結論から言うと、気分が揺れた日に私が最初に見直すのは、気持ちの持ち方ではなく、前の晩の睡眠です。睡眠は記憶や気分の調節、免疫機能などさまざまな働きに関わるとされ、長く続く不眠はうつ病にかかりやすくなることも知られています(e-ヘルスネット 健やかな眠りの意義)。この記事では、断酒5年の記録ノートから、気分の波を見直すために毎回確かめている5つの確認項目を紹介します。

私は40代の女性で、30代の後半に自分の飲み方を見直して以来、無理のないペースで飲まない暮らしを続けています。振り返ってみると、続けるうえでいちばん役に立ったのは、気分と体調を毎日ノートに一行ずつ残すことでした。

気分が揺れる日には、パターンがありました

5年分のノートを読み返して気づいたのは、気分が落ち込んだ日や、イライラした日には共通点があったことです。

「なんとなく」の正体は、たいてい前の晩にあった

ノートには、日付、睡眠時間、気分を1〜5で書く欄、そして「飲みたいと思った度合い」を書く欄があります。読み返すと、気分の点数が低い日の前の晩は、睡眠時間が短かったり、寝る直前まで仕事のメールを見ていたりする日が多いのです。これは私のノートの傾向であって、統計的に確かめたものではありません。

日本の睡眠時間の目安も確認しておく

比較のために、公的資料の数字を確認します。

項目

資料に書かれた内容

日本人の平均睡眠時間

7時間42分(過去20年間にわたり減少)

40代・50代の睡眠

7時間そこそこ

週末の睡眠

平日より約1時間長く寝て補う傾向

図: 睡眠時間に関する公的資料の記述(出典: e-ヘルスネット「健やかな眠りの意義」)

要点: 気分が低い日の前の晩は、睡眠が短いことが多い。まず睡眠を疑います。

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気分が揺れた日に見直す5つの確認項目

ここからが本題です。私は、気分が揺れた日に次の5つを順番に確かめています。

  1. 昨夜の睡眠時間は何時間だったか。
  2. 寝る前の1時間に、明るい画面を見続けなかったか。
  3. 今日の食事は、抜いたり偏ったりしていないか。
  4. 不安や緊張を「なだめたい」という気持ちが出ていないか。
  5. 気分の落ち込みや不眠が、何日続いているか。

項目4が、いちばん大切だと思っています

厚生労働省のガイドラインには、不安を和らげる目的での飲酒は、依存症になる可能性があると書かれています(厚生労働省 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン)。気分が揺れる日に「これで落ち着けるかも」とお酒を思い浮かべたら、それは意志の弱さではなく、サインとして受け取るようにしています。そしてノートに「なだめたい気持ち、あり」と書きます。

項目5は、自分で抱え込まないための線引き

e-ヘルスネットによると、短時間睡眠や不眠が続くと、強い日中の眠気や注意力の低下、抑うつなどが現れます(e-ヘルスネット 健やかな眠りの意義)。私は、気分の落ち込みや眠れない状態が2週間ほど続いたら、ノートを持って医療機関に相談すると決めています。この「2週間」は私が自分で決めた目安で、公的な基準ではありません。

要点: 5つの確認で、気分の揺れの原因を睡眠、食事、なだめたい気持ち、続いた日数に分けて見ます。

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5年やってみて気づいたのは、確認が先で、対処は後ということ

気分が揺れると、私たちはつい「どうにかしなきゃ」と対処を急ぎます。けれど、先に確認をすると、対処が小さくて済むことが多いのです。

小さな対処の例

  • 睡眠が短かった日は、早めに布団に入る。
  • 食事を抜いていたら、温かいものを一品足す。
  • なだめたい気持ちが出たら、お茶を淹れて、5分だけ座る。

どれも、気分を劇的に変えるものではありません。それでも、何もしないで揺れに巻き込まれるより、確認と小さな対処をセットにしたほうが、私には続けやすいと感じています。

ノートは、5行あれば十分です

続けるコツは、書く量を減らすことでした。睡眠時間、気分の点数、飲みたい度合い、一言メモ。この4行で十分です。

要点: 先に確認、後から小さな対処。ノートは短く続けます。

ノートの読み返し方で、続くかどうかが決まります

書くだけでなく、読み返す習慣があると、確認項目が生きてきます。

月に一度、気分の低い日だけ拾い出す

私は月末に、気分の点数が2以下だった日だけを拾い出して、前の晩の睡眠時間と並べて見ます。全部を読み返すと疲れてしまうので、低い日に絞るのがコツです。パターンが見えると、「この条件が重なると揺れやすい」と先に分かり、その日の予定を軽くできます。

点数の低さで自分を責めない

点数が低い日があっても、それは失敗の記録ではありません。揺れた日をなかったことにせず、書いておけたこと自体が、5年間続いた理由だと感じています。振り返ってみると、点数の高い日より、低い日の記述のほうが、あとで自分を助けてくれました。

要点: 読み返すのは月に一度、低い日だけ。点数で自分を責めません。

よくある質問

気分が落ち込んだ日は、お酒をやめていても起こりますか?

起こります。お酒を飲まなくても、睡眠不足や疲れ、季節などで気分は揺れます。揺れを消そうとするより、揺れ方を記録して知ることが役に立ちました。

2週間続いたら受診、は正しい目安ですか?

公的資料で確認できたのは、長く続く不眠がうつ病にかかりやすくなることにつながる、という点です。2週間という数字は私個人の目安なので、つらいときは期間にかかわらず医療機関に相談してください。

ノートは何で書けばいいですか?

手帳でもスマホのメモでも構いません。私は紙のノートですが、続けられる形がいちばんです。

なだめたい気持ちが強いときは?

一人で抱え込まず、医師や公的な相談窓口に相談してください。ガイドラインにも、不安を和らげる目的の飲酒は依存症の可能性があると書かれています。

今夜、ノートの端に睡眠時間と気分の点数だけ書いてみませんか。5年経っても、私はその2行から始めています。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。