夏の夕方だけは、少し「飲みたい気持ち」が顔を出す

ソバキュリを選んで2年が経ちました。授乳期を経て「選んで飲まない」がすっかり日常になった今も、夏の夕方だけは少し気持ちがざわつくことがあります。

子どもをお風呂に入れて、ふたりともさっぱりしたあと。窓から夕風が入ってきて、どこかから夕ご飯のいい匂いがして。そういう時間に、かつてよく飲んでいた冷たいビールや白ワインのことを、なんとなく思い出すんです。

「やめた」とか「我慢している」という感覚ではなく、ただ記憶の引き出しがそっと開く感じ。それでも、この2年間で「夏の夕方の乗り越え方」みたいなものが、少しずつ自分のなかに積み上がってきました。今日はそれを書いてみたいと思います。

なぜ夏の夕方は「飲みたい気持ち」を呼びやすいのか

まず自分なりに考えてみたのですが、夏の夕方って「一日の終わりの合図」がすごくわかりやすいんですよね。気温がふっと下がる瞬間、セミの声が変わる瞬間、西の空がオレンジに染まる瞬間。身体が「切り替えていいよ」と知らせてくれるような感覚があります。

お酒を飲んでいた頃、その「切り替え」をビールの一口目に任せていたんだと気づきました。身体の記憶って正直で、同じ時間帯・同じ温度・同じ光の色が重なると、過去のルーティンを思い出してしまうんです。

でも逆に言えば、「切り替えの儀式」さえ新しく作ってしまえば、身体は案外あっさり更新されていく。それが私のここ2年の実感です。

「引き出し」が開くのは悪いことじゃない

最初のうちは、飲みたい気持ちが少しでも出てくると「選べていないのかも」と焦ることがありました。でも今は、その感覚を否定しないようにしています。「あ、また来たな」と軽く受け流すくらいの距離感が、長く続けるには心地よいと感じています。選ぶとは、気持ちを消すことじゃなくて、気持ちを認めたうえで行動を選ぶことだと思うから。

私が夏の夕方に「選んでいること」3つ

1. 炭酸と冷たさで身体をまず満たす

身体が求めているのって、実はアルコールそのものよりも「冷たさ」と「のど越し」と「プシュッという音」だったりします。私は夕方になったら、炭酸水や好みのノンアルドリンクをあらかじめ冷蔵庫に冷やしておくようにしました。コップに氷をたっぷり入れて、ゆっくり注ぐ。その一連の動作が新しいルーティンになってきたら、身体が「あ、切り替えね」と覚えてくれるようになりました。

子どもがいると夕方は怒涛の忙しさなので、飲み物を一杯用意する小さなステップが「自分のための一息」になっているのも気に入っています。

2. 夕方の「外の光」を意識して浴びる

これは試してみたら思いのほか効いた方法です。夕方5〜6時ごろ、子どもと少しだけ外に出て、沈みかけた太陽の光を浴びるようにしました。日光を浴びることで体内時計が整い、夜の眠りにもつながるとよく言われますが、私にとっては「外に出た」という行動自体が気持ちのリセットになっています。

公園でも玄関先でも、ほんの5分でいい。夕風に当たりながら子どもが走り回るのを見ていると、「ビールが恋しい」という感覚がいつの間にか薄れているんです。光と風と子どもの声が、一番のリセットかもしれません。

3. 夕ご飯を「ちょっといいもの」にする

お酒を飲んでいた頃、夕ご飯ってどこかお酒を引き立てるための「つまみ」的な位置づけになっていませんでしたか。私は少しそういう傾向があって、選ばない生活になってから、夕ご飯そのものへの愛着がぐっと増しました。

夏は特に、旬のトマトやきゅうり、冷やしたお豆腐、ごま油を絡めたなすの揚げびたしなど、食材の味が立っていておいしい季節。お酒なしでも「今日のご飯、おいしかったな」と思えると、夕方の満足感がきちんと満たされます。食事を丁寧に選ぶことが、夏の夕方を気持ちよく乗り越える大きな支えになっています。

「続けるコツ」は仕組みより、好きなことで埋めること

禁酒や断酒を続けるコツとして「何かで置き換える」とよく言われます。私もそれは大事だと思うのですが、もう一歩進めると「置き換えるものが自分の好きなことであること」が鍵かなと感じています。

義務感でやることは長続きしない。でも好きな飲み物、好きな食材、好きな時間の過ごし方で夕方を満たしていくと、「飲まない代わりに我慢している」じゃなくて「好きなことをしている」に変わっていきます。その感覚のずれが、じわじわと大きな差になってくる気がします。

ソバキュリ歴2年目にして、ようやく「夏の夕方が好き」と思えるようになってきました。以前は少し憂鬱だったこの時間帯が、今では子どもと過ごすゴールデンタイムになっています。夜の時間が変わった、という実感がここにもあります。

「また飲んでもいい」を持ちながら、今日も選ぶ

私はソバキュリ、つまり「選んで飲まない」スタンスです。完全禁酒を誓っているわけではなく、「今は飲まないほうが好き」という感覚で続けています。だからこそ、夏の夕方に「飲みたいな」という気持ちが少し出てきても、罪悪感を持たないようにしています。

「また飲んでもいいし、今日は飲まない」。この両方を持っていることが、私にとっては一番しっくりくる選び方です。選んでいるのは、自分の気持ちいい状態を守るためだから。夏の夕方も、そのひとつひとつの選択の積み重ねでできています。

もし今、夏の夕方にざわっとする気持ちを感じている方がいたら、「それは普通のことだよ」と伝えたいです。そのうえで、自分が好きな何かで夕方を埋めてみたら、案外気持ちよく過ごせるかもしれません。

※本記事は一般情報の提供を目的としており、医療的助言・診断・治療の推奨ではありません。体調や飲酒習慣について気になることがある場合は、医療機関にご相談ください。