禁酒の20のメリットと4つのデメリット:まず全体像から
禁酒とは、お酒を一定期間または継続的に断つことです。この記事は、39歳・週4〜5日飲酒・飲酒歴約20年の筆者が1ヶ月の禁酒で実感した変化を、20のメリットと4つのデメリットに分けてまとめた体験記録です。
この記事は、「禁酒のメリットとデメリットを具体的に知りたい」方、とくに毎日のように飲む習慣を見直したい30〜40代の方に向けて書いています。まずは筆者のリアルな体験を読み、そのあとに研究でどこまで裏づけられるかを確認できる構成です。後半に編集部による研究の補足を加えています。
- 筆者は39歳・飲酒歴約20年・週4〜5日飲酒の男性
- 1ヶ月の禁酒で実感したメリット20・デメリット4を記録
- 記事後半で、体験を一次研究(PMID付き)で補足
私はこれまでお酒が好きで仕事帰りや家でほとんど毎日ビールやワイン、焼酎などなんでも、比較的たくさんの量を飲んできました。
そんな私が、1ヶ月間、お酒を一滴も飲まなかったらどのような変化が起きるのかを検証してみました。
そして、実際に起きた禁酒の効果について、メリットとデメリットに分けてお話ししたいと思います。
ちなみに、私の年齢や飲酒歴は下記の通りです。
【自己紹介】
年齢:39歳
性別:男
飲酒頻度:週4、5日
普段飲む量:生ビール中ジョッキ換算で約10杯
飲酒期間:約20年
それでは、まず、私自身が実感したメリットから見ていきましょう。
私が実感した禁酒の20のメリット
1.飲んでしまったことの罪悪感がなくなる
私はお酒を飲んだ後に、罪悪感に悩まされることがとても多かったです。
例えば、
- 「飲み過ぎてしまった」
- 「食べ過ぎてしまった」
- 「早く帰れば良かった」
- 「お金を使い過ぎてしまった」
- 「あんなに飲まなければ良かった!」
このように、たくさん飲む人と一緒に飲んだりすると飲み過ぎてしまい、後になってたくさんの不安や後悔が押し寄せていました。
禁酒をすると、そのような翌朝起きた時の後悔が1日もなくなり、仕事やプライベートの用事に引きずることがなくなりました。
結果、生産性が上がったと思います。
2.記憶力があがる
飲んでも大抵全て記憶はあるのですが、時々、「あれ、そんなことあったけ?」ということが多かれ少なかれありました。お酒を飲まなければ記憶は全部あります。また、それだけでなく、普段の記憶力も、禁酒前と比べて、上がったと感じています。物忘れがなりなりました。
3.物を無くさなくなった
お酒を飲むと、ペン、傘、マフラー、コート、携帯電話、場合によっては鍵や財布などをお店のどこかに忘れてきてしまうことがありました。幸いなことに私は必ずどこからか見つかるのですが、それでもなくなったことを知った時のショックとその後の手続きの面倒臭さは本当に嫌なものです。お酒が原因ですので、禁酒中は当然このようなことは起きません。
4.不安事や心配事が減る
私はお酒を飲むと気が大きくなってしまいます。
そのため、
- 「あれはちょっと言い過ぎてしまったのではないだろうか」
- 「ほかに何か言い過ぎてしまったり、やらかしていないだろうか」
- 「嫌われていないだろうか」
- 「自分はこれで大丈夫だろうか」
- 「変な約束をしなかっただろうか」
など、飲み過ぎた翌朝は何か変なことを言わなかったかと不安事や心配事が頭を離れませんでした。そして、勝手に、人間関係の不安を抱えていました。それも当然禁酒期間中は1回もありません。飲んでいないので当然です。
5.二日酔いにならない
これも当然と言えば当然ですが、禁酒している1ヶ月は二日酔いがありません。二日酔いとまではいかないまでも飲んだ次の日は眠かったり、体調が悪かったり疲れていたりすることがしばしばありましたが、これも当然なくなりました。それだけで、部下や家族に対する失言がなくなり、物事がスムーズに運ぶようになったと実感しています。
6.酒臭くならない
これも酒を飲んでいないので当然です。飲み過ぎた次の日に、会社や取引先に向かう際に酒臭くないか気になることがたまにありましたが、臭いを気にせずに仕事に打ち込めます。また、臭いで不快感を与えることもないので、今までより会話もズムーズになったのではと思います。
7.恥ずかしい思いをしない
- 「とても酔っていたね」
- 「・・・と言っていたよ」
- 「飲んでるとき・・・していたよ」
などと飲んだ翌日以降に、飲んで酔っ払っている時のことを言われなくて済むようになりました。これは非常に恥ずかしいですし、人間関係を壊しかねないので、とても良かったと思います。
8.変な汗をかかなくなった
飲んだ次の日に汗がたくさん出る経験はありませんか。私は飲み過ぎた次の日は汗をたくさんかくことがありました。しかも、ベタベタする脂汗のような不快な汗です。これも禁酒でなくなったので、不快感がなくなりました。
9.仕事の効率があがった
二日酔いのときは下手すると夜まで、そこまでいかなくてもある程度仕事の能率に確実に影響がありました。禁酒をしていれば毎日が常に100%の状態で仕事ができます。禁酒をすることで、朝から終業までしっかり仕事ができたように思います。
10.早寝早起きになった
夜飲みに行かなくなり、私の場合は寝る時間と起きる時間がとても早くなりました。飲んでいるときは大抵終電前後、日によってはタクシーで帰ることがありましたが、寝る時間が12時前になり、朝も6時前には目覚めるようになりました。これは人によりだと思いますが、自分自身がいわゆる「朝型人間」だったことに気づくことができました。
11.前向きな気持ちになった
もしかしたら飲まない人にとっては1ヶ月の禁酒くらいなんでもないかもしれませんが、飲んべえの私にとってはとても大きなチャレンジです。
何かとても大きくてよいことにチャレンジをしている気がしてるせいか、物事全般に対して前向きに取り組もうという気持ちになりました。仕事でも外に出ることに対しても、積極的にやってみようというポジティブさが出てきた気がします。
12.自分に対して自信が出てきた
これまで自分は自信や自尊心が低く、WEBにあるテストをやってみても極端に低い点数が出ることが多かったのですが、禁酒して時間が経つにつれて少しずつ自分に自信が出てきたような気がします。もしかすると、お酒を飲んでいる自分に対して失望している気持ちが少しあり、それが積み重なった結果が自信や自尊心のなさに繋がっていたのかもしれません。
これは非常に大きな発見でした。服装や髪型など、外見にも少しこだわりが出てきたのも、もしかしたらそのせいかもしれません。
13.よい習慣が増えた
禁酒をしていると良いことをしていると思うせいか、日々の生活でよい習慣が増えました。
早寝早起き以外にも、
- 部屋の掃除を毎日する
- 汚いところに気が付いたらすぐにその部分を綺麗にする
- 服をきちんとハンガーにかける
- 毎日日記や管理表をつける
- 体重や血圧、摂取カロリーなど健康に関する測定を毎日欠かさずする
- 公園で散歩する
- 仕事を朝早くから取り掛かるように意識する
- 前倒しで仕事を進めるように意識する
- コツコツ継続するように努める
など、1ヶ月でこれまでになかった習慣が身につきはじめたように思います。
14.痩せた
体重が3kg痩せました。
お酒のカロリー、おつまりのカロリー、〆の食事のカロリー。場合によっては2軒目、3軒目のカロリー。飲みに行かなかったことで摂取カロリーが減ったせいだと思います。
15.血圧が下がった
以前健康診断に行った時には血圧が高めだと言われたのですが、最近測ってみると、数値が20近く下がっていました。血圧はよく高いと言われてきたのですが、やはりお酒も一つの原因だったとわかりました。
16.時間が増えた
夜8時、9時から深夜12時、1時まで、場合によっては3時近くまで飲んで寝るのはさらに1時間後、翌朝8時前には起きて急いで会社に行くというのは定番スケジュールでしたが、今では夜の2時間と朝の2時間の合計4時間が自分の活動時間として増えました。
また、飲む1時間前くらいからはざわざわ落ち着かない気持ちになり、また飲み過ぎた翌日は生産性がまるでない時間もあったので、この1ヶ月は自分に使える時間がとても増えました。仕事以外の時間にはジムに行ったり、本を読んだり、映画を見たり、これまでできなかったことがたくさんできています。
17.お金の節約になった
私はたくさん飲み、しかも飲むときは1軒では抑えが効かない時も少なくなかったため、お金の節約になり、その分を貯金や買い物に回すことができています。
1軒目の居酒屋。約4,000円
2軒目のバー。約3,000円
3軒目のラーメン屋。約800円
これで収まらない場合・特別事態の場合は追加で数千円~数万円
帰りのタクシー代で7,000円
など、最低でも5,000円、使うときには数万円のお金を週に何度も出費していたことになります。月に総額でいくら使ったのか、計算したくもありません。
この大きな出費がなくなることによって、お金の減りがとても変わりました。飲んでいた時には全く気にせず、むしろこんなもんだと思っていましたが、少し異常だったなということがよくわかりました。
18.心が穏やかになった
禁酒した最初の頃は飲めないストレスからか日記を見返すとイライラしていることが多かったようですが、時間が経つにつれてイライラもどんどんなくなり、むしろ以前と比べると心が穏やかになってきたような気がします。
飲酒による肉体的・精神的な疲労がなくなったことと、飲酒に代わる日々の活動が自分の心を穏やかにしてくれているのかもしれません。
19.自分の弱さと向き合えるようになった
禁酒をするにつれて、なぜ自分は飲んでしまったのかを深く考えるようになりました。自分の場合にはイライラしたりムカついたりしている場合と、良いことがあって大喜びしている場合に飲んでいることが日記をつけてわかりました。
そして、禁酒をなんとか続けるにはこの自分の感情やそれを受け止められずお酒に逃げていた自分と向き合わなければいけないのだと気づき、怒りや喜びをコントロールするにはどうすればよいのかということを考えたり勉強したりするようになりました。
このことはお酒に限らず、自分の生活においてとても有効に機能しています。
20.今も生きている!
お酒を飲んで事故にあったり犯罪に巻き込まれたりしてしまったりするニュースはあとを絶ちません。
今思うと、自分はこれまでで何度か事故や事件にあっていてもおかしくなかったですし、それがもしこの1ヶ月飲んでいたとしたら起きていたかもしれません。
もし、この1ヶ月で禁酒をしていなければ、死んでいたかもしれないということを否定することはできません。今生きていることももしかしたら禁酒をしたメリットなのかもしれないと思います。
ここまで、禁酒のメリットについてお伝えしてきましたが、当然デメリットもありました。私が体験したデメリットについても共有させていただきますね。
私が実感した禁酒の4つのデメリット
1.気まずい
最初に一番困ったのは、飲みに誘われたり実際に飲む場に行かなければならなかったりしたときでした。
飲みに誘われたときは、予定がある、体調が悪いなどで最初の頃はかわしていましたが、実際にクライアントや知り合いとどうしてもお酒のある集まりに行かなければならなかったときには、なんと言ってお酒を断ればよいのか困りました。
なんとか断ったものの、禁酒を始めてしばらくの間はこのような場面では少し気まずい気持ちになりました。
2.恥ずかしい
お酒をやめているとか、今日は飲まないと断るときはなぜかとても恥ずかしい気がしました。これまでで一度も断ったことがないからでしょうか。お酒が強い人や飲み会が好きな人は、きっとこの恥ずかしいという気持ちを理解してもらえるのではないでしょうか。
最初のうちは断るのが気まずいのと同時に恥ずかしかったのですが、これも回数を重ねるごとになくなっていきました。
3.飲みたくなる気持ちと戦わなくてはいけないこと
禁酒ですから当然飲みたい気持ちと戦わなければなりません。
- 「今日は頑張ったら飲みに行こう!」
- 「今日は嫌なことがあったからアルコール消毒しに行こう!」
- 「景気付けに一杯行こう」
と言えないし、また言われても行くことができません。飲みたい気持ちとの戦いです。
また、風呂上がりのビールの美味しさや、素敵なワインを飲んだ時の幸せな気持ちは恋しくなります。特に私のように毎晩飲み歩いていたような人間には結構キツイものです。
ですが、それも後半にはだんだんとなくなり、飲みたい衝動の強さも回数も不思議と減っていきました。
4.楽しみが減った気がする
お酒を飲みに行くのはお酒それ自体を楽しむだけなく、同席した人たちとの会話を楽しんだり、正直な気持ちを言い合ったりするという楽しみもあります。
お酒を飲まなくなると、飲む場にあまり行かなくなりますから、飲みながらワイワイ楽しく夜を過ごすことができなくなります。最初の頃はそれが何より私は辛かったです。
そうすると、自分の楽しみが奪われたような気持になりました。この気持ちとの戦いに負けそうになることもありましたが、今では夜飲んでいた時間を趣味や勉強や睡眠にあてているので、特に問題はなくなりました。
~まとめ~
以上のように禁酒をしてみて、よいことも悪いこともありましたが、もしできることならこのまま続けてみたいと思います。
メリットの方がデメリットをはるかに上回ることは明白だからです。
We will regret drinking yesterday but never regret not doing.
(酒を飲んで翌日後悔することはあるが、酒を飲まないで翌日後悔することは決してない)
禁酒は自分を成長させることにもとても役立ちます。
みなさんも一度試してみてはいかがでしょうか。
体験を研究で裏づけると——「平均でも起きうる変化」
ここまでは筆者ひとりの体験でした。ここからは、その体験が研究でどこまで裏づけられるかを見ていきます。数値はあくまで集団の平均であり、効果には個人差があります。「自分にも起きるかもしれない変化の地図」として読んでください。
「痩せた」「血圧が下がった」を裏づける研究
筆者は1ヶ月で体重が約3kg減り、血圧も下がったと書いています。これに近い変化は研究でも報告されています。ふだん中程度以上に飲む人が1ヶ月禁酒した観察研究では、体重が約1.5%、上の血圧が約6.6%低下しました(Mehta G, et al. 2018, BMJ Open/PMID: 29730627)。また、飲酒量を減らすと血圧が下がることはメタアナリシスでも示され、1日6杯以上飲む人が量を約半分にすると上の血圧が平均5.5mmHgほど下がりました(Roerecke M, et al. 2017, Lancet Public Health/PMID: 29253389)。
体重については「飲むと食べ過ぎる」という経路も研究で示されています。お酒を飲むと食事からのカロリーが増え、飲酒分も合わせた総摂取エネルギーは1日あたり約1072kJ(およそ260kcal)増えるというメタアナリシスがあります(Kwok A, et al. 2019, Br J Nutr/PMID: 30630543)。筆者が挙げた「おつまみや〆の食事が減った」という実感とも重なります。
「前向きになった」を裏づける研究
筆者は禁酒で前向きさや自己肯定感が高まったと書いています。1ヶ月の禁酒企画「ドライ・ジャヌアリー」の参加者4,232人を調べた研究では、参加によって心の健康(ウェルビーイング)と「飲まない自信(自己効力感)」が高まり、最後までやり切った人ほどその効果が大きかったと報告されています(de Visser RO, et al. 2020, Psychology & Health/PMID: 32216557)。「やり遂げた」という達成感が自信につながる——筆者の体験と研究が同じ方向を指しています。
- 1ヶ月禁酒で体重約1.5%・上の血圧約6.6%低下の報告(PMID: 29730627)
- 飲酒量を半分にすると上の血圧が平均5.5mmHg低下(PMID: 29253389)
- 飲むと総摂取エネルギーが約260kcal増える(PMID: 30630543)
- 1ヶ月の禁酒でウェルビーイングと自己効力感が向上(PMID: 32216557)
編集部の視点:メリットは「足し算」、デメリットは「慣れて減る」
この体験記録を編集部の目で読み返すと、ひとつの構造が見えてきます。メリットは時間とともに積み上がっていく「足し算」、デメリットは回数を重ねるほど薄れていく、という非対称です。筆者も、気まずさや飲みたい衝動は「後半にはだんだんなくなった」と書いています。一方で、睡眠・お金・時間・自信といったメリットは、続けるほどに増えていきました。
これは禁酒を始める人にとって心強い構造です。つらいのは最初だけで、続けるほど楽になり、得るものは増えていく。もし「自分にもできるだろうか」と迷っているなら、まずは筆者のように1ヶ月だけ試してみる。デメリットの多くは時間が解決し、メリットは研究でも平均的に起こりうると示されています。完璧を目指さず、飲まない日を一つずつ積み重ねていきましょう。
- メリットは続けるほど積み上がる「足し算」
- デメリット(気まずさ・飲酒欲求)は回数とともに薄れる
- つらいのは最初だけ、まず1ヶ月試す価値がある
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※本記事は筆者個人の体験と一般的な情報提供を目的としており、医療的助言・診断・治療の推奨を行うものではありません。引用した研究は特定の集団・条件での結果であり、効果には個人差があります。健康上のご不安は医療機関にご相談ください。



