飲んでいた時間帯が、いちばん長く感じました
断酒をはじめた頃、私にとっていちばん長かったのは、夕食を終えてから眠るまでの数時間でした。昼間は仕事や家事があるので、意外と平気なんです。ところが、夕食が終わって一息つくと、手が冷蔵庫のほうへ向かう。そこで何をするかが決まっていないと、時間がぽっかり空いてしまうんだなって、そのとき気づきました。
5年やってみて気づいたのは、断酒は「飲まない」ことよりも、「飲んでいた時間に何をするか」の問題に近いということです。この記事では、私が夜の時間割をどう決めているか、そして記録ノートがどう役に立っているかを書きます。結論を先に言うと、夕食後の空白を作らず、入浴・手を動かす時間・3行の記録という順番を先に決めておくと、夜はずっと過ごしやすくなりました。記録については、厚労省のe-ヘルスネット(女性編の解説書)でも、毎日の飲酒量を「飲酒日記」に書き、1〜2週間ごとに振り返ることが勧められています(厚労省 お酒のたしなみ方 女性編)。私のノートは飲酒量ではなく体調と気分の記録ですが、続け方の考え方は同じです。入浴のタイミングについては、厚労省の睡眠のリーフレットに、就寝1〜2時間前に入浴して体温を一度上げると眠りにつきやすくなると書かれていて(厚労省 睡眠リーフレット(2026年9月版))、時間割の軸にしています。
先に大事なことを書いておきます。長く毎日飲んでいた方が、急に量をゼロにすると、体に症状が出ることがあります。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、お酒を止めたり減らしたりすると、不眠、発汗、手のふるえ、血圧上昇、不安、いらいら感などが現れ、重い場合は幻覚やけいれん発作が起こることもあると説明されています(e-ヘルスネット「アルコールと依存」)。心当たりのある方は、ひとりで始めず、医療機関に相談してください。この記事は、そうした相談を前提にした上での、日常の過ごし方の話です。
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夜を「空白」にしないための時間割
私の夜は、4つのブロックでできています
飲んでいた頃は、夕食後がまるごと「飲む時間」でした。それを別のものに入れ替えるため、夜を4つのブロックに分けています。時刻は私の暮らしの例で、誰にでも当てはまる基準ではありません。
18:30 夕食20:00 入浴21:00 手を動かす22:30 ノート記録私の暮らしの例(時刻は目安)。出典なしの個人の運用です大切なのは、夕食後の空白を作らないこと
図: 私の夜の時間割(個人の運用例。医学的な基準ではありません)
「手を動かす」時間が、いちばん効きました
21時ごろの「手を動かす」は、編み物、料理の作り置き、パズル、部屋の片づけなど、その日の気分で選びます。画面を見るだけの時間より、手を使う時間のほうが、飲みたい気持ちが静かになる気がしています。これは私の感覚で、人によって合う合わないがあります。
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記録ノートが、5年のあいだ支えになりました
書くのは3行だけです
毎晩ノートに書くのは3行です。今日の体調、気分、飲みたい気持ちの強さ。それだけ。長く書こうとすると続かないので、あえて短くしています。
振り返ると、自分の傾向が見えます
1か月分をまとめて読み返すと、「疲れた日の夕方に気持ちが揺れる」「月の前半よりも後半に揺れやすい」など、自分のパターンが見えてきます。パターンがわかると、揺れそうな日の夜だけ時間割を厚くするなど、先回りができます。
つらい日の乗り切り方は、先に決めておきます
飲みたい気持ちが強い夜のために、私は「その日だけの小さな約束」を先にノートに書いています。たとえば、冷たい炭酸水を用意する、早めにお風呂に入る、寝る前に温かい飲み物をいれる。大がかりなことは決めません。
もうひとつ、つらさが続くとき、眠れない夜が続くとき、体に不安な症状が出るときは、自分だけで何とかしようとせず、かかりつけ医や専門の医療機関に相談します。これは我慢強さの問題ではなく、安全のための選択だと思っています。
つらい夜のための小さなチェックリスト
揺れそうな夜は、次の4つを順番に見ます。
- 夕食は食べたか。空腹だと気持ちが揺れやすいと感じています。
- 今夜やることは決まっているか。時間割の空白を探します。
- 冷たい炭酸水や温かい飲み物は用意したか。
- 話を聞いてもらいたい人に、短いメッセージを送れるか。
どれも、私の経験から作ったもので、医学的に効果が確かめられたものではありません。自分に合うものだけ使ってください。
よくある質問
夜に飲みたくなったら、どうしていますか。
まず時間割のブロックを1つ前倒しして、お風呂や手作業に移ります。それでも強いときは、ノートに気持ちを書いてから、炭酸水を飲みます。
記録ノートは、何を使っていますか。
特別なものではなく、普通のノートです。1日3行なので、薄いものでも数か月使えます。
眠れない夜が続くときは。
眠れない夜が続く、体に不安な症状が出るときは、かかりつけ医や専門の医療機関に相談してください。
5年目の夜のこと
今の私の夜は、飲んでいた頃の夜と、まるで違う時間になりました。静かで、少し長くて、でも自分のものだなって思うんです。
もちろん、ずっと平らな道だったわけではありません。揺れる夜はいまでもあります。ただ、時間割とノートがあるので、揺れてもすぐに戻ってこられます。
もしいま、夕食後の時間が長く感じている方がいたら、まず夜の最初の1時間だけ、飲んでいた頃とは違うことを入れてみてください。それだけで、夜の風景は少し変わります。
※本記事は個人の体験をまとめた一般情報であり、医療的助言ではありません。

