと、自分は思っています。

純アルコール量は、同じガイドラインの式で計算できます。摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8です。たとえば、ビール500ml(5%)なら、500×0.05×0.8で20gです。

要点: 連続の意味は、確認できた資料からは言えず、自分のログから感じることとして区別して書きます。

データで管理する人は、何を記録すればいいのでしょうか

最低限、この4つを記録します

自分が記録しているのは、次の4つです。専用アプリでも、メモ帳でも構いません。

  1. 日付と、飲んだか飲まなかったか。
  2. 飲んだ場合の種類と量(純アルコール量に換算)。
  3. 飲まない日が、連続で何日続いたか。
  4. 翌朝の体調(5段階など、簡単な点数で十分)。

連続日数は、記録から簡単に出せます

ログがあれば、連続で飲まなかった日数は、表計算ソフトで数えられます。1か月分を並べるだけで、自分が「連続2日」を作れているのか、1日おきになっているのかが、見えてきます。

数字は、診断ではなく、自分の傾向を知るために使う

記録した数字は、体の状態を診断するものではありません。「連続2日を作った週は、翌朝の点数がどうだったか」を見る程度で十分です。数値が気になる場合は、健診の結果と合わせて、医師に相談してください。

飲まない日の作り方を知りたい方は、同じ編集部の休肝日の作り方の記事に、付き合い・習慣・手持ち無沙汰の3つの詰まりどころ別の手順がまとまっています。

要点: 日付・量・連続日数・翌朝の体調の4つを記録すると、自分の傾向が見えてきます。

自分の記録を、実際にどう見ているのでしょうか

ここからは、自分の運用の話です。医学的な効果を示すものではなく、あくまで個人のログから見えた傾向です。

飲む日と飲まない日を、色分けして並べます

表計算ソフトに1か月分の日付を並べ、飲んだ日を濃い色、飲まなかった日を薄い色で塗っています。こうすると、飲まない日が「点」で散らばっているのか、「線」でつながっているのかが、すぐに分かります。自分の場合、飲まない日を週の前半にまとめたほうが、週末の飲む日を楽しみにしやすいと感じています。

1日だけの休肝日が多い週は、飲む日の量が増えがち

数字で測ると、休肝日が1日だけの週は、その翌日に飲む量が増える日が、自分には目立ちました。「昨日は飲まなかったから、今日は少し多めでもいいか」という気持ちが働いていたのだと思います。これは自分ひとりの傾向で、他の人にも当てはまるとは言えません。

翌朝の点数は、あくまで参考にする

翌朝の体調は、睡眠時間や仕事の疲れにも左右されます。飲まなかった日の翌朝の点数が高いこともあれば、そうでないこともあります。1日や2日の差で結論を出さず、数週間の傾向として見るようにしています。

研究を読むときに、自分が気をつけていることはありますか

「関連」と「原因」を分けて読みます

先ほどの研究は、飲酒量と死亡の関連を示したもので、その量が原因だと証明するものではありません。年齢や喫煙などの影響を統計的に調整していても、すべての違いを取り除けるとは限りません。自分は、数字を読むときに、「この研究が調べたのは何か」「調べていないのは何か」を、先に書き出すようにしています。

要旨だけで判断しない

今回、自分が確認したのは、J-STAGEの要旨ページと、e-ヘルスネット、厚労省のガイドラインです。論文の本文までは読んでいないので、細かい条件の違いや、解析の限界までは確認できていません。気になる方は、本文や、専門家の解説もあわせて確認してください。

「それっぽい数字」を見つけたら出所を探す

ネット上には、「休肝日は連続2日が正解」といった言い方が数多くあります。そのなかに、出所の分かる数字があれば、確認する価値があります。出所が分からなければ、「そう言われている」というレベルで受け止めるのが、自分の基準です。

例外と注意点は、どんなものがありますか

毎日飲んでいて、飲まない日がつらい人

飲まない日にひどくつらい症状が出る、手が震える、眠れないといったことがある場合は、急に飲酒を減らすのは危険なこともあります。自己判断をせず、早めに医師や相談窓口に相談してください。

「飲まない日の分、飲む日に多く飲む」のは避ける

飲まない日を作っても、飲む日に量を増やしてしまうと、意味が薄れてしまいます。1日の量の目安を、先に決めておくことが前提です。

数字に縛られすぎない

連続2日にこだわりすぎて、崩れた日に自分を責める必要はありません。1日崩れたら、翌日から戻せば十分です。確認できた根拠が「週1日以上」「毎日続けない」である以上、連続日数は、自分の生活に合う範囲で決めてよい、というのが、今の自分の考えです。

要点: 毎日飲んでいる人は自己判断せず相談し、飲む日の量を増やさず、数字に縛られすぎないことが大切です。

よくある質問

Q1. 休肝日は、2日連続のほうが効果がありますか。

自分が確認した公的資料の範囲では、連続のほうが効果的だと示す記載は見つかりませんでした。e-ヘルスネットでは、週に1日以上飲まない日を設けることが推奨されています。

Q2. 週に何日、休肝日を作ればいいですか。

e-ヘルスネットでは週に1日以上、厚労省のガイドラインでは飲まない日を設けることが挙げられています(p.4〜5)。週に何日が最適かは、個人の状態によるので、医師と相談してください。

Q3. 連続で飲まないほうが、肝臓の数値は下がりますか。

連続日数と肝臓の数値の関係を直接調べた資料は、今回確認できませんでした。数値が気になる場合は、健診の結果をもとに、医師にご相談ください。

Q4. 週末だけまとめて飲むのは、問題ありませんか。

量が多いとリスクが高く出る関連は、研究で確認されています(J-STAGE要旨ページ)。まとめ飲みの是非は、1日の量の目安を超えないことが前提になると、自分は考えています。

Q5. 記録は、何から始めればいいですか。

日付、飲んだ量、翌朝の体調の3つから始めてください。1週間だけでも、傾向が見えてきます。

最後に、今夜できることをひとつだけ。メモ帳を開いて、今週の飲んだ日と飲まなかった日を、日付順に書き出してみてください。連続で飲まなかった日が何日あったか、数えるだけで構いません。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。数値の見方や飲酒の可否は、医師にご確認ください。