「3か月で変わる」って本当? 期待しすぎていませんか
振り返ってみると、私が断酒3か月を迎えたとき、正直なところ「思ったより地味だな」と感じていました。ノートを開いてその頃のページを読み返すと、そんな言葉がちゃんと残っています。
よく「3か月で見違えるほど変わる」という話を目にするけれど、5年やってみて気づいたのは、3か月の変化は「派手に現れる」ものじゃないってこと。むしろ、気づかないうちに静かに積み重なっていて、あとになって「あのころから変わっていたんだ」とわかるものが多かっただなって思うんです。
だから今回は、Q&A形式で「3か月のリアル」をお伝えします。当時のノートを開きながら、5年後の私が正直に答えます。
Q. 身体って、3か月でどう変わりましたか?
「快調」より「フラットな安定感」が先にくる
断酒3か月のころのノートには、「今日も体調ふつう」という記録がとても多いんです。最初はこれを"変化なし"と読んでいたのですが、5年経ってから読み返すと、それ自体が変化だったと気づきました。
お酒を飲んでいたころの「ふつう」は、なんとなくむくんでいたり、朝起き上がりに時間がかかったり、夕方から頭が重くなったりする「ふつう」でした。断酒3か月後の「ふつう」は、それらのノイズが消えた状態。派手な変化ではなく、余計なものが引いていった感じです。
具体的にノートに出てきた記録は「朝の顔がすっきりしてきた」「夕方に頭痛薬を飲む回数が減った」「電車でうとうとしなくなった」といったもの。どれも小さいけれど、積み重なるとかなりの変化だなって思うんです。
肌と消化器系は、比較的早く反応する
これはあくまで私個人の記録ですが、肌のざらつきが落ち着いてきたのが2か月目くらいから、消化器系のもたれ感がなくなったのが2〜3か月目あたり。友人と会って「顔色が違う」と言われたのが、ちょうど3か月を過ぎたころだったとノートに書いてあります。
「何かを足した」わけじゃなく、「何かを引いた」結果として身体が応えてくれる。そのタイムラグが3か月前後なんだなって、今では思います。
Q. 睡眠の変化、実際どうでしたか?
最初の1か月は、むしろ眠れない夜もある
これは正直に書いておきたいのですが、断酒直後の1〜2週間は、眠りが浅くなることがありました。お酒が「眠りのスイッチ」になっていたぶん、そのスイッチを外した直後は身体が戸惑うんだなって思うんです。ノートには「寝つきが悪い、でも夜中に起きなかった」という記録が混在しています。
これを知らないで「眠れなくなった、失敗だったかも」と焦ると、もったいない。一時的な揺らぎだと知っておくだけで、気持ちがかなり違います。
2か月目から「夢の質」が変わってきた
私が断酒の変化でいちばん印象に残っているのは、睡眠の話です。2か月を過ぎたあたりから、「夢を見た」という記録がノートに増えてきました。それまでは飲んで眠ると、夢を見ない(あるいは覚えていない)ことが多かった。
夢を見るのは眠りが深くなっているサインとも言われますが、私にとってはそれ以上に「朝起きたとき、昨日の疲れがちゃんと抜けている」という感覚の変化のほうが大きかったです。「ぐったり回収型の睡眠」から「補充型の睡眠」に変わったような感じ、とノートに書いてありました。我ながら変な表現だなって思いますが、5年経ってもそれが正確な表現だと感じます。
Q. 気分や感情はどう変わりましたか?
感情の「振り幅」が落ち着いてくる
振り返ってみると、お酒を飲んでいたころの私は感情の波が大きかったと思います。飲んだ夜は気持ちが盛り上がって、翌朝はなんとなく落ちる。その繰り返しがデフォルトになっていたので、当時はそれを「自分の気質」だと思っていました。
断酒3か月を過ぎたあたりから、ノートに「今日、特に何もなかったけど機嫌が良かった」という記録が出てきます。これが地味にうれしかった。テンションが高いわけでも、何か良いことがあったわけでもなく、ただ「平均点が上がった」ような感覚です。
「自分を観察する目」が生まれてくる
5年やってみて気づいたのは、3か月というのは「変化を実感しはじめる時期」であると同時に、「自分の状態を観察する習慣がついてくる時期」でもあるということ。
お酒がなくなると、夕方以降の自分の感情や体感がくっきりと見えてくる。「今日は肩が張っているな」「なんとなく気持ちが後ろ向きだな」というサインを、以前より早くキャッチできるようになる。それが積み重なると、自分のトリセツが少しずつ更新されていく感じがあります。
私がノートを習慣にしているのも、このためです。変化を記録するというより、「今日の自分」を定点観測する感覚。3か月目はちょうど、その観察眼が育ちはじめるタイミングだなって思うんです。
Q. 3か月で「変わらないこと」はありますか?
あります、正直に言うと。
3か月では、まだ「飲みたいな」という気持ちが完全に消えるわけじゃない。特に季節の変わり目や、仕事が立て込んだ夜、誰かとゆっくり食事をする場面など、「以前ならここでビールを頼んでいたな」という場面で、ふと手が動きそうになることはあります。
でもそれは、「変わっていない」じゃなくて「まだ変化の途中」なんだなって今では思います。5年経った私のノートには、2年目以降そういう記録がほとんど出てこなくなる。3か月はその長い道のりの、確かな一里塚です。
「3か月で劇的に変わる」は少し大げさかもしれないけれど、「3か月かけて、変わるための土台ができる」は本当だと思っています。そしてその土台の上に、4か月目・半年・1年の変化が積み重なっていく。振り返ってみると、あのころの地味なノートが、今の私を支えてくれているんだなって感じます。
3か月の変化は、派手じゃない。でも確かに、そこにある。
※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。身体の変化や不調が続く場合は、医療機関にご相談ください。

