結論:日本では公式の登録窓口がなくても、自分でルールを決めれば参加できます。大事なのは「完走型」か「緩め参加型」かを先に選ぶことです

ドライジャニュアリーのやり方を日本で始めたい方へ、先に結論です。ドライジャニュアリーは、1月の1か月間お酒を飲まずに過ごす取り組みです。英国の慈善団体Alcohol Change UKが公式のチャレンジとして運営していて、公式サイトまたはアプリ「Try Dry」で参加できます(Alcohol Change UKの公式ページ)。日本には、私が確認できた範囲では、同じ形の公式な参加登録の仕組みが見当たりませんでした(要確認)。そのため日本では、自分でルールを決めて始めるのが現実的です。

そして、最初に選ぶのは次の2つです。1か月まるごとお酒を休む「完走型」と、日数や量を減らす「緩め参加型」です。この記事では、2つを比べて、どんな人にどちらが向くかをお伝えします。私は第一子の出産を機に、お酒を「選んで飲まない」暮らしになった30代です。完全にやめることだけが正解ではないと考えているので、緩めの参加も含めて書きます。

ただし、毎日たくさん飲んできた方は、いきなり止めると体に症状が出ることがあります。この点は、後の章でまとめて説明します。

先に、2つのやり方の違いを図にしました。

完走型:31日すべてお酒なし(公式の形)緩め型A:平日だけお酒なし緩め型B:飲む日と量を先に決めて減らす

図: 参加スタイルの比較(筆者作成の概念図。長さは日数の割合を示す目安で、緩め型の割合は一例です。公式の定義は「1か月アルコールなし」です)

要点: 公式の形は31日間アルコールなしで、日本では自分でルールを決めて始めます。先に完走型か緩め参加型かを選びます。

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前提の整理:ドライジャニュアリーとは何か、日本ではどう広がっているか

英国発の「1月のアルコール休み」です

Alcohol Change UKの公式ページでは、ドライジャニュアリーを「one month alcohol-free」、つまり1か月アルコールを飲まないチャレンジとして紹介しています。参加は公式サイトへの登録またはアプリで、アプリのTry Dryは無料で、飲まなかった日・摂取量・節約額の記録や、日々の励ましの機能があります。1月以外にも使える「Try Dry Anytime」もあります(前述の公式ページ)。

日本では、飲食店のノンアル提供やイベントとして広がり始めています

マイナビニュースの記事によれば、日本でも健康志向の高まりとともにドライジャニュアリーが認知され始めていて、飲食店でのノンアルコール飲料の提供やイベントなど、さまざまな企画が行われているそうです。同じ記事には、英国の数字として、2023年の登録者数が17万5000人、英国の成人調査で1月に禁酒する予定の人が17%という記載があります(マイナビニュース、2024年12月29日)。日本の参加者数や、日本の公式な主催者についての数字は、この記事には載っていませんでした。

「ドライ」の中身は、お酒の種類で決まりません

ビールもワインも、日本酒も、お酒であれば純アルコール量で数えます。純アルコール量は「飲んだ量(ml) × アルコール度数 × 0.8」で計算でき、500mlのビール(5%)は20gです。この式は厚生労働省の健康に配慮した飲酒に関するガイドラインにも載っています。ドライジャニュアリーでは、この純アルコール量をゼロにするのが、公式の形です。

要点: 公式の定義は1か月アルコールなし。日本では認知が広がり始めた段階で、公式の登録窓口は確認できていません(要確認)。

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根拠:1か月お酒を休むと、その後の飲み方はどうなるのか

英国の研究では、参加者の多くがその後も飲む量が少なめでした

ドライジャニュアリーの参加者を追った研究として、サセックス大学のde Visser博士らの調査があります。論文は「Voluntary temporary abstinence from alcohol during 'Dry January' and subsequent alcohol use」という題で、2015年にHealth Psychology誌に出ました。対象は857名でした(著者原稿のPDF)。

同大学の紹介ページによれば、2014年のドライジャニュアリーの参加者を6か月後に調べたところ、72%の人が有害な飲み方を低い水準で保ち、4%はまだ飲んでいなかったとされています(サセックス大学のニュース)。

ここで注意が必要です。この調査は、参加を自分で選んだ人たちの記録で、参加しなかった人との比較ではありません。「ドライジャニュアリーをやれば必ずこうなる」という因果の証明ではない、という点は、押さえておいてください。

1か月という長さは、「やり方を試す」には十分な単位です

この研究が示したのは、1か月の区切りが、その後の飲み方を見直すきっかけになりうる、ということです。ここから先は私の考えです。1か月あれば、飲まない夜を、平日・週末・飲み会のある日・家族の行事の日と、いくつかの場面で試せます。場面ごとに「ここは飲まなくても平気」「ここはつらい」が見えてくるので、その後の「選ぶ」判断の材料になります。

要点: 英国の追跡調査では、参加者の72%が6か月後も低い水準の飲み方を保ちましたが、参加を選んだ人の記録で、因果の証明ではありません。

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具体の手順:完走型と緩め参加型を比べて、自分の型を決める

比較1:完走型(31日間アルコールなし)

公式の形です。メリットは、ルールが単純で迷わないことです。「今日は飲むか」を毎日考える必要がなく、判断の疲れが減ります。デメリットは、1日でも飲むと「失敗した」と感じて、そのまま止めてしまいやすいことです。向いているのは、普段の飲む量が多すぎず、飲み会などの予定が少ない時期に始められる人です。

比較2:緩め参加型A(平日だけお酒なし)

平日はお酒なし、週末は飲んでよい、というルールです。ルールが分かりやすく、続けやすい反面、週末にまとめて飲むと、1週間の総量が減らないことがあります。向いているのは、平日の晩酌が習慣になっていて、まずそこだけ変えたい人です。

比較3:緩め参加型B(飲む日と量を先に決める)

「週に2日だけ、1回につき純アルコール20gまで」のように、日数と量を先に決める形です。計算の式は先ほどのガイドラインの式で、ビール500ml(5%)なら1本が20gです。向いているのは、完全に休むと反動が出そうな人や、仕事の付き合いでゼロにしにくい人です。ただし、ルールを自分で守る意志が必要で、記録をつけないとあいまいになります。

向き不向きの早見(チェックリスト)

  • 迷わず始めたい人は、完走型を選びます
  • 平日の晩酌だけ変えたい人は、緩め参加型Aを選びます
  • 付き合いでゼロにしにくい人は、緩め参加型Bを選びます
  • 初めてで自信がない人は、完走型を1週間だけ試して、続けるか決めます
  • 妊娠中・授乳中の方は、飲まない選択を基本にします(医師にも相談してください)
  • 毎日多量に飲んできた方は、自己判断でゼロにせず、先に医療機関へ相談します

要点: 完走型はルールが単純、緩め型は続けやすさが強み。自分の生活と飲む量に合わせて選びます。

始める前の準備:日本で参加するときの、5つの段取り

ドライジャニュアリーは1月ですが、準備は前の月から始められます。私が大切だと思う5つの段取りを書きます。

1. 開始日と終了日を決めて、カレンダーに入れます

「いつからいつまで」が決まっていると、気持ちが楽になります。1月1日から31日まで、という公式の形でもいいですし、自分の生活に合わせた31日間でも構いません。

2. 飲み会や行事の予定を先に確認します

1月は新年会が入りやすい時期です。参加する会の日付を確認して、そこでの飲み物(ノンアルやお茶)を決めておくと、当日に慌てません。ノンアルの選び方は、糖質ゼロの見分け方が参考になります。

3. 家のお酒を、見えない場所へ移します

子どもがいると、夜の時間は短くて、疲れていると手近なものに手が伸びます。家にお酒があると、判断の回数が増えます。目に入らない場所に移すか、期間中は買わないと決めておくと、判断が減ります。

4. 記録の方法を選びます

英国のTry Dryアプリは、英語のアプリですが、飲まなかった日を数えるのに使えます。日本語で使いたい場合は、手帳やカレンダーに丸をつけるだけでも十分です。続ける記録のコツは、手間をかけないことです。

5. 代わりの飲み物を3つ用意します

炭酸水、ノンアルのビール風飲料、温かいお茶など、夜に飲む定番を3つ決めます。冷蔵庫に入れておくだけで、当日の迷いが減ります。

要点: 開始日・予定の確認・家の環境・記録・代わりの飲み物の5点を、始める前に整えます。

実体験:「選んで飲まない」という立ち位置から見た、1か月の区切り

私にとって「飲まない」は、やめるより選ぶ感覚です

授乳期から自然とお酒から離れて、今は「選んで飲まない」というスタイルです。完全にやめると決めたわけではなく、必要なときに選べる状態にしておきたい、という考え方です。だからこそ、ドライジャニュアリーのような期間限定の取り組みは、気軽に試せる枠として魅力的だと感じます。

夜の時間の使い方が、いちばん変わるところです

お酒を飲まない夜は、時間の使い方が変わります。子どもが寝たあとに、飲み物を用意して、ゆっくり座る。その時間をどう過ごすかを決めておくと、「飲まないこと」より「過ごすこと」に意識が向きます。本や動画、ストレッチなど、小さな楽しみをいくつか用意しておくのが、続けるコツだと思っています。

失敗しても、そこで終わりにしません

緩め参加型の良いところは、1回飲んでも「やり直し」が簡単なことです。完走型でも、1日飲んでしまったら、翌日からまた続けるという選択もあります。大切なのは、自分を責めずに、記録を続けることです。

要点: 期間限定の取り組みは、「飲まない」より「どう過ごすか」を決めておくと続けやすくなります。

例外と注意:安全面で先に知っておきたいこと

毎日多量に飲んできた方は、いきなりゼロにしないでください

厚生労働省のe-ヘルスネットには、長年ある程度の量の飲酒を習慣的に続けていると身体依存が現れ、酒を止めたり減らしたりしたときに離脱症状が出ることがあると書かれています。代表的な症状は、不眠・発汗・手のふるえ・血圧の上昇・不安・いらいら感などで、重症の場合は幻覚やけいれん発作を起こすこともある、と説明されています(e-ヘルスネット「アルコールと依存」)。

当てはまりそうな方は、ドライジャニュアリーを始める前に、かかりつけ医や、依存症に対応している医療機関に相談してください。自己判断で急に止めるのは、避けたほうが安全です。

持病や服薬のある方、妊娠中・授乳中の方も、医師に相談してください

体質や体調、服薬の状況によって、お酒の影響は変わります。判断に迷う場合は、専門家に相談するのが確実です。

「ドライ」の翌月に反動で飲む人もいます

期間が終わった途端に、飲む量が増える人もいます。終わった後の飲み方を、期間中のうちに決めておくと安心です。たとえば「週に2日まで」「1回20gまで」といった、緩やかなルールを決めます。

要点: 毎日多量に飲んできた方は、自己判断でゼロにせず、先に医療機関へ相談します。

よくある質問

ドライジャニュアリーは、日本でどうやって参加しますか?

日本には、私が確認できた範囲では公式の登録窓口が見当たらないため、自分でルールを決めて始めます。英国のAlcohol Change UKは、公式サイトとアプリのTry Dryで参加を受け付けています(要確認)。

1日飲んでしまったら、失敗ですか?

公式の定義では1か月アルコールなしですが、1日飲んだからといって、取り組みが無意味になるわけではありません。翌日から再開して、記録を続けることをおすすめします。

ノンアルビールは飲んでもいいですか?

ノンアルコール飲料は、アルコール度数が1度未満のものがあり、微量のアルコールを含むこともあります。ラベルで確認してください。飲むと逆にお酒が欲しくなる人は、炭酸水やお茶に切り替える選択肢もあります。

1月以外でも、できますか?

できます。英国のTry Dry Anytimeのように、1月以外にも挑戦できる形が用意されています。日本でも、自分で決めた31日間でも構いません。

緩め参加型でも意味がありますか?

公式の形は1か月アルコールなしですが、自分の生活に合わせた形で、飲む日数や量を見直すことには意味があります。ただし、緩め参加型の効果を示した研究を私は確認していないので、効果については断定しません。

今夜、カレンダーを開いて、31日間の開始日に丸をひとつつけてみてください。それが、最初の一歩です。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。