禁酒アプリは無料で足りるのか、先に結論を出します

結論から言うと、日数のカウントと、飲んだ日の記録だけなら、無料の範囲で足ります。課金が必要になるのは、広告の削除、パスコードロック、学習コンテンツや仲間との交流のような「続けるための補助」の部分です。2026年10月27日にApp Storeの掲載内容を確認したところ、iPhone向けの禁酒アプリ4本のうち、3本は無料で始められ、1本は最初から有料でした。

リョウです。自分は40代で、10年以上ほぼ毎日ビール500mlを2缶飲む生活を続けたあと、健診でD判定が出たのをきっかけに断酒を始め、いまは3年になります。アプリは「断酒を決めた初日に入れるもの」の筆頭候補です。ただ、無料と書いてあっても、実際には何が無料で何が課金なのか分かりにくいと感じていました。この記事は、その疑問に絞った機能比較です。

なお、Android版については今回の確認の対象外です。ストアの掲載内容は変わりますので、各アプリのAndroid版の有無と料金は、Google Playで最新の内容を確認してください(要確認)。

アプリ

最初の価格

課金の内容

主な機能

禁酒マン(休肝日カウンター)

無料

プレミアムパック550円(買い切り)

禁酒時間、節約額、日記、カレンダー

SmartDrinkQuit(スマート禁酒)

無料(広告あり)

広告削除300円(買い切り)

日数、SOSボタン、iCloudバックアップ

禁酒チャレンジ

無料

490円・980円・5,980円の項目、プレミアムは定期購読

日数、タイムライン、学習コンテンツ

禁酒(禁酒アプリ)

800円(有料)

50円・100円・600円の項目

禁酒時間、飲酒量、適正飲酒量

図: iPhone向け禁酒アプリ4本の料金と課金内容(出典: 各アプリのApp Store掲載ページ。2026年10月27日時点の筆者確認。料金は変わることがあります)

4本の掲載ページは、それぞれ禁酒マン、SmartDrinkQuit、禁酒チャレンジ、禁酒で確認できます。

要点: 無料で足りるのは日数カウントと記録まで。広告削除、ロック、学習、仲間機能の部分から課金になります。

関連記事: 禁酒アプリは3機能で選ぶ。記録・日数カウント・仲間で続き方が変わる理由

禁酒アプリの機能を整理する、無料と課金の境目

無料でできるのは「数える・記録する」までです

禁酒アプリの基本機能は、断酒を始めた日からの経過日数(あるいは時間)を数えることと、飲んだ日や飲まなかった日を記録することです。今回見た4本は、どれもこの2つを備えていました。

  • 禁酒マンは、禁酒時間の確認(自己ベストも表示)、飲酒日の記録、月ごとのカレンダー集計が基本機能として挙げられています。
  • SmartDrinkQuitは、日数、節約した金額、避けたアルコール量、時間の節約を表示し、ホーム画面のウィジェットや毎日のリマインダー、自己ベストの記録に対応しています。
  • 禁酒チャレンジは、連続禁酒日数の自動カウントと、欲求に打ち勝った記録のグラフ化ができます。
  • 禁酒は、禁酒時間の記録、過去の断酒の開始日の履歴、飲酒量の記録に対応しています。

数える機能そのものは、アプリの差がほとんどありません。差が出るのは、そのまわりの機能です。

課金が始まりやすいのは「広告・ロック・学習・コミュニティ」です

4本の課金内容を見ると、課金の対象は大きく4つに分かれていました。

  1. 広告の削除(SmartDrinkQuitは300円の買い切り、禁酒マンはプレミアムパックに含まれます)
  2. パスコードロック(禁酒マンのプレミアムパック550円に含まれます)
  3. 学習コンテンツの解放(禁酒チャレンジのプレミアム)
  4. 開発者への投げ銭(禁酒マンには500円〜5,000円の応援項目があります)

つまり「無料で始めて、気に入ったら広告をなくす」という使い方が、いちばん費用をおさえられる選び方です。

「無料」と書いてあっても、最初から有料のアプリがあります

今回の4本のうち、「禁酒」というアプリだけは、ダウンロードの時点で800円がかかる有料アプリでした。さらにアプリ内課金として、50円、100円、600円の項目が並んでいます。検索で「無料」を条件にしているなら、これは対象から外れます。

名前が似た禁酒アプリは多いので、ダウンロードの前に価格欄を必ず確認してください。

要点: 数える機能はどのアプリも同じ。課金の中身は広告、ロック、学習、投げ銭に分かれます。

関連記事: 20gは5時間、14gは3.5時間。アルコール分解時間の早見表と、表が当てはまらない5つの条件

4本を横並びで比べる、機能の細かい違い

禁酒マン:節約額とカロリーを「身近な単位」で見せるタイプです

禁酒マンの掲載ページには、我慢できた純アルコール量をビールジョッキの杯数に、避けられたカロリーをご飯茶碗の杯数に換算して見せる機能があると書かれています。さらに、禁酒日記、達成日数ごとのご褒美設定、体重の記録、誘惑に打ち勝つためのアドバイスも載っています。

App Storeの評価は5段階中4.5で、評価件数は6,791件でした。使っている人が多いぶん、レビューも読みやすいという利点があります。プレミアムパックは550円の買い切りで、広告削除とパスコードロックがセットです。

SmartDrinkQuit:登録不要でオフラインでも動く、シンプルなタイプです

SmartDrinkQuitは、無料で始められますが広告が入ります。広告を消すには300円の買い切りです。掲載ページによると、登録不要で、オフラインでも動き、iCloudでのバックアップやエクスポートに対応しています。欲求が出たときのSOSボタンや、健康面のマイルストーン表示、履歴のカレンダーも備わっています。

評価は4.8ですが、評価件数は8件と少なく、参考程度に見るのが妥当です。個人情報を預けたくない人には、登録が要らない点が安心材料になります。

禁酒チャレンジ:仲間とのつながりを前面に出したタイプです

禁酒チャレンジは、毎日更新されるデイリータスク(学ぶ・投稿する・記録する)と、体験や悩みを共有できるタイムラインが特徴です。プレミアムは定期購読で、すべての学習コンテンツが解放されます。購入項目として490円、980円、5,980円が並んでいます。

評価は4.7ですが、評価件数は3件でした。数字が少ないので、無料の範囲で試してから判断するのが安全です。5,980円の項目は、利用前に内容をよく確認してください。

禁酒(禁酒アプリ):最初から有料の記録特化タイプです

このアプリは、禁酒時間の記録、過去の断酒の開始日の履歴、飲酒量の記録、適正な飲酒量の表示を備えています。評価は4.6(評価件数293件)。有料である分、機能は記録に絞られています。

要点: 評価件数が多いのは禁酒マン。登録不要はSmartDrinkQuit。仲間は禁酒チャレンジ。最初から有料なのは禁酒です。

関連記事: 禁酒1週間で体は動くのか。眠りが変わる日と、数字が動かない日

失敗しない選び方の手順(今日そのまま使えます)

5つの質問で絞り込みます

自分が断酒を始める人に勧めるなら、次の5つを順に確認してもらいます。

  1. 広告があっても気にならないか(気になるなら、広告削除の課金額を確認)
  2. ほかの人に画面を見られたくないか(パスコードロックの有無を確認)
  3. 登録なしで使いたいか(個人情報を預けたくないなら、登録不要のものを選ぶ)
  4. 仲間と励まし合いたいか(タイムラインやコミュニティの有無を確認)
  5. 月額や定期購読を避けたいか(買い切りか、サブスクかを確認)

この5つに答えれば、4本のうちどれが自分に合うか、ほぼ決まります。

最初の1週間は無料のまま使い切ります

自分の勧め方は、最初の1週間は課金せずに使うことです。1週間続いたら、広告やロックなど気になった点だけを買い切りで解決します。定期購読は、何が増えるのかを読んでから判断してください。

課金前に必ず見る3か所

  • 価格欄の「アプリ内課金」の項目と金額
  • 買い切りか、定期購読(自動更新)かの違い
  • 評価の件数(評価が高くても件数が少ないものは参考程度)

要点: 5つの質問で絞り、最初の1週間は無料のまま。課金は不満が出た部分だけに限ります。

アプリの数字は何を表しているのか、純アルコール量を確認する

「我慢できたアルコール量」は純アルコール量のことです

禁酒アプリの多くは、飲まなかった量を「避けられた純アルコール量」として見せます。純アルコール量は、厚生労働省の飲酒ガイドラインで「摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8」と定義されています。ビール500ml(5%)が20gという例も同じ資料にあります(厚生労働省ガイドライン4ページ)。

自分が飲んでいた頃は、ビール500mlを2缶で、純アルコール量にして40gでした。毎日これが続いていたと考えると、当時の習慣の大きさを数字で振り返ることができます。

節約金額や延びた寿命は「目安」として見ます

アプリが出す節約金額や避けたカロリー、延びた寿命の推計は、入力した飲酒量と単価をもとにした計算上の数字です。励みにするのはよいのですが、医学的な診断や予測ではありません。

生活習慣病のリスクを高める量との関係

同じガイドラインには、生活習慣病のリスクを高める量として、1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上という目安が示されています(5ページ)。自分の以前の飲酒量は、男性の目安である40gにちょうど重なる量でした。

要点: アプリの数字は純アルコール量の計算。励みにはなりますが、診断ではありません。

アプリだけに頼らないために、断酒3年の自分が思うこと

アプリは「続けた日数が見える」ことに価値があります

断酒を始めたばかりの頃、夕方になると落ち着かない日がありました。そのとき、日数のカウントを見て、ここまで続けた数字を崩したくないと思えたことが支えになった記憶があります。

数字が積み上がっていくのを目で見られることは、気持ちを前に向ける材料になります。

飲んでしまった日も、記録は消さないほうがいいと思います

飲んでしまった日があると、カウントがゼロに戻るアプリもあります。ただ、その日を記録として残しておくと、あとで「どんな状況で飲んだのか」を振り返れます。ゼロに戻ったから終わり、ではなく、次の一歩のための材料にしてください。

体調が心配なときは、アプリではなく医療機関へ

長く大量に飲んでいた人が急にやめると、手の震えや強い不安などが出ることがあります。そうした症状がある場合や、自力でやめるのが難しいと感じる場合は、アプリではなく医療機関や専門の相談窓口に相談してください。アプリは記録と励ましの道具で、治療の代わりにはなりません。

要点: アプリは数字を見える形にする道具。体調に不安があるときは、医療機関に相談します。

断酒初日の夜、アプリを開いてから眠るまでの流れ

初日の夜に自分がやったこと

断酒を決めた日の夜のことは、いまでもよく覚えています。いつもなら冷蔵庫からビールを出す時間に、スマホを手に取りました。日数カウントのアプリを入れ、開始日を今日の日付に設定すると、画面に「0日目」と出ます。それだけのことなのに、何もしなかった一日が「記録の始まり」に変わったんだと気づきました。

次にやったのは、ビールに使っていたお金を想像することです。アプリの単価の欄に、当時買っていた缶の値段を入れました。数字が動き始めるのを見て、今日だけは飲まないという気持ちが、少し具体的になりました。

続けやすかった使い方

その後の数週間、自分が続けられた使い方は、次のとおりです。

  • 朝、起きたらアプリを開いて日数を見る
  • 夕方に落ち着かない日は、記録欄に一言だけ書く
  • 週に一度、カレンダーを見返して、波のあった日を確認する
  • 日数が節目になったら、ささやかなご褒美を決めておく

どれも特別なことではありません。大切なのは、機能の多さよりも「毎日開く理由」があるかどうかでした。

機能が多すぎると、かえって開かなくなります

学習コンテンツやタイムラインのような機能は、合う人には大きな支えになります。一方で、機能が多すぎると、開くこと自体が負担になる人もいます。自分は、最初は数えて記録するだけの簡素なものが合っていました。迷ったら、最も機能の少ない無料のものから始めてください。足りなければ、あとから乗り換えられます。

要点: 初日の夜に開始日を入れるだけで、「0日目」が記録の始まりになります。毎日開く理由を一つ作ることが大切です。

よくある質問

禁酒アプリは完全に無料で使えますか?

今回確認した4本のうち、禁酒マン、SmartDrinkQuit、禁酒チャレンジの3本は無料で始められます。ただし、広告の削除やプレミアム機能は課金です。「禁酒」というアプリは、ダウンロードの時点で800円がかかる有料アプリでした。

広告を消すにはいくらかかりますか?

SmartDrinkQuitは広告削除が300円の買い切りです。禁酒マンはプレミアムパック550円に、広告削除とパスコードロックが含まれます。料金は変わることがあるので、購入前にストアで確認してください。

Androidでも同じアプリが使えますか?

今回はiPhone向けのApp Store掲載内容を確認したため、Android版の有無や料金は確認していません(要確認)。Google Playで、アプリ名と開発元を検索して確かめてください。

登録なしで使える禁酒アプリはありますか?

SmartDrinkQuitの掲載ページには、登録不要でオフラインでも動くと書かれています。ほかのアプリは、各ストアの説明で確認してください。

禁酒アプリだけで断酒は続きますか?

アプリは日数を数え、記録を残す道具です。それだけで断酒が続くとは限りません。夜の過ごし方や、飲みたくなる場面の対策と組み合わせるのが現実的です。

今夜、気になったアプリを無料のまま1本だけ入れて、今日の日付を最初の1日として記録してみてください。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。