酔いを覚ます飲み物は、残念ながら存在しません

結論から言うと、飲んだあとに酔いを早く覚ます飲み物はありません。アルコールの代謝のほとんどは肝臓で行われるので、血中のアルコールを減らす方法は、時間をかけて分解を待つことだけです。コーヒーも、水も、市販のドリンクも、この「待つ時間」を縮めてはくれません。

警察の啓発資料でも、「起きてすっきりしていれば抜けている」という思い込みは誤りだと注意されています。人は体の状態に慣れるので、酔いが軽くなったと錯覚しやすい一方、アルコールが残っている限り、運動能力や判断力は低下したままだという説明です(北海道警察 二日酔い運転についての啓発資料)。

私は40代の女性で、断酒を5年続けています。飲んでいた頃は、飲み会の帰りに「コーヒーを飲めば大丈夫」と思っていた時期がありました。この記事は、あの頃の自分に読ませたい内容として書いています。

要点: 酔いを覚ます飲み物はありません。すっきりした感覚と、アルコールが抜けたかどうかは別の話です。

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「覚めた気がする」を、一つずつ確かめてみました

よく聞く方法を並べて、本当に効くのかを整理しました。

よく聞く方法

実際に起きること

運転前の判断

コーヒー・カフェイン

眠気は軽くなっても、判断力は戻らない

目安にしない

水をたくさん飲む

水分補給にはなるが、アルコールが早く抜けるわけではない

目安にしない

サウナ・入浴で汗をかく

汗に出るアルコールはごく一部。脱水で悪酔いのもと

目安にしない

仮眠をとる

寝ている間は分解がゆっくりになるとされる

目安にしない

図: 「酔い覚まし」と言われる方法の整理(北海道警察の啓発資料、厚生労働省の健康情報サイト、HealthDayの報道をもとに筆者が整理)

コーヒーは「眠気」を消すだけです

カフェインには眠気を軽くする働きがあります。ただ、HealthDayの報道は、テンプル大学の研究者トーマス・グールドらの研究を紹介し、カフェインはアルコールの鎮静作用を弱めるものの、認知機能を改善するわけではないと伝えています。血中のアルコール濃度も下げないので、自分が思うより酔っていないと感じて、判断を誤りやすくなると指摘されています(ABC News/HealthDay「Caffeine Doesn't Sober You Up」)。

つまりコーヒーを飲むと、「酔いが覚めた」という感覚だけが先に来てしまいます。運転前にいちばん危ないのは、この感覚のずれです。

水や汗でもアルコールは抜けません

厚生労働省の健康情報サイトによると、呼気から排泄されるアルコールは約0.7%、汗は約0.1%、尿は約0.3〜4%で、代謝のほとんどは肝臓で行われます。汗をかいたり水をたくさん飲んだりしても、速く抜けるわけではないという説明です(厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールの吸収と分解」)。

北海道警察の資料も、サウナや入浴で汗をかいても、汗に出るアルコールはごく一部で、肝臓で分解されない限りほとんど抜けないと説明しています。むしろ汗で水分が失われると、血中アルコール濃度が上がって悪酔いの原因になるという注意書きもあります。

要点: コーヒーは眠気を、水は喉の渇きを癒すだけです。どれも、アルコールを抜く方法ではありません。

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時間以外に、できることはあるのでしょうか

分解は肝臓の仕事、できるのは待つことです

1時間に分解できる量は、一般的に体重×0.1g程度とされ、これより低いことも多いと、前述の厚生労働省の健康情報サイトは説明しています。個人差が大きいので、「何時間経ったから大丈夫」と言い切れる計算はありません。北海道警察の資料にも、分解時間の目安表があっても、その時間が過ぎれば抜けていることを保証するものではない、と書かれています。

一番確実なのは、運転する日に飲まないことです

運転の予定がある日は、最初から飲まない選択が確実です。どうしても車が必要な場合は、家族や同僚に頼む、タクシーを使うといった方法も、先ほどの警察資料にあげられています。

私が飲まなくなった日からやっていること

断酒を始めてからの5年で、いちばん変わったのは「帰り道の不安」がなくなったことでした。ノートに「今日は運転の予定なし」「今日は運転あり、飲まない」と書く習慣は、今も続けています。大げさに聞こえるかもしれませんが、予定を先に書いておくと、その場の空気に流されにくくなります。

要点: 分解の速さを変える方法はありません。運転の予定がある日は、飲まない選択がいちばん確実です。

よくある質問

二日酔いの薬やドリンクは、運転前の目安になりますか?

なりません。症状が軽くなっても、アルコールが残っていれば判断力は低下したままです。薬やドリンクは、運転してよいかどうかの目安にはなりません。

一晩寝たら抜けていますか?

一概には言えません。警察の資料では、寝ている間は分解がゆっくりになり、アルコールが抜けるまで約2倍の時間がかかるとされています。個人差があり、寝て起きたからといって抜けているとは限りません。

水を飲むと二日酔いは軽くなりますか?

水分補給は体のためになりますが、アルコールを早く抜く効果はありません。脱水を防ぐという意味での補助だと考えてください。

どれくらい待てば運転できますか?

この記事では目安の時間をお伝えしません。個人差が大きいためです。飲んだ日の運転は避け、翌日に不安があるときも運転しない選択をおすすめします。

今夜の帰り道を、先に決めておく

酔いを覚ます方法を探すより、帰り方を先に決めておくほうが、確実で楽です。今夜の予定を思い浮かべて、「帰りはどうするか」を一つだけ決めてみてください。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。