「ホルモンのせいだ」で終わらせなくなった理由
30代後半まで、月の後半になると決まって気分が沈んで、甘いものとお酒が止まらなくなる時期がありました。振り返ってみると、あの「ざわざわ感」はホルモンの波だったんだなってわかるのですが、当時はただ「自分がだらしないから」と思っていました。
断酒をはじめて1年ほど経ったころ、ノートに体調と気分を書き続けていると、不思議なことに気づきました。「この重だるさ、先月の同じ週にも書いてある」。周期と体調がくっきり重なって見えてきたんです。それからは「ホルモンのせいだ」で片づけるのではなく、周期に合わせて先手を打てるようになりました。
5年やってみて気づいたのは、お酒を手放したことで「自分の体の声」がずっと聞き取りやすくなったということ。アルコールが体内のホルモンバランスに影響を与えることはよく知られていますが、私の場合は飲まなくなってから、周期のパターンがはっきり見えるようになりました。今日はその実践をチェックリスト形式でまとめてみます。
まず知っておきたい「4つのフェーズ」と体調の傾向
女性の月経周期は大きく4つのフェーズに分けて考えると、体調管理がぐっと具体的になります。私のノートでは、この4フェーズに沿って毎日の記録を色分けしています。
フェーズの基本マップ
- 月経期(1〜5日目ごろ):体が内側に向かう時期。鉄分や温めが効きやすい。
- 卵胞期(6〜13日目ごろ):エストロゲンが上がり、体も気分も動きやすくなる。私はこの時期が一番ノートの文字が多い。
- 排卵期(14日目前後):短いけれど、エネルギーのピーク。新しいことを試すのに向いている。
- 黄体期(15〜28日目ごろ):プロゲステロン優位になり、むくみやすく、気分の波が出やすい。以前はここでお酒に手が伸びていた。
このマップを頭に入れておくだけで、「なんか今日しんどい」が「黄体期後半だから水分が溜まりやすい時期だな」に変わります。感情に飲み込まれにくくなるんです。
断酒×ホルモン周期、実践チェックリスト8
以下は、私が5年間のノートから「これは効いた」と感じた習慣を選んだ8項目です。全部いっぺんにやる必要はありません。今の自分のフェーズに合うものから試してみてください。
月経期・卵胞期に仕込む4項目
- 月経1日目に「今月のフェーズカレンダー」をノートに引く
スマートフォンのアプリでもいいけれど、私は手書きが好きです。カレンダーに4つのフェーズをざっくり書き込むだけで、「今週はどんな週か」が一目でわかります。予測が立つと、体調の変化に慌てなくなります。 - 卵胞期のうちに「黄体期の乗り越えメモ」を書いておく
気分が安定していて文章が書きやすい卵胞期のうちに、「黄体期に落ち込んだときどうするか」を先に書いておく。「ハーブティーを飲む」「15分だけ散歩する」「ノートに愚痴を3行書く」など、具体的な行動を3つほど。しんどいときに自分で考えるのは難しいから、元気なときに仕込んでおく作戦です。 - 卵胞期に「今月試したいウェルネス習慣」を1つだけ決める
新しい習慣を始めるなら、体が動きやすい卵胞期が向いています。「今月は朝ストレッチを追加してみよう」など、小さく1つだけ。欲張って複数入れると、黄体期に全部崩れます。これは5年かけて学びました。 - 排卵日前後に「水分摂取量」を意識的に増やす
排卵期を過ぎると体が水分を溜め込みやすくなります。それを見越して、卵胞期後半から意識的に水をしっかり飲む習慣をつけておく。飲まない選択をしているからこそ、体の水分の動きが感じ取りやすくなっています。
黄体期・月経期に使う4項目
- 黄体期前半に「睡眠時間を30分だけ長くする」設定をする
プロゲステロンが体温をわずかに上げるせいか、この時期は眠りが浅くなりがちです。アルコールは睡眠の質をさらに下げるので、飲んでいた頃はとにかく朝がつらかった。今は眠りの変化をノートに記録しながら、就寝を30分早めるだけで翌朝の感触がかなり違います。 - 黄体期後半の「むくみ日」に体重計の数値を信じすぎない
この時期は体重が1〜2kg増えることがあります。以前は「また太った」と落ち込んでいたけれど、それが水分の動きだとわかってからは動揺しなくなりました。ノートに「むくみ期」と書いておくだけで、数値に惑わされなくなります。 - 「ざわざわ感が来たら3行だけ書く」ルールを持つ
黄体期のPMS的な気分の波が来たとき、私は「今日の天気・体の感覚・気分を一言」の3行だけノートに書きます。書くことで「今、自分はこういう状態にいる」と少し距離が取れる。飲んでいた頃はお酒でその感覚を流していましたが、今は書いて受け取る方が翌日の回復が早い気がしています。 - 月経がはじまったら「先月の黄体期ノート」を読み返す
月経がはじまるとホルモンの波が落ち着いて、気分がすっきりすることが多いです。その静けさのなかで先月のしんどかった記録を読み返すと、「ああ、あのときはホルモンの谷にいたんだな」と冷静に見えます。振り返ってみると、この「読み返し」が一番長く続いている習慣かもしれません。記録が自分の地図になっていく感覚があります。
ノートが「飲まない選択」の土台になった
5年やってみて気づいたのは、記録を続けることと飲まない選択は、思っていたより深いところでつながっているということです。ノートを書くには、自分の状態を少しだけ客観的に見る必要があります。その「見る」習慣が、ホルモンの波に飲み込まれそうなときにも「今は黄体期後半だな」と立ち止まれる力になっています。
お酒を飲んでいた頃は、体の波を感じるより先に感覚をアルコールで塗り替えていました。飲まなくなってから、自分の周期のパターンがくっきり見えてきた。それは、体がずっと送り続けていたサインをようやくちゃんと受け取れるようになった、ということだと思っています。
40代に入って、ホルモンの変化はさらに緩やかに大きくなっています。でも今は「波が来ている」とわかるだけで、随分と構えが違います。チェックリストを全部こなすことより、まず1つ、自分の周期に関心を向けてみることがはじまりだなって思うんです。
※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。体調に気になる点がある場合は、医師や専門家にご相談ください。

