休肝日は何日連続がいいのか。結論は「連続の日数より、週の総量と続けやすさ」です
先に結論をお伝えします。休肝日を何日連続にするのが正解か、という問いに、「この日数が医学的に最適」と言い切れる根拠を、私は見つけられていません。はっきり書かれているのは、「週のうちに飲まない日を設ける」ことと、「飲む日の量を抑える」ことの2点です。
厚生労働省の健康情報サイトe-ヘルスネットの「習慣飲酒」の項目では、継続的に飲み続けると耐性がつき、飲酒量が増えてアルコール関連問題を引き起こすことがあるため、健康管理の一環として休肝日の設定が節酒指導として推奨されている、と説明されています。
また、厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」には、飲酒の際の工夫のひとつとして、一週間のうち飲酒をしない日を設ける(毎日飲み続けるといった継続しての飲酒を避ける)という趣旨の記載があります。つまり公的な資料が求めているのは「毎日飲み続けないこと」で、「何日連続で空けるか」までは決めていません。
私は50代の会社員で、健康診断でγ-GTPが基準値の2倍を超え、医師から減酒の指導を受けました。以前は毎晩のように飲んでいましたが、いまは週3日を飲まない日にして、飲む日は1日2杯までという運用にしています。この記事では、その運用を作るときに悩んだ「連続にするか、ばらすか」を、実際の1週間のカレンダーに置いて整理します。
この記事で扱うのは次の流れです。
- ある1週間の情景から、悩みどころを確認する
- 厚労省ガイドラインが言っていること、言っていないこと
- 週3日を置く3つのパターンと、それぞれの向き不向き
- 純アルコール量で「飲む日の量」を決める方法
- 続かなくなったときの組み直し方
最初に、3つの週間パターンを図にしておきます。
月火水木金土日A案 連続型:月火水を休むB案 分散型:月水金を休むC案 組み合わせ型:月火と木を休む(濃い緑が飲まない日)
図: 週3日の飲まない日を置く3つのパターン(筆者の整理。どれが医学的に優れるという根拠を示すものではありません)
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ある木曜の夜、グラスを前にして考えたこと
「連続で空けたほうが肝臓に良さそうだ」という直感
減酒を始めた最初の月、私は月曜から水曜を飲まない日にしていました。連続で空ければ、肝臓がしっかり休まる気がしたからです。実際、月曜は仕事の疲れで案外飲まずに済みました。火曜、水曜も、数日たつと飲まない夜のリズムができてきます。
ところが、木曜になると事情が変わります。三日我慢したあとの木曜は、「もう十分頑張ったから」と1杯目の手が早くなるんです。結果として木曜から日曜の4日間は、飲む量が増えがちでした。以前は毎晩飲んでいましたが、これは「前半に締めて後半で取り戻す」型になっていたと、あとから気づきました。
分散させると、今度は「なんとなく飲む日」が戻ってきた
次の月は、月水金を飲まない日にしました。飲む日と飲まない日が交互になるので、量の山ができにくく、これは続けやすかったです。ただ、水曜に飲まないと決めていても、仕事帰りに同僚から誘われると、予定が崩れてしまいます。分散型は、週の中で「誘いのある日」と「飲まない日」がぶつかる回数が増えるのが弱点でした。
どちらにも一長一短がありました。そこで、きちんと根拠のある部分と、そうでない部分を分けて考えることにしました。
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厚労省ガイドラインは、休肝日について何を言っているのか
言っているのは「毎日飲み続けない」ことです
先ほど触れたガイドラインには、飲酒量(純アルコール量)が少ないほど飲酒によるリスクが少なくなるという趣旨の記載があり、あわせて、飲酒量が多くなることは病気や怪我の可能性を高めるとも書かれています。飲まない日を設ける目的は、毎日飲み続ける状態を避けること、そして結果的に週の総量を減らすことにある、と読むのが自然です。
言っていないのは「何日連続が最適か」です
ガイドラインを読む限り、連続で何日空けるか、週に何回が最適かという数字は示されていません。ネット上には「2日連続が良い」「連続は意味がない」といった意見が並びますが、私が確認した範囲で、そのどちらかを決定づける公的な基準は見つけられませんでした。
だからこそ、私は「連続か分散か」を医学的な正解探しにせず、自分の生活で崩れにくいほうを選ぶ設計の問題として扱うことにしました。もしここに書いたことと違う根拠をお持ちの場合は、必ず一次情報で確かめてください。
飲む日の量が、いちばん効くという前提
もうひとつ、大事な数字があります。ガイドラインは、生活習慣病のリスクを高める量として、1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上と示しています。休肝日を作っても、飲む日にまとめて飲んでいては意味が薄れます。
純アルコール量の求め方は、ガイドラインにも載っているとおり、摂取量(ml)×アルコール濃度(度数÷100)×0.8です。ビール500ml(5%)なら500×0.05×0.8で20gです。この式を覚えておくと、飲む日の上限を数字で決められます。
関連記事: 休肝日は2日連続でないと意味がないのか。公的資料で確かめられたことと、確かめられなかったこと
週3日を置く、3つのパターンを比べる
A案:連続型。リズムを作りやすいが、反動に注意
月火水のように連続で空ける型は、「平日は飲まない」というルールが単純で、決めごととして覚えやすいのが長所です。職場の付き合いが少ない人、在宅の日が多い人には向いています。
弱点は、さきほどの私のように、空け終わった日に反動が出やすいことです。この型を選ぶなら、「空けたあとの日は2杯まで」のように、反動を抑える上限を最初に決めておくと崩れにくくなります。
B案:分散型。山を作りにくいが、予定とぶつかりやすい
月水金のように交互にする型は、量が週の中に散らばるので、反動の山ができにくいのが長所です。習慣の面でも、毎日同じ時間に「今日は飲む日か、飲まない日か」を考える回数が増え、飲酒への注意が保たれます。
弱点は、誘いや付き合いが入った日と飲まない日が重なりやすいことです。分散型を選ぶなら、飲まない日を固定の曜日にせず、「誘いのない日の中から3日」を週のはじめに決める運用にすると、柔軟に組めます。
C案:組み合わせ型。私が落ち着いた運用
私が最終的に落ち着いたのは、月火の2日連続と、木曜の1日を組み合わせたC案です。連続で空けるリズムを作りつつ、週の後半にもう一度飲まない日を挟むことで、反動で飲み過ぎる流れを断ちやすくなりました。
もちろんこれは私の生活での話で、勤務形態や付き合いの多さによって、合うパターンは違います。大事なのは、どの型でも「飲む日の上限を数字で決める」ことと、「崩れたら翌週に組み直す」ことです。
3つの型を「週の総量」で見直すと、見えてくること
飲まない日が増えても、飲む日が増えれば同じです
3つの型は、どれも週3日が飲まない日で、飲む日は4日です。飲む日に2杯までと決めれば、週の杯数はどの型でも同じになります。つまり、連続か分散かは、総量の違いではなく「量の出方の違い」にすぎません。
この点は、休肝日を考えるうえでいちばん見落としやすいところです。飲まない日を連続で増やしても、残りの日にまとめて飲めば、週の総量は減りません。私は最初の月に、まさにこの罠にはまっていました。
総量を決めたうえで、型は「崩れにくさ」で選ぶ
先に決めるのは、週に何日飲まないかと、飲む日の上限です。そのうえで、A案・B案・C案のどれが自分の週の中で崩れにくいかを選びます。順番を逆にして、型から決めると、結局は量が増えてしまいがちです。
私の場合は、金曜に付き合いが入りやすいので、金曜を「飲んでよい日」として確保し、そのぶん月火と木を空ける設計にしました。予定を先に置いてから、空ける日を決める、という順番です。
カレンダーに書いて、見える場所に置く
設計は頭の中だけにあると崩れます。私は、冷蔵庫に貼った小さなカレンダーに、飲まない日に丸をつけています。丸の数は一目で分かりますし、崩れた日があっても、その週のどこで振り替えるかがすぐ考えられます。
記録アプリを使う方法もありますが、続けやすいほうで構いません。紙でもアプリでも、「書く」ことが目的です。
飲む日の量を、数字で決めておく
1日2杯の中身を、純アルコール量で確かめる
私の運用は「飲む日は1日2杯まで」ですが、この「杯」の中身が毎回違っていては意味がありません。たとえば、ビール500mlを1本飲めば、さきほどの式で純アルコール量は20gです。2本飲めば40gとなり、男性の目安として示されている上限に届いてしまいます。
そこで私は、飲む日の上限を「純アルコール量20g前後」と決め、缶のアルコール度数と容量から計算する習慣をつけました。慣れれば、缶を見ただけで見当がつくようになります。
休肝日の前日と翌日の過ごし方を決めておく
飲まない日を守るには、前日の夜の過ごし方も大切です。前日に遅くまで飲むと、翌日の朝に気分が重くなり、その日の夜に「少しだけ」と手が伸びやすくなります。
逆に、飲まない日の夜に楽しみを用意しておくと、続けやすいです。私はノンアルコールの炭酸飲料と、少し手の込んだ夕食を用意するようにしています。
飲まない日の夜を、どう過ごすか。私の小さなルーティン
帰宅したらまずウォーキングか、シャワーのどちらかを入れる
飲まない日の夜に崩れるのは、たいてい帰宅してすぐのひとときです。ネクタイをゆるめて冷蔵庫の前に立つと、手が勝手に缶に伸びます。そこで私は、帰宅したら先にウォーキングを20分ほどするか、シャワーを浴びるかを決めています。飲む前に別の行動を挟むだけで、その夜の判断が少し落ち着きます。
ハイボールの代わりに、炭酸水とレモンを用意しておく
以前はハイボールをよく飲んでいました。飲まない日は、同じグラスに炭酸水とレモンを入れて出すようにしています。グラスと氷の音が同じなので、気分の切り替えがしやすいんです。ノンアルコールビールを常備する人もいますが、私は炭酸水のほうが夕食の味を邪魔しないので気に入っています。
スマートフォンのリマインダーで、翌朝の自分に向けて一言残す
もう一つ、地味ですが効くのがスマートフォンのリマインダーです。飲まない日の朝に「今夜は炭酸水の日」と通知が出るように設定しています。プロテイン入りの朝食の写真と一緒に、前日の体調をひとこと記録しておくと、飲まなかった日の翌朝の軽さが、あとで見返せる証拠になります。
週末のスケジュールは、先にカレンダーへ入れておく
金曜や土曜に会食やゴルフの予定が入るなら、その予定を先にカレンダーに入れ、そこから逆算して飲まない日を置きます。予定がぶつかったときに、チェイサーを必ず頼む、2軒目には行かない、といった小さな決まりを先に決めておくと、現場で迷わずに済みます。
崩れたときの組み直し方
1日崩れても、その週全体を諦めない
予定が入って飲まない日に飲んでしまうことは、誰にでもあります。そのときに「もう今週はダメだ」と全部を諦めてしまうのが、一番もったいないパターンです。
飲んでしまったら、その週のどこかで別の日を飲まない日に振り替えます。完璧に守るより、週の総量を見て調整するほうが、長く続きます。
健診の数値は、数か月単位で見る
数値の変化は、1週間では分かりません。私も最初の数週間は、体感の変化に一喜一憂していました。いまは、次の健診や医師の診察で、数か月単位の変化を見るようにしています。
減酒の設計が自分に合っているかどうかは、主治医と相談しながら確かめてください。肝機能の数値が高い方や、持病のある方は、自己判断で量を決めず、必ず医師の指示を優先してください。
よくある質問
休肝日は2日連続のほうが効果がありますか
私が確認した範囲では、2日連続のほうが優れているとする公的な基準は見つけられませんでした。厚労省のガイドラインが示しているのは、毎日飲み続けないことと、飲む量を抑えることです。連続か分散かは、続けやすさで選ぶのが現実的だと考えています。
休肝日に少しだけ飲むのは意味がありますか
「少しだけ」が積み重なると、週の総量は意外と増えます。飲まない日と決めたなら、ノンアルコールの飲み物に置き換えるほうが、判断の手間が減って続けやすいです。
週に何日空ければ十分ですか
何日が十分かという基準は、ガイドラインには示されていません。私の場合は、医師の指導を受けて週3日にしています。ご自身の健康状態に合わせて、医師や専門家に相談して決めてください。
飲まない日にイライラします。どうすればいいですか
飲まない日の夜に、ほかの楽しみを用意しておくと少し楽になります。ただし、飲まないと強い不安や手の震えが出るような場合は、自己判断で続けず、医療機関に相談してください。
まとめ:連続か分散かより、週の総量と続けやすさで決める
休肝日を何日連続にするかについて、私が確認できた範囲では、公的に定められた正解はありません。厚労省のガイドラインが示しているのは、毎日飲み続けないことと、飲む日の量を抑えることです。
連続型は覚えやすいけれど反動に注意、分散型は山ができにくいけれど予定とぶつかりやすい、組み合わせ型はその中間、と整理しました。まずは1か月、どれかの型を試して、崩れやすい曜日を見つけ、次の月に組み直してみてください。
※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。肝機能の数値や持病が気になる方は、医師にご相談ください。

