結論から言うと、市場は伸びていますが、まだ酒類全体の1%です
結論から言うと、日本のノンアルコール飲料市場は2024年時点で約4,584万ケース、前年比111%と伸びており、10年前と比べるとおよそ1.6倍の規模になっています。ただし、この数字は国内酒類市場全体からすると、まだわずか1%程度に過ぎません。伸びているのは事実ですが、市場としてはまだ拡大の途中段階にあるというのが、数字を見たうえでの結論です。
自分はApple WatchとUntappdで飲酒量を可視化しながら、週4日は休肝日、週末2日だけ飲酒という運用をしています。データで見るのが好きな性分なので、今回は自分の飲酒ログと同じ感覚で、メーカー各社が公表しているノンアルコール市場のデータを数字で追ってみました。まずは市場規模の測り方を整理し、続いて推移とメーカーの動向を数字で見て、最後に自分のログと重ねて感じたことまで書いていきます。
要点: ノンアルコール市場は2024年に約4,584万ケース、前年比111%、10年で1.6倍に拡大していますが、国内酒類市場全体のわずか1%にとどまっています。
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市場規模の数字を読む前に、前提をそろえます
市場規模は「ケース数」で語られることが多いです
ノンアルコール飲料の市場規模は、金額よりも「ケース数」(1ケース=大びん20本換算などの業界単位)で語られることが多いです。今回参照したサントリーの調査レポートでも、2024年の市場規模は約4,584万ケース、前年比111%とケース数ベースで示されています(サントリー「ノンアルコール飲料レポート2025」)。金額ではなく数量で見ることで、単価の変動に左右されずに市場の伸びを追えるのが利点です。
「酒類全体の1%」という数字の意味を整理します
市場が伸びていると聞くと大きな規模を想像しがちですが、ノンアルコール飲料市場は国内酒類市場全体からするとまだ約1%程度とされています。裏を返せば、残り99%の市場にまだ入り込む余地があるということでもあり、メーカー各社が力を入れている理由もここにあります。自分はこの数字を見たとき、家計簿で「変動費のうち嗜好品費が1%」と言われたときの感覚に近いなと思いました。小さく見えて、伸びしろとしては軽視できない割合です。
比較対象となる国内酒類市場全体の統計は、国税庁が毎年公表している「酒レポート」で確認できます(国税庁「酒レポート」)。品目ごとの課税数量が細かく公表されているので、ノンアルコール飲料の伸びを、酒類全体の中でどう位置づけるかを自分で確認したい方は、あわせて見てみると理解が深まると思います。
ノンアルコール飲料市場規模の推移2024年 … 約4,584万ケース(前年比111%)2025年予測 … 約4,730万ケース(前年比103%)出典: サントリー「ノンアルコール飲料レポート2025」
図: ノンアルコール飲料市場規模の推移(ケース数ベース)
選ばれる理由も、数字で見ることができます
なぜ今ノンアルコール飲料が選ばれているのかも、調査では数字として示されています。ある調査では、選ぶ理由の上位に「健康志向」が24.8%、「飲みやすさ」が24.5%という結果が報告されています(「日本のノンアルコール市場、4年で何が変わったか」alt-alc.com 2026年3月11日)。ほぼ同じ割合で並んでいるのが面白いところで、健康のためだけでなく、単純に「おいしくなったから飲みやすい」という理由が同じくらいの重みを持っているのがわかります。自分自身、休肝日にノンアルコールビールを選ぶ理由を振り返ると、確かにこの2つがちょうど半々くらいの感覚です。
要点: 市場規模はケース数で語られることが多く、2024年は約4,584万ケースで国内酒類市場全体のわずか1%程度にとどまっています。選ばれる理由も健康志向と飲みやすさがほぼ同じ割合を占めています。
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数字で見る推移と、この先の予測です
10年で1.6倍という伸び方をしています
サントリーの調査によると、ノンアルコール飲料市場はこの10年でおよそ1.6倍の規模に拡大しました(サントリー「ノンアルコール飲料レポート2025」)。2025年についても、市場全体では前年比103%という予測が示されています。急激な右肩上がりというよりは、着実に積み上げてきた10年だったという印象です。
2030年には5,600万ケースという予測もあります
さらに先を見ると、2030年には市場規模が5,600万ケース程度まで拡大するという予測も報じられています(「日本のノンアルコール市場、4年で何が変わったか」alt-alc.com 2026年3月11日)。2024年の約4,584万ケースから2030年の5,600万ケースまでを単純に割り算すると、年平均でおよそ3%台の伸びが続く計算になります。急拡大というより、じわじわと積み上がっていくタイプの成長曲線と見るのが実感に近そうです。
要点: 市場は10年で1.6倍に拡大し、2030年には5,600万ケース程度まで伸びるという予測もありますが、伸び方は緩やかです。
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メーカー各社の動きを、数字で見てみます
キリンは2026年、ノンアル部門で38%増を目標にしています
メーカーの動きの中でも目を引くのが、キリンの目標数値です。キリンビールの2026年事業方針では、ノンアルコール分野の販売数量目標を前年比38%増と設定しています。2025年の伸び率が前年比10%程度だったことを踏まえると、大きく踏み込んだ目標であることがわかります(キリンホールディングス「2026年 キリンビール事業方針」)。同社が2025年に発売した「ラガーゼロ」は、初年度の販売目標に対して約110%にあたる55万ケースを売り上げたとされており、この勢いを踏まえての強気の目標のようです。
サントリーはマーケティング費用を1.3倍に増やしています
サントリーも動きを強めています。2025年のノンアルコール飲料活動方針では、マーケティング費用を前年比およそ1.3倍の約50億円に引き上げ、新しいサワーテイスト飲料や「複雑な味わい」を打ち出す商品を投入する計画が示されています(サントリー「2025年ノンアルコール飲料活動方針」)。2025年の販売数量目標は、市場全体の予測103%に対して自社では110%を目指すとされており、市場平均を上回る成長を狙う姿勢が数字に表れています。
「脱アルコール製法」という技術面の動きもあります
キリンの「ラガーゼロ」は、同社が初めて採用した「脱アルコール製法」でつくられている点も注目ポイントです。これまでのノンアルコールビールの多くは、最初からアルコール度数を抑えて醸造する方式が中心でしたが、いったん通常の製法でビールをつくったうえでアルコール分を取り除く方式は、味わいの再現性を高める狙いがあるとされています。数字の面でも技術の面でも、各社が「代替品」ではなく「主力商品」としてノンアルコールビールに向き合い始めているのが伝わってきます。
要点: キリンは2026年にノンアル部門で前年比38%増、サントリーはマーケティング費用を1.3倍に増やすなど、各社が市場平均を上回る成長を狙っています。製法面でも「脱アルコール製法」のような新しい技術投資が進んでいます。
自分のログと、市場データを重ねてみます
Untappdの記録と、市場の伸び率が近い動きをしていました
自分はUntappdに飲んだものを記録しているのですが、この1年でノンアルコールビールを記録した回数を数えてみたところ、前年に比べて増えていました。市場全体の前年比111%という数字と比べると、自分の増え方はそれよりもう少し大きかった印象です。データ好きとしては、こういう自分のログと世の中のデータを照らし合わせる作業が、地味に楽しい時間になっています。
「代替品」から「積極的な選択」への変化を自分も感じています
サントリーの調査では、月1日以上ノンアルコール飲料を飲む人のうち、約7割が「何かの代替ではなく積極的に選んでいる」と回答したと報告されています(サントリー「ノンアルコール飲料レポート2025」)。自分自身、休肝日にノンアルコールビールを選ぶとき、以前は「飲めないから仕方なく」という感覚がありましたが、今は単純に「今日はこの銘柄を試したい」という積極的な理由で選ぶことが増えました。この変化は、数字だけでなく自分の実感としても納得できるものでした。
飲むシーンも、家から外へ広がっています
もう一つ感じているのが、飲むシーンの広がりです。以前は家で一人で飲むイメージが強かったノンアルコールビールですが、最近は友人との集まりや飲み会の場でも選ばれる機会が増えているとされています。自分自身、ゴルフのあとの一杯や、友人との食事会でノンアルコールを選ぶ場面がこの1年で明らかに増えました。市場データの「飲用シーンが家庭から外へ広がっている」という傾向は、自分のログとも重なる実感です。
要点: 自分のログでもノンアルコールビールの記録回数は増えており、市場調査が示す「積極的な選択」への変化や飲用シーンの広がりを実感として裏づけています。
データを読むときの注意点です
メーカー自主調査には前向きなバイアスがかかりやすいです
今回参照したデータの多くは、メーカー自身が公表している調査や事業方針です。自社の取り組みを説明する資料である以上、成果や成長性を前向きに伝える傾向があることは踏まえておく必要があります。第三者機関による調査と数値が異なる場合もあるので、複数の情報源を照らし合わせる姿勢を自分は大事にしています。
将来予測はあくまで予測です
2030年の5,600万ケースという数字も、あくまで現時点での予測であり、確定した数字ではありません。経済状況や消費者の嗜好の変化によって、予測より伸びることも、下振れすることもあり得ます。数字を見るときは「予測」と「実績」を分けて捉えることを意識しています。
ケース数と店頭での実感には差が出ることもあります
もう一つ気をつけているのが、市場全体のケース数と、自分が店頭やSNSで感じる盛り上がりとの間にズレが出ることがある点です。新商品が話題になっていても、それが市場全体の数字に反映されるまでにはタイムラグがあります。逆に、地味に売れ続けている定番商品が市場規模の土台を支えているケースも多く、話題性と実際の販売数量は別物として見るようにしています。
要点: メーカー自主調査には前向きなバイアスがかかりやすく、将来予測はあくまで予測であることを踏まえて数字を読む必要があります。話題性と実際の販売数量のズレにも注意が必要です。
よくある質問
ノンアルコール市場はこれからも伸び続けますか
現時点の予測では緩やかな成長が続くとされていますが、確定した未来ではありません。今後の消費者調査や各社の決算資料を継続して追っていく必要があります。
なぜ市場規模はケース数で語られることが多いのですか
金額ベースだと単価の変動(値上げなど)の影響を受けやすいため、数量ベースのケース数のほうが市場そのものの伸びを比較しやすいという理由があると考えられます。
メーカーによって数字にばらつきはありますか
あります。各社が公表するのは基本的に自社の実績や目標であり、市場全体の推定値は調査会社や媒体によって幅があります。今回はサントリーの公表データを中心に、複数の情報源を照らし合わせて紹介しました。
「酒類全体の1%」という数字は今後も変わりませんか
伸び続ければ比率は上がっていく可能性がありますが、酒類市場全体の規模自体も変動するため、単純な予測は難しいところです。今後の推移を継続してウォッチしていきたいと思っています。
個人の消費データと市場データ、どちらを信じればいいですか
どちらも「事実」ではありますが、指しているものが違います。自分の消費行動を知りたいなら個人のログ、業界全体の流れを知りたいなら市場データ、というふうに使い分けるのがおすすめです。
ノンアルコールビール以外の市場も伸びていますか
サワーテイストやワインテイストなど、ビール以外のノンアルコール飲料も新商品が増えている印象です。今回はビールテイストを中心にデータを紹介しましたが、カテゴリごとの伸び方には違いがあると考えられるので、機会があれば別の記事でも取り上げたいと思っています。
メーカーの目標数値と、実際の市場規模はどう違いますか
メーカーの目標数値は各社が「自社としてどれだけ伸ばしたいか」という意思を示す数字で、市場規模は業界全体の実績や推計を指します。両方を並べて見ることで、どのメーカーが市場平均より強気に出ているかが見えてきます。
自分の飲酒ログをつけている方は、この機会に市場データと照らし合わせてみると、思わぬ発見があるかもしれません。次回は各社の新商品を実際に記録しながら比較してみたいと思います。
※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。

