結論から言うと、30日断酒を始めるうえで、自分がいちばん効いたと感じているのは、初日に「やること」ではなく「やらないこと」を3つ決めたことでした。10年以上、ほぼ毎日ビール500mlを2缶飲んでいた自分が、健診でD判定を受けて断酒を始めたのが3年前です。今も続いていますが、最初の30日は、決意よりも段取りで乗り切ったと思っています。毎朝の重さの正体も気になって調べましたが、e-ヘルスネットの二日酔いの解説では、睡眠や体内時計の乱れも二日酔いを促進する要因とされていて、納得しました。

最初にお断りしておくと、長年ある程度の量を毎日飲んできた人は、急にやめると体に症状が出ることがあります。始める前に必ず、このあと書く「確認事項」に目を通してください。

始める前に確認したこと:毎日飲んできた人の体に起きること

自分が最初に調べたのは、「やめたら体に何が起きるのか」でした。e-ヘルスネットの「アルコールと依存」には、長年ある程度の量の飲酒を習慣的に続けると身体依存が生じ、その状態で飲酒を止めたり減らしたりすると離脱症状が現れる、と書かれています。

離脱症状として挙げられている症状

同じページには、離脱症状として不眠、発汗、手のふるえ、血圧の上昇、不安、いらいら感などが挙げられています。重症の場合は、幻覚が見えたり、けいれん発作を起こしたりすることもあると説明されています。自分の場合は、最初の数日、寝つきが悪くて夜中に目が覚める程度でしたが、これは人によって大きく違います。

医師に相談してから始める目安

次のどれかに当てはまる人は、自己流で始めず、先に医師へ相談してください。

  • 毎日、朝や昼からも飲んでしまう
  • 過去にやめようとして、手のふるえや強い発汗が出た
  • 健診で肝機能や血圧の指摘を受けている
  • 眠れない夜に、お酒に頼ってきた

自分は健診Dの結果を持って、かかりつけの医師に話してから始めました。「やめることは良いことだが、どう始めるかは体の状態で変わる」と言われたのを覚えています。

要点: 毎日飲んできた人は離脱症状の可能性があるため、始める前に医師へ相談します。

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初日に決めた3つのこと

準備が終わったところで、初日に決めたのは次の3つです。決意の言葉ではなく、具体的な行動にしました。

1. 家からお酒を出す

買い置きのビールは、始める前の日に家族に渡しました。「後で飲むかもしれない」とお酒が冷蔵庫にある状態は、毎晩の判断をつらくするからです。自分の意志の強さを試すのではなく、選択肢そのものを消しておくと、夜がずっと静かになりました。

2. 晩酌の時間に飲むものを先に決める

いつもビールを開けていた時間が、いちばん危ない時間でした。そこで、その時間に飲むものを先に決めました。炭酸水にレモンを絞ったもの、ノンアルコールのビールテイスト飲料、麦茶の3つです。「何を飲まないか」ではなく「何を飲むか」を決めたことで、手が止まりにくくなりました。

3. 日記に「飲まなかった日」を書く

手帳に、その日の夜に何を飲んだか、眠りはどうだったかを一行だけ書きました。続けるうちに、日記が「やめた記録」から「飲まずに過ごせた記録」に変わっていくのを感じました。

要点: 初日は、お酒を家から出す、晩酌の時間の飲み物を決める、記録を書くの3つに絞ります。

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最初の1週間に崩れかけた2つの夜

自分の30日で、危なかった夜が2つあります。

3日目の金曜、仕事帰りのコンビニ

3日目の金曜の夜、仕事帰りにコンビニの前で足が止まりました。習慣というのは恐ろしいもので、気づくとビールの棚の前にいたのです。その夜は、棚の前で立ち止まったまま、スマホで日記を開きました。「今日は飲まなかった」と書く自分を想像したら、手を引くことができました。帰り道にノンアルコール飲料を1本買って帰りました。

6日目、眠れない夜

6日目は、疲れているのに眠れない夜でした。以前は眠れないときほど飲んでいたので、体が「飲めば眠れる」と覚えていたのでしょう。厚生労働省の飲酒ガイドラインには、飲酒により眠りが浅くなり睡眠リズムを乱すことがあるため、不眠の解消を目的とした飲酒は避けるべきと書かれています。この一文を思い出して、お酒に頼らず早めに布団に入り、眠れなくても横になって過ごしました。数日後には、眠りの質が少しずつ変わってきました。

要点: 崩れかけた夜は「棚の前で日記を開く」「眠れなくても横になる」で越えられました。

30日続いたあとに見えたこと

30日を終えて最初に気づいたのは、体の変化より、夜の時間が長くなったことでした。晩酌に使っていた2時間が、そのまま自由に使える時間になったのです。

1日目: 3つを決める3日目: コンビニ6日目: 眠れない夜30日目: 夜が長い崩れかけたのは最初の1週間に集中していました

図: 筆者の30日断酒の流れ(個人の記録であり、一般的な経過ではありません)

31日目以降の考え方

30日を超えると、「ここまで来たのだから」という気持ちが支えになります。ただし、30日はゴールではなく、自分の体と習慣を確認する区切りです。続けるかどうかは、30日の記録を見ながら、医師や家族と一緒に考えてください。

途中で飲んでしまった日があっても

もし途中で飲んでしまっても、それまでの日数が消えるわけではありません。また、離脱症状を止めるために再び飲むと悪循環になり、やめることがますます難しくなると、e-ヘルスネットでも説明されています。つらいときは一人で抱えず、医療機関や相談窓口に頼ってください。

要点: 30日は終点ではなく、確認の区切りです。飲んでしまった日があっても、相談しながら続けられます。

よくある質問

Q. 30日断酒は、誰でも自己流で始めて大丈夫ですか?

毎日飲んできた人は、先に医師へ相談してください。e-ヘルスネットには、長年の飲酒習慣がある状態でやめると離脱症状が現れる、と書かれています。

Q. 夜に飲みたくなったらどうすれば良いですか?

自分は、あらかじめ決めた飲み物に切り替え、日記を開くことで乗り切りました。その場で意志の力に頼らないよう、事前に代わりの行動を決めておくと効果的です。

Q. 眠れない夜は、少し飲んで寝ても良いですか?

ガイドラインでは、不眠の解消を目的とした飲酒は避けるべきとされています。眠れない状態が続く場合は、医師に相談してください。

今夜、手帳の最初の1行に「今日は飲まなかった」と書けるかどうか。最初の30日は、その積み重ねだけで十分だと、自分は思っています。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。断酒の開始や継続については、必ず医師や専門家にご相談ください。