結論から言います。週3日抜いて体重が動くのは、エネルギーが消えるからです

結論から言うと、週3日お酒を抜いて体重が動く場合、その主な理由は肝臓が回復したからではなく、飲酒由来のエネルギーが週単位で消えるからです。アルコールは1グラムあたり7.1kcalを生じます(e-ヘルスネット「アルコールのエネルギー(カロリー)」)。ビール500ml(5%)なら純アルコールでおよそ20g、それだけで140kcal前後。これを週3日ぶん止めれば、週400kcal超が自動的に減ります。肝臓の回復はそれとは別の話で、別の時間軸で進みます。

自分はApple Watchと飲酒ログアプリで1年ぶん記録を取り、それを全部kcalに変換して確かめました。この記事では、その計算の手順と、計算がどこまでしか言えないかを両方書きます。数字で測ると、期待していいことと期待しすぎてはいけないことが、かなりはっきり分かれます。

要点: 週3日抜いて体重が動く主因はエネルギーの減少で、肝臓の回復とは別の話です。

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木曜の夜、冷蔵庫の前で数字が変わった

開けるかどうかを決めていたのは、その日の気分でした

去年の木曜日の話です。仕事を終えて帰宅し、冷蔵庫を開けたところで手が止まりました。今週はもう2日飲んでいる。でも木曜だし、明日も仕事だし、という理屈にもならない理屈が頭の中を回っていました。結局その日は開けました。翌朝の睡眠スコアが普段より低かったことだけをよく覚えています。

当時の自分は「飲む日」と「飲まない日」を気分で決めていました。記録は取っていたものの、見ていたのは日ごとの数字だけです。週でいくつ、という見方をしていませんでした。

週単位で足し算したら、景色が変わりました

転機は、ログアプリの書き出し機能でCSVを取り、表計算に流し込んだ日です。日ごとの純アルコール量を週で合計したら、自分が思っていたより3割ほど多い数字が出てきました。1日ずつ見ていると「今日はこのくらい」で済むのに、7日ぶん積むと違う量に見えるのです。

そこから、飲まない日を週3日に固定しました。気分で決めるのをやめて、曜日で決めた。それだけです。詳しい進め方は飲まない日のリズムをログで見つけた記録にも書きましたが、この記事で扱いたいのは、そのあと体重がどう動いたかという話です。

要点: 日ごとではなく週で足し算すると、自分の実際の量が初めて見えてきます。

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何が減っているのかを、計算で分解します

まず純アルコール量を出す式を押さえます

純アルコール量は、飲んだ量(ml)×アルコール度数(%)÷100×0.8 で出ます。厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」にこの式が示されています(厚生労働省 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン)。ビール500mlで度数5%なら、500×0.05×0.8で20gです。

そしてアルコールは1グラムあたり7.1kcalを生じます(e-ヘルスネット「アルコールのエネルギー(カロリー)」)。20g×7.1で、ビール500ml1本のアルコール由来エネルギーはおよそ142kcalという計算になります。ここに麦芽由来の糖質などが乗るので、実際の1本はもう少し上です。計算の手順そのものは純アルコール量の計算方法をまとめた記事に早見も置いています。

週3日抜くと、どれだけ消えるのか

自分の飲酒パターンを例に、素直に計算してみます。

  • 毎日ビール500mlを1本飲んでいた場合、1日あたりアルコール由来で約142kcal
  • 週3日抜けば、週で約426kcalが消える
  • 4週間で約1,700kcal
  • 加えて、飲む日に食べていたおつまみのぶんが減る(こちらは人によって幅が大きい)

数字の前提を変えると結果も変わります。ビールではなく日本酒1合(180ml・15%)なら純アルコールはおよそ21.6gで、アルコール由来のエネルギーは約153kcal。ハイボール1杯(ウイスキー30ml・40%)なら純アルコール約9.6gで約68kcalです。いずれも厚生労働省のガイドラインが示す式(量×度数÷100×0.8)と、1gあたり7.1kcalから計算したものです。同じ「1杯」でも倍以上の開きがあるので、週の合計を出すときは杯数ではなくmlと度数で記録する必要があります。自分がログの項目を銘柄から「ml・度数」に変えたのは、この開きに気づいてからでした。

ビール500ml(5%) = 純アルコール20g = 約142kcal毎日飲む週 = 約994kcal週3日抜く週 = 約568kcal差 = 週あたり約426kcal(4週で約1,700kcal)※純アルコール量は 量(ml)×度数(%)÷100×0.8、アルコールは1g=7.1kcalで算出※おつまみ・糖質由来のエネルギーは含みません

図: ビール500mlを毎日飲む週と、週3日抜く週のアルコール由来エネルギー比較(厚生労働省の式と1g=7.1kcalから算出)

kcalを体重に直すときは、そこで止めるべきです

ここからが、自分がいちばん言いたいところです。減ったkcalを「だから何kg痩せる」と機械的に体重へ換算するのは、やめたほうがいいと考えています。

理由は3つあります。ひとつ、飲酒をやめたぶんを別の食べ物で埋めてしまう人が多いこと。ふたつ、体重は水分量でも日によって大きく動くため、短期間の増減では判断できないこと。みっつ、アルコールのエネルギーは通常の栄養素と同じようには扱われないと説明されていること。e-ヘルスネットでも、アルコール自体のエネルギーは体に蓄えられないいわゆるエンプティーカロリーと呼ばれる一方、アルコールを代謝している間は脂肪などが使われずに蓄積されるという説明がされています。

だから自分は、計算で出た「週426kcal」を予測ではなく「上限の目安」として扱っています。実際にどうなるかは、体重計ではなく数週間の移動平均で見る。これが1年やってみての結論です。カロリー計算をもっと詳しく追いたい場合は、禁酒・節酒で何キロ痩せるかをカロリーで計算した記事のほうが踏み込んでいます。

要点: 減るkcalは計算できますが、そこから体重を予測するのは無理があり、上限の目安として扱うのが妥当です。

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肝臓の回復と体重の変化は、別の時間軸で進みます

分解にかかる時間は、飲んだ量で決まります

アルコールの代謝のほとんどは肝臓で行われ、その速度は体格や酵素の遺伝子型、飲酒習慣に左右されます(e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」)。つまり「1日休めばリセット」というほど単純な話ではありません。

週の総量という見方のほうが、実態に合います

飲まない日を作っても検査値が動かない、という話はよく聞きます。自分のログでも、飲まない日を増やした最初の1か月は、飲む日の量が増えていました。3日抜いたぶんを4日に寄せていたわけです。週の総量は、ほとんど変わっていませんでした。この落とし穴については休肝日は意味がないのかを週の総量から整理した記事が詳しいです。

混同すると、期待の掛け違いが起きます

「肝臓を休ませているのに体重が減らない」と感じるとき、多くの場合は2つの別々の話が混ざっています。肝臓の負担は週の総量で決まり、体重は摂取と消費の差で決まる。目的が体重なら見るべきは総kcal、目的が検査値なら見るべきは週の純アルコール総量です。自分はスプレッドシートで列を分けて、両方を別々に追うようにしました。

要点: 肝臓の負担は週の総量、体重は総エネルギーで決まるので、指標を分けて追うと期待がずれません。

週3日をどこに置くか、曜日と時間帯を設計する

曜日の選び方

  • 予定が読める曜日から固定する(自分は月・火・木にしました)
  • 会食が入りやすい曜日は最初から飲む日に割り当てる
  • 3日を連続させない。2日連続までにすると、反動で量が増えにくい
  • 決めた曜日は、その週のうちに振り替えない(振り替えを許すと運用が崩れます)

飲む日の時間帯を前倒しする

飲む日の側にも工夫の余地があります。自分の場合、飲み始める時刻を21時から19時半に前倒ししただけで、1日の本数が自然に減りました。遅い時間に始めると、寝るまでの時間を埋めるために2本目に手が伸びます。早く始めて早く切り上げるほうが、総量のコントロールは楽でした。睡眠スコアも、飲み終わりから就寝までの間隔が長い日のほうが良い数字が出ています。

記録の取り方は、粗くていい

  • 銘柄ではなく「ml」と「度数」だけを記録する(これで純アルコール量が出せます)
  • 週の合計を見る列を作る。日ごとの数字は判断に使わない
  • 体重は毎日測るが、判断は7日移動平均でする
  • 月に1回、週合計の推移だけを眺める時間を5分取る

記録の器を何にするかは好みの問題です。自分は表計算に落ち着きましたが、アプリのほうが続く人も多いはずで、比較はスマートウォッチ派とノート派を比べた記事にまとめています。

要点: 曜日で固定し、飲む日は開始時刻を前倒しし、記録は週合計だけを見るのが続けやすい形です。

うまくいかなかった3か月のログが、いちばん役に立ちました

週3日を始めて最初の3か月、自分の体重はほとんど動きませんでした。記録を見返すと理由ははっきりしていて、飲まない日の夜にアイスを食べていたのです。1本およそ200kcal前後の商品を週3回。計算上、アルコールで減らしたぶんをそのまま埋め戻していました。

もうひとつ見つかったのが、飲む日の量です。週3日抜くと決めた直後の月は、飲む日の平均が500ml1本から1.5本に増えていました。抜いた日の埋め合わせを、飲む日にしていたことになります。この2つを止めたのは4か月目からで、そこから移動平均がゆっくり下がり始めました。

3つ目に見つかったのは、飲む日の食事そのものでした。抜く日は夕食を軽めに済ませているのに、飲む日は揚げ物や麺類が増えている。ログに「食べたもの」の欄を足してから分かったことです。アルコールのエネルギーだけを追っていると、この部分がまるごと視界から外れます。

数値で測ると、うまくいかない理由が「意志が弱いから」ではなく「別のところにkcalが移動しているから」だと分かります。これが記録を取っていていちばん良かった点でした。1年経った今も体重は劇的には変わっていませんが、週の純アルコール総量は当初の6割ほどで安定しています。自分にとってはそちらのほうが大きな成果です。

要点: 体重が動かない理由はたいてい別の場所への移動で、記録があると原因の特定が早くなります。

痩せない場合に疑うこと、当てはまらない人

疑う順番は決まっています

  • 飲まない日の間食が増えていないか(自分の失敗はここでした)
  • 飲む日の量が増えていないか(週合計で確認する)
  • 飲む日の食事量が増えていないか
  • 体重の見方が短期すぎないか(数日の増減で判断していないか)

この4つを順に潰すと、たいていどこかで引っかかります。

順番を守ると、打ち手を間違えません

なぜ順番が大事かというと、原因によって打ち手がまったく違うからです。間食が原因なら買い置きの位置を変えるだけで解決しますが、飲む日の量が原因なら曜日の並べ方から見直す必要があります。自分は最初、体重が動かないのを「運動不足だから」と決めつけてランニングを始めましたが、ログを見返したら答えはアイスでした。遠い原因から手をつけると、効かないうえに疲れます。近いところ、つまり口に入るものから順に潰すのが結局は早道でした。

この記事が当てはまらない場合

体重の話に絞って書いてきましたが、飲酒を減らす理由は体重だけではありません。検査値が目的なら見る指標が変わりますし、そもそも量を減らすこと自体が難しいと感じている場合は、この記事の計算より先に相談できる窓口を探すほうが早いことがあります。体重の観点で説明がつくことと、あらゆる場面で説明がつくことは別の話です。

週3日という数字自体には、強い根拠はありません

念のため書いておくと、「週3日」という区切りに特別な医学的根拠があるわけではありません。自分は運用しやすさで3日にしただけです。1か月お酒を休むキャンペーンを扱った文献のレビューでは、参加者が体重減少を含む利点をしばしば報告していると整理されていますが、これは自己申告であって測定値ではない点にも触れられています(Lee et al., 2022(PMID: 35246148))。日数はあくまで運用の変数で、効いているのは週の総量のほうだと考えています。

要点: 痩せないときは間食・飲む日の量・食事量・見る期間の順で疑うと、原因が絞れます。

よくある質問

週3日の休肝日で何キロ痩せますか

体重の予測値をお伝えすることはできません。計算で言えるのはエネルギー側だけです。毎日ビール500mlを1本飲んでいた人が週3日抜けば、アルコール由来で週およそ426kcalが消えます(量×度数÷100×0.8で純アルコール量を出し、1gを7.1kcalで換算)。ただしそのぶんを間食や飲む日の増量で埋め戻す人が多く、実際の体重は摂取と消費の全体で決まります。4週間ほど記録して移動平均で見るのが現実的です。

週3日と週2日では違いがありますか

エネルギーの観点では、抜いた日数ぶんだけ差が出ます。ただし本当に効いているのは日数ではなく週の総量です。週2日でも飲む日の量が少なければ総量は小さくなりますし、週3日でも残り4日に寄せれば総量は変わりません。日数だけを目標にすると、この寄せ替えが起こりやすくなります。

休肝日を作れば肝臓の数値も下がりますか

肝臓の負担は、飲まない日の数よりも週の総量で考えるほうが実態に合います。アルコールの代謝速度は体格や酵素の型、飲酒習慣によって変わると説明されており、1日空ければリセットされるという性質のものではありません。検査値を目的にするなら、飲まない日の数ではなく週の純アルコール量を記録して追うことをおすすめします。

飲む日の量が増えてしまいます

自分もそうでした。対策としては、抜く日を連続させないこと、飲む日の開始時刻を前倒しすること、そして週合計だけを見る記録に切り替えることの3つが効きました。日ごとの数字を見ていると「今日は少なめだから大丈夫」という判断が入り込みますが、週合計にはそれが通用しません。

記録は何を使えばいいですか

ml と度数だけ残せるものなら何でも構いません。自分は表計算ですが、アプリでもノートでも続くほうが正解です。大事なのは器ではなく、週で合計する列があるかどうかです。

今夜が飲まない日でも飲む日でも、まずは今週の合計だけ出してみてください。日ごとの数字を7つ足すだけで、自分が思っていた量とのずれが見えてきます。そこからが設計の出発点です。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。