ゼブラ飲みとは、乾杯からグラスを交互に変えるだけの飲み方です

結論から言うと、「ゼブラ飲み」とは、お酒とノンアルコール飲料を1杯ごとに交互に飲む選び方のことです。海外では「ゼブラストライピング(zebra striping)」と呼ばれていて、白と黒の縞模様のように、アルコールとノンアルコールを交互に並べていくイメージからこの名前がついています。やり方はとてもシンプルで、乾杯の1杯目をお酒にしたら、2杯目はノンアルコールビールやモクテル、3杯目でまたお酒に戻る、という順番を自分の中で決めておくだけです。難しいルールも、専用のグッズも必要ありません。私自身、育児をしながら「お酒を選んで飲む」スタイルに変えてから2年ほどになりますが、ゼブラ飲みを知ってからは、飲み会に誘われたときの気持ちがぐっと軽くなりました。ノンアルコール飲料の選び方そのものについては、ノンアルのカテゴリ一覧でも詳しく紹介しているので、あわせて読んでみてください。

この記事では、ゼブラ飲みの定義とやり方、なぜ体感が変わるのかという根拠、そして外食先での実際の頼み方まで、順番に見ていきます。

要点: ゼブラ飲みとは、アルコールとノンアルコールを1杯ごとに交互に飲む選び方のことです。

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「ゼブラ」の意味と、モクテル・ソバキュリとの違いを整理します

なぜ「ゼブラ」と呼ぶのか

ゼブラ飲みという呼び方は、2020年代半ばから海外のSNSを中心に広まった言葉です。国内でも紹介記事が増えていて、たとえば集英社のウェルネスメディア「yoi」では、お酒とノンアルコール飲料を交互に飲むことで体へのダメージを減らす飲み方として紹介されています(yoi「ゼブラ飲みのススメ」)。名前の由来は単純で、飲み物の色や種類を交互に並べていく様子が、シマウマの縞模様に似ているからだと言われています。

ソバキュリ・断酒・節酒とは何が違うのか

似た言葉に「ソバキュリ(ソバーキュリアス)」がありますが、こちらは「お酒をやめるかどうかにこだわらず、自分の心地よさで飲む・飲まないを選ぶ」という考え方全体を指す、もう少し広い概念です。断酒は完全にお酒を飲まないこと、節酒は量そのものを減らすことを指しますが、ゼブラ飲みはその中間にある「飲む場を離れずに、摂取量だけを具体的にコントロールする技術」だと私は捉えています。ソバキュリという考え方を実践する上での、具体的な手段のひとつがゼブラ飲みだとイメージすると分かりやすいと思います。

モクテルとの関係

モクテルは「お酒を使わないカクテル」そのものを指す言葉で、ゼブラ飲みで挟む「ノンアルコールの1杯」の選択肢のひとつです。ビールが好きな人はノンアルコールビール、カクテルが好きな人はモクテルというように、自分がふだん好きなお酒のジャンルに寄せてノンアルコールの1杯を選ぶと、物足りなさを感じにくくなります。

要点: ゼブラ飲みは「飲む場を離れずに摂取量を具体的に管理する技術」で、ソバキュリという考え方を実践する手段のひとつです。

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なぜ交互に飲むと量が減るのか、研究が示した具体的な数字

単純に「本数が半分になる」からです

いちばん分かりやすい理由は算数です。仮に2時間の飲み会で普段4杯飲む人が、1杯ごとにノンアルコールを挟めば、その場でのお酒は2杯に減ります。厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、純アルコール量の計算式を「摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」と示しており、たとえばビール500ml(度数5%)なら純アルコール量は20gになります(厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」)。同じガイドラインでは、生活習慣病のリスクを高める量を「1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上」としています。ビール4杯なら80g、2杯なら40gですから、ゼブラ飲みで本数を半分にするだけで、この基準にどれだけ近づくかが具体的に見えてきます。

ストレート4杯=約80gゼブラ飲み(お酒2+ノンアル2)=約40g女性の目安40g未満との差計算式: 500ml×5%×0.8=20g(厚労省ガイドラインの式より、ビール1杯あたり)

図: ビール4杯を飲み切った場合とゼブラ飲みにした場合の純アルコール量の違い(厚労省ガイドラインの計算式で試算)

研究でも「量が減る」ことが確かめられています

単純な算数だけでなく、実際にノンアルコール飲料を提供することで飲酒量が減るかどうかを調べた研究もあります。ドイツで行われたランダム化比較試験では、123人の参加者を「ノンアルコール飲料を無料で提供するグループ」と「提供しないグループ」に分け、12週間にわたって飲酒量の変化を追跡しました。その結果、ノンアルコール飲料を提供されたグループは1日あたりの純アルコール摂取量がおよそ11.5g減少し、対照群よりも有意に大きく減っていたことが報告されています(PubMed「Effect of provision of non-alcoholic beverages on alcohol consumption」)。この効果は介入が終わってからも一定期間続いたとされていて、ノンアルコール飲料を選択肢として持っておくこと自体が、飲酒量に影響を与える可能性を示しています。

翌朝が軽く感じられる理由

二日酔いの仕組みについて、厚生労働省が運営するe-ヘルスネットでは、お酒を飲んでいる最中は抗利尿ホルモンの分泌が少なくなって尿量が増え、体が脱水傾向になること、そして回復期にはこのホルモンの変化量が二日酔いの重さと関係している可能性が示されています(e-ヘルスネット「アルコールと二日酔い」)。ノンアルコールの1杯を挟むことは、水分補給の1杯を強制的に挟むことと同じ意味を持ちます。脱水と低血糖が二日酔いの一因だとすれば、ゼブラ飲みで水分を補いながら進めることが、翌朝の体感につながっていても不思議ではないと感じています。

要点: ゼブラ飲みは単純な本数の削減に加え、研究でも飲酒量の減少が確認されており、脱水対策としても理にかなっています。

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今夜から使える、ゼブラ飲みの実践ステップとお店での頼み方

始める前に決めておく3つのこと

ゼブラ飲みを気持ちよく続けるために、私は次の3つを飲み会の前に決めるようにしています。

  • 何杯目からゼブラにするか(乾杯だけはお酒で、という決め方でも構いません)
  • ノンアルコールの選択肢を先に1つ決めておく(ノンアルコールビール、ジンジャーエール、ソーダ水など)
  • 「今日はゼブラでいく」と口に出す相手を1人だけ決めておく(一人で黙ってやると、周りに合わせて崩れやすいためです)

居酒屋・バーでの具体的な頼み方

チェーン系の居酒屋であれば、ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルのメニューが用意されていることがほとんどです。メニューに載っていない場合でも、「ソーダ割りをお酒抜きで」「ジンジャーエールをください」と伝えるだけで対応してもらえるお店が多いです。バーであれば、モクテルを作れるお店も増えていますので、最初に「ゼブラ飲みをしたいので、2杯目はノンアルコールでお願いします」と伝えておくと、店員さんもタイミングを合わせやすくなります。

家飲みでのやり方

家で楽しむときは、あらかじめ冷蔵庫にノンアルコールビールや炭酸水、好きなジュースを用意しておくのがコツです。私の場合は、ワインを開けた日は必ず隣に炭酸水のグラスを置き、1杯飲んだら次は炭酸水、という順番を決めています。グラスの見た目を揃える(同じワイングラスに炭酸水を注ぐなど)と、気分の切り替えがしやすくなると感じています。

  • ステップ1: 今日ゼブラにするかどうかを先に決める
  • ステップ2: 何杯目から交互にするかを決める
  • ステップ3: ノンアルコールの候補を1つ以上、先に決めておく
  • ステップ4: 一緒にいる人に一言伝える
  • ステップ5: グラスを変えて、ノンアルコールの1杯も「ちゃんとした1杯」として味わう

要点: 始める前に「何杯目から」「何を挟むか」「誰に伝えるか」の3つを決めておくと、当日崩れにくくなります。

子連れ外食で試して気づいた、続けやすいペース配分

私がゼブラ飲みを知ったのは、育児中の生活の中でした。第一子を出産してから授乳期を経て、以前のように何杯もお酒を飲む時間が取りにくくなり、自然と「選んで飲まない」スタイルに移行していったのですが、たまの外食で「せっかくだから」とお酒を頼んだときに、ペース配分に悩むことがよくありました。子どもの様子を見ながら食事をしていると、お酒を飲むタイミングが不規則になり、気づいたら早いペースで杯を重ねてしまっていた、ということが何度かあったのです。

そこでゼブラ飲みを意識するようになってからは、子どもがぐずったタイミングや、料理を待っている間に、自然とノンアルコールの1杯を挟めるようになりました。むしろ子連れ外食は、ペースが強制的に乱れる分、あらかじめ「1杯目はお酒、2杯目はノンアル」と決めておくほうが、結果的に落ち着いて飲めることに気づきました。ノンアルコールビールを頼むタイミングで店員さんに子どものぐずり対応をお願いできたりと、副次的なメリットもありました。

夜の時間の使い方も変わりました。以前は「今日はどれくらい飲めるか」を当日の気分で決めていましたが、ゼブラ飲みを決めておくと、飲み会全体の見通しが立てやすくなります。子どもを寝かしつけたあとの限られた時間で飲むときも、最初からゼブラで進めると決めておけば、量を気にして時間を無駄にすることがありません。

友人との外食でも試してみたところ、思いがけない発見がありました。以前は「ペースを合わせなきゃ」と無意識に相手に合わせて杯数を重ねていたのですが、ゼブラ飲みを先に伝えておくと、相手も「じゃあ私も」と一緒にノンアルコールを頼んでくれることが何度かあったのです。一人で始めたつもりが、気づけば周りにも伝わっていく飲み方なのかもしれません。禁酒や断酒とは違い、「今日はどれくらい整えたいか」を自分で選べるところが、ゼブラ飲みの気に入っているところです。整える・整わないを白黒で決めない分、続けやすさにつながっていると感じています。夜の外食全般の考え方については、整える(wellness)カテゴリでも扱っているので、気になる方はのぞいてみてください。

要点: 子連れ外食のようにペースが乱れやすい場面ほど、あらかじめゼブラ飲みを決めておくと落ち着いて楽しめます。

ゼブラ飲みが向かない場面と、よくある勘違い

向かない場面もあります

乾杯の一体感を大事にしたい席や、時間が短く杯数自体が少ない集まりでは、無理にゼブラ飲みを持ち込む必要はないと思います。また、妊娠中や授乳中でお酒そのものを避けている期間は、ゼブラ飲みではなく、最初からノンアルコールだけで通す方が自然です。私自身、授乳期はゼブラ飲みという概念すら使わず、単純にノンアルコールを選んでいました。

よくある勘違い1: ノンアルコールなら何でも良いわけではない

ノンアルコールビールの中にも、商品によっては微量のアルコールを含むものがあります。厳密にゼロを求める場合は、パッケージの表示を確認する習慣をつけておくと安心です。

よくある勘違い2: ゼブラ飲みをすれば二日酔いが起きないわけではない

先ほど紹介した通り、二日酔いには脱水以外にも低血糖やホルモンバランスなど複数の要因が関わっているとされています(e-ヘルスネット「アルコールと二日酔い」)。ゼブラ飲みは飲酒量そのものを減らす助けにはなりますが、「これをすれば絶対に二日酔いにならない」という魔法ではありません。あくまで翌朝の負担を減らすための選び方のひとつだと捉えるのがちょうど良いと思います。

よくある勘違い3: 周りに気を遣わせてしまう

「ゼブラ飲みをしています」とわざわざ宣言する必要はありません。「今日はソーダ割りでお願いします」と自然に頼めば、周りが特別に気を遣うことはほとんどないというのが、私が3年近く続けてきた実感です。

要点: ゼブラ飲みは万能ではなく、体調やライフステージに合わせて使い分ける選び方のひとつです。

よくある質問

ゼブラ飲みは1杯目から始めても良いですか

はい、問題ありません。乾杯からノンアルコールで始めて、2杯目からお酒にするという順番でも、ゼブラ飲みの考え方には合っています。大切なのは交互に選ぶという行為そのものなので、どちらから始めるかは自分の好みで決めて構いません。

ノンアルコールビールで代用しても効果はありますか

はい。ここで紹介した研究も、ノンアルコール飲料全般を対象にしたものです(PubMed「Effect of provision of non-alcoholic beverages on alcohol consumption」)。ノンアルコールビール、ノンアルコールワイン、モクテル、炭酸水など、自分が飲み続けやすいものを選べば問題ありません。

子どもがいる家庭でも実践しやすいですか

私自身の経験からは、むしろ子連れの場面ほど実践しやすいと感じています。子どものペースに合わせて食事や外出の時間が不規則になる分、あらかじめ「何杯目から」を決めておくことで、当日の判断に迷わずに済みます。

お店でノンアルコールメニューがない場合はどうすれば良いですか

ソーダ水やジンジャーエール、ウーロン茶など、アルコールが入っていない飲み物であれば何でも代用できます。ノンアルコール専用のメニューがなくても、ソフトドリンクのメニューから選べば十分にゼブラ飲みは成立します。

ゼブラ飲みを続けるとお酒の量はどれくらい減りますか

個人差が大きいため断定はできませんが、単純計算では本数がおよそ半分になります。ビール4杯を2杯に減らせば、厚生労働省のガイドラインが示す計算式では純アルコール量はおよそ80gから40gに減る計算になります(厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」)。実際の減り方は、もともとのペースや杯のサイズによって変わりますので、あくまで目安として捉えてください。

ゼブラ飲みと休肝日、どちらを優先すべきですか

どちらか一方を選ぶ必要はありません。休肝日は「飲まない日」を作る考え方、ゼブラ飲みは「飲む日の中で量を管理する」考え方なので、組み合わせて使うことができます。休肝日の作り方については節酒・減酒カテゴリでも詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

今夜の1杯目をどちらにするか、まずはそこだけ決めてみてください。次にお店を予約するときは、ノンアルコールメニューがあるかどうかを一緒にチェックしてみるのもおすすめです。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。