結論から言うと、自分が週末の晩酌でいちばん効いたと感じているのは、飲み始めの時刻ではなく、飲み終わりの時刻を先に決めることでした。もう一つ、胃に食べ物があると吸収がゆるやかになるとされるため(e-ヘルスネット 血中アルコール濃度)、食事を先に始めることも欠かしません。飲み始めは予定に左右されますが、終わりの時刻は自分で置けます。アルコールは一時的に寝つきをよくする一方で、深いノンレム睡眠を減らし、中途覚醒を増やすなど睡眠の質を下げるとされているからです(e-ヘルスネット 快眠と生活習慣)。この記事では、ある土曜日の一日を時系列でたどりながら、終了時刻から逆算する段取りを紹介します。

自分は30代の男性で、週4日は飲まず、飲むのは週末の2日だけという運用をしています。Apple Watchとアプリで記録していて、ログを取ると、量よりも「だらだら続く時間」のほうが翌朝に響いていることに気づきました。たとえば缶を2本空けた夜でも、21時台に終えた日と、日付が変わるまで続いた日では、翌朝の起きやすさがまるで違ったのです。数値で測ると、自分の感覚と実際の経過時間にはずれがありました。

土曜17時30分、買い物かごに入れたのは缶1本とお茶

土曜の夕方、スーパーのかごに入れるのは、ビール350mlが1本と、無糖の炭酸水です。買う時点で量が決まっていると、夜に迷う余地が減ります。

その1本は、純アルコール何gなのか

厚生労働省のガイドラインでは、純アルコール量(g)は「摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8」で求めます。500ml・5%のビールなら20gです(厚生労働省 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン)。同じ式で350ml・5%を計算すると14gになります。

飲み物

計算式

純アルコール量

ビール 350ml(5%)

350×0.05×0.8

14g

ビール 500ml(5%)

500×0.05×0.8

20g

日本酒 1合 180ml(15%)

180×0.15×0.8

21.6g

ワイン 120ml(12%)

120×0.12×0.8

約11.5g

図: 飲み物ごとの純アルコール量(厚生労働省ガイドラインの式で筆者が算出)

要点: 買う段階で量を決め、式で純アルコール量に直しておきます。

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18時30分、先に食べる。食事は飲む前か、飲みながら

最初の一口の前に、夕食の半分ほどを食べ始めます。ガイドラインでも、飲酒前または飲酒中に食事をとることが、飲み方の工夫として挙げられています(厚生労働省 ガイドライン)。

グラスの横に、水を置く

もう一つ、ガイドラインには飲酒の合間に水や炭酸水を飲むことも書かれています。自分は買ってきた炭酸水を、ビールのグラスの横に必ず置きます。水が酔いを止めるわけではありませんが、一口ごとの間が空くので、ペースが自然に落ちます。

飲み始めの時刻は、あえて固定しない

時刻を固定しようとすると、予定が少し押しただけで「今日は失敗だ」と感じてしまいます。完璧な時間割を目指すより、崩れても戻れる軸を一つだけ持つほうが、週末の2日は続きました。

友人から連絡が来て、19時開始になる土曜もあれば、20時半になる土曜もあります。だから開始は固定しません。代わりに固定するのは、次の項目です。

  • 1回に飲む純アルコール量の上限(この日は14g+もう少し飲むなら合計で20gまで)
  • 飲み終わりの時刻(この日は21時30分)
  • 水を飲むタイミング(一口ごと、またはグラスが空くたび)
  • 最後の一杯を決めるルール(缶を空けたら片づける)

要点: 飲み始めは固定せず、量・終了時刻・水・片づけの4つを先に決めます。

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21時30分、飲み終えて片づける

終了時刻を先に置く理由は、寝る時刻から逆算できるからです。自分は23時台に布団に入ることが多いので、その前に飲み終え、グラスを洗ってしまいます。

体重70kgなら、14gの分解に約2時間という計算

e-ヘルスネットによると、1時間に分解できるアルコールの量は「体重×0.1g程度」です(e-ヘルスネット アルコールの吸収と分解)。これを当てはめると、体重70kgの人は1時間に約7gです。350mlのビール14gなら約2時間、500mlの20gなら3時間近くかかる計算になります。ただし同じページに実際の分解速度には大きな個人差があるとも書かれているので、あくまで目安として使います。

睡眠研究が教えてくれる、前半と後半の違い

アルコールと睡眠の研究をまとめた2013年のレビューでは、アルコールは寝つくまでの時間を短くし、夜の前半は睡眠が深くなる一方で、後半は睡眠が乱れやすくなると整理されています。また、レム睡眠は量に応じて影響を受け、中等量以上では総量が減るとされています(Ebrahim et al. 2013 Alcohol Clin Exp Res)。ガイドラインにも、飲酒により眠りが浅くなり、睡眠リズムを乱すことがあると書かれています(厚生労働省 ガイドライン)。

つまり、寝つきが良く感じる夜でも、後半に響く可能性があるということです。この研究は睡眠の実験をまとめたもので、「何時間前に飲み終えればよい」という具体的な基準を示すものではありません。そのため自分は、数字ではなく「寝る直前まで飲み続けない」という原則だけを借りています。

要点: 前半は眠れても後半が乱れやすい。だから寝る直前まで飲み続けない設計にします。

日曜朝7時、ログで答え合わせをする

翌朝、Apple Watchの睡眠記録を開きます。前の週に終了時刻を決めずに飲んだ夜と、決めて飲んだ夜を並べると、夜中に目が覚めた回数の記録は後者のほうが少ない印象でした。ただし、これは自分1人の数週間の記録で、天気や疲れ、食事の内容も違います。数値で測れるのは自分の傾向までで、誰にでも当てはまるとは言えません。

記録は3項目だけに絞る

続けるために、記録は次の3項目だけにしています。

  1. 飲んだ量(純アルコール量に直したg)
  2. 飲み終えた時刻
  3. 翌朝の体感(一言だけ)

要点: ログは量・終了時刻・翌朝の一言の3つで十分です。

よくある質問

飲み始めの時刻は、遅くても問題ありませんか?

時刻そのものを評価した資料は、今回確認できていません。ただ、遅く始めると終了も遅くなりやすいので、先に終了時刻を決めておくと崩れにくくなります。

食事と一緒なら、量は増やしても大丈夫ですか?

増やしてよいとは言えません。ガイドラインは、食事をとることを工夫の一つに挙げていますが、量の目安は別に示されています。生活習慣病のリスクを高める量は、1日あたり男性40g以上、女性20g以上です(厚生労働省 ガイドライン)。

終了時刻を過ぎてしまったら?

その日は片づけて、次の週に時刻を少し早めに置き直します。破ったことを責めるより、ログに残して原因を見るほうが続きます。

一時多量飲酒とは何ですか?

1回の飲酒機会で純アルコール60g以上を指し、ガイドラインでは外傷の危険性も高めるため避けるべきとされています(厚生労働省 ガイドライン)。

次の土曜は、飲み始めの予定より先に、終わりの時刻をスマホのメモに書いてみませんか。それだけで、夜の見え方が変わります。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。