梅雨の夜、なぜかお酒が"そこにある気がする"

6月に入ると、雨の音が部屋に響くようになる。子どもを寝かしつけて、ようやくひとりになれた夜。外は湿って暗くて、どこか気分も重い。そんなとき、以前の私なら迷わず冷蔵庫へ向かっていたと思う。

でも今は、そこで一呼吸おく。「飲みたいのか、それとも別の何かが欲しいのか」を、少しだけ自分に聞いてみる。ソバキュリを始めて2年。このクセがついたのは、実は梅雨の季節がきっかけだった。

第一子を出産して、授乳期はほぼ自然とお酒から離れていた。卒乳後も「別に戻らなくていいかな」と思い始めたのが、ちょうど2年前の梅雨どき。子育ての疲れと季節の重さが重なって、「夜のご褒美」を何で作るか、初めて真剣に考えた時期だった。

「飲まない夜」を楽しくするために、まず"代わりのもの"を探してみたら

最初は正直、夜のひとり時間が手持ち無沙汰だった。お酒がないと、何をしていいかわからない感覚。でもそれって、お酒を飲むこと自体が目的じゃなくて、「一日を締めくくる何らかの儀式」が欲しかっただけだったと気づいた。

ノンアルドリンクで「儀式感」を作る

最初に試してみたのは、ノンアルコールのスパークリングドリンクをグラスに注ぐこと。飲み物の種類より、「ちゃんとしたグラスに入れる」という行為が大事だった。コンビニのペットボトルをそのまま飲むのとは、気持ちがまるで違う。ちょっとだけ手間をかけることで、「夜が始まった」という感覚が生まれる。

最近のお気に入りは、炭酸水にシロップを少し垂らしたもの。梅や生姜のシロップは、この季節によく合う。子どもがいると、凝った料理を毎日は作れないけれど、ドリンクだけは自分のために少し工夫してみたら、それが小さな楽しみになった。

「飲みたい気分」の正体を分類してみる

ソバキュリを続けるなかで気づいたのは、「飲みたい」には種類があるということ。疲れているとき、退屈なとき、さみしいとき、達成感があるとき……それぞれ微妙に違う。梅雨の夜は特に「気分が沈んでいるから上げたい」というパターンが多い。そういうときはドリンクより、音楽か香りのほうが効果的だったりする。

お気に入りのプレイリストをかけて、アロマを焚く。たったそれだけで、「飲みたい気分」がするっと通り過ぎていくことが多い。気分の正体に気づくと、対処法も見つけやすくなる。

梅雨の夜だからこそ、「内向き」の時間を楽しむ

雨の日が続くと外出も減るし、気持ちも内向きになりやすい。以前はそれをネガティブに感じていたけれど、今は「これ、ひとり時間を深める季節だ」と思えるようになった。

日記やメモで「今日の自分」を整理する

子どもがいると、自分のことを後回しにしがちだ。日中は子どもの世話や家事で頭がいっぱいで、気づいたら一日が終わっている。だからこそ夜の15分、手書きで今日感じたことをメモするようにしてみたら、不思議と気持ちが落ち着いた。

うまく書かなくていい。「今日はしんどかった」でも「子どもが笑ってかわいかった」でも、何でもいい。書くことで、ぼんやりしていた感情が輪郭を持つ。そうすると、お酒で感覚を曖昧にしなくても、ちゃんと今日を終わらせられる気がする。

「梅雨の夜コレクション」を作る遊び

これは半分趣味の話なのだけど、梅雨の時期にしか読まない本、聴かない音楽、見ないドラマを決めている。「季節限定のお楽しみ」として位置づけると、雨が続く憂うつな期間が、むしろ待ち遠しいくらいになってくる。

今年の梅雨コレクションは、積んでいた小説と、昔好きだったアーティストのアルバム。子どもが生まれてからゆっくり本を読む時間がなかったから、「この季節にだけ解禁」にしてみたら、梅雨が楽しみになった。お酒なしでも、夜はちゃんと豊かになれる。

シラフで過ごす夜が増えると、「翌朝の自分」が変わる

ソバキュリを続けてみて、一番実感するのは翌朝の感覚かもしれない。育児中は早起きが避けられないから、朝の状態がその日全体に直結する。

お酒を飲んでいた頃と比べて、今の朝は「頭のもやがない」。特別すっきりしているわけじゃなくても、少なくともしんどくない。子どもが「ママ起きて」と来たとき、ちゃんと笑顔で「おはよう」が言える。それだけで、育児の質が少し変わる気がしている。

梅雨の時期は特に湿度と気温の変化で体が疲れやすい。だからこそ、シラフの夜が「翌朝への投資」になっていると感じる。お酒を選ばないことは、我慢じゃなくて、明日の自分へのプレゼントだと今は思っている。

「選ばない日」が積み重なって、気づいたら「私らしい夜」になっていた

ソバキュリって、完全に断つことじゃなくて「その日、その場面で選ぶ」ということだと思っている。梅雨の夜に飲まないのも、義務じゃなくて「今夜はこっちがいいな」という選択の積み重ね。

2年前、授乳が終わったあとに「さあ解禁だ」と思わなかった自分を、最初は少し不思議に感じていた。でも今は、あのときの自分の感覚が正しかったと思っている。お酒がなくても夜は十分楽しいし、むしろ「自分が何を欲しているか」をちゃんと知れるようになった気がする。

梅雨の夜は長い。雨の音を聞きながら、ノンアルドリンクを片手に、好きな本を読む。子どもが寝た後の静かな時間が、今は一日の中でいちばん好きな時間になっている。そういう夜が積み重なって、気づいたら「私らしい暮らし」になっていた。それが、ソバキュリを続けてみて一番よかったことかもしれない。

「選んで飲まない」は、我慢じゃなくて、今夜の自分をちゃんと選ぶこと。

※本記事は一般情報であり、医療的助言ではありません。健康上の不安や疾患がある場合は、医師や専門家にご相談ください。