結論から申し上げます。セリンクロは、アルコール依存症の患者さんの飲酒量を減らすことを目的とした処方薬です。健康のために少し控えたい人が、自分で買って使う薬ではありません。主な副作用として、患者向医薬品ガイドにはめまい、眠気、吐き気が挙げられています。この記事は、私自身の服用体験ではなく、公式ガイドの記載を整理したものです。個別の判断は、必ず医師か薬剤師にご相談ください。

効果は「飲酒量の低減」に限られます

出典(PMDA 患者向医薬品ガイド)によると、効能・効果は「アルコール依存症患者における飲酒量の低減」です。断酒を目指す薬ではなく、減らすことを目的にした薬だということです。

薬だけで完結しない点

同じガイドには、服薬を守ることと飲酒量を減らすことを目的とした心理社会的治療を受けながら使う薬だと書かれています。対象は、飲酒量を減らす意思のある患者さんです。治療法の例として、飲酒の日記をつける方法、動機づけ面接法、認知行動療法、ブリーフインターベンションが挙げられています。

私は健診でγ-GTPが基準値の2倍を超え、医師から減酒の指導を受けた50代です。以前は薬に頼る発想はありませんでしたが、今回ガイドを読み直して、薬は治療全体の一部にすぎないのだと感じました。

要点: セリンクロの効果は飲酒量の低減で、心理社会的治療とセットで使う薬です。

関連記事: 禁酒中にたまに飲むのはアリなのか。断酒と減酒を分ける線を1年半のログで確かめました

飲み方は独特です

ガイドによると、通常、成人は1回1錠を、飲酒を始める1〜2時間前に服用します。1日1回までで、1日量は2錠を超えないようにします。飲み忘れて飲酒を始めた場合は、気づいた時点ですぐに服用しますが、飲酒が終わったあとは服用しません。

毎日決まった時刻に飲む薬ではなく、飲酒する日に、飲む前に使う薬だということです。この点は、他の多くの薬と大きく違います。

  • 服用のタイミング: 飲酒の1〜2時間前
  • 1回量: 1錠
  • 1日量の上限: 2錠
  • 錠剤の扱い: 割ったり砕いたりせず、水かぬるま湯で飲む
  • 飲酒が終わったあと: 服用しない

服用(1錠)飲酒の時間帯服用しない飲酒開始の1〜2時間前に1錠(1日量は2錠まで)

図: 服用タイミング(PMDA 患者向医薬品ガイドの記載より)

要点: 飲酒の1〜2時間前に1錠、飲酒後は飲まない、が基本です。

関連記事: 禁酒ダイエットで10kg落ちる人と落ちない人、分かれ目は飲酒カロリー以外の3つ

飲んではいけない人

ガイドには、次の人は服用できないと書かれています。

  1. 過去にセリンクロ錠の成分で過敏症があった人
  2. オピオイド系薬剤(鎮痛薬や麻酔薬)を使用中、または使用中止後1週間以内の人
  3. オピオイドの依存症、または離脱の急性症状がある人

また、アルコール離脱症状(幻覚、けいれん、振戦せん妄など)を起こしたことのある人は、使い始める前に医師か薬剤師に伝える必要があるとされています。ここは自己判断をしないでください。

要点: 鎮痛薬などオピオイド系の薬を使っている人は服用できません。

副作用はめまい、眠気、吐き気

主な副作用として、ガイドには浮動性めまい、傾眠(眠気)、悪心(吐き気)の3つが挙げられています。発現頻度の数値は、このガイドには載っていませんでした。数字が必要な方は、医師か薬剤師に確認してください。

運転や機械の操作

ガイドには、注意力障害、浮動性めまい、傾眠などが起こることがあるため、自動車の運転など危険を伴う機械の操作には注意が必要と書かれています。

気持ちの変化

ガイドには、死にたいと強く思ったり考えたりするなどの症状があらわれることがあるとも書かれています。この薬との関連性は明らかではないとされていますが、気になる変化があれば、すぐに医師に伝えてください。

要点: 副作用はめまい、眠気、吐き気で、運転には注意が必要です。

薬を使わない減酒との違い

比べてみると、位置づけがはっきりします。

  • セリンクロ: 医師が処方する。アルコール依存症の患者さんが対象。飲酒量の低減が目的
  • 生活の中での減酒: 休肝日を作る、1日の量を決める、飲酒日記をつける、など自分で始められる

健診で数値が悪かった程度の方は、まず後者から始めるのが一般的です。私自身は週3回の休肝日と、1日2杯までというルールで運用しています。ただ、これは私の個人的な運用で、誰にでも当てはまるものではありません。飲酒量が自分では減らせないと感じるなら、一人で悩まず、医療機関に相談してください。

要点: 薬は医師が判断するもの。自分で始められる減酒とは別の話です。

よくある質問

セリンクロは薬局で買えますか。

買えません。医療用医薬品のため、医師の処方が必要です。

断酒のための薬ですか。

いいえ。PMDAのガイドでは、効能・効果は「アルコール依存症患者における飲酒量の低減」とされています。

飲んだ後に服用してもよいですか。

ガイドでは、飲酒が終わったあとは服用しないと書かれています。飲み忘れて飲酒を始めた場合は、気づいた時点ですぐに服用します。

副作用が心配です。誰に聞けばよいですか。

処方した医師か、薬局の薬剤師にご相談ください。

今夜は、まず自分の週の飲酒量を紙に書き出してみてください。受診するときにも、そのメモが役に立ちます。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。服用の可否・用量は、必ず医師・薬剤師にご確認ください。