結論から言うと、30日チャレンジを続けられるかどうかは、意志の強さよりも、始める前に何を決めておくかでほぼ決まります。私は第一子の出産を機に、お酒を「選んで飲まない」暮らしに自然と移行して2年になりますが、最初に30日だけ試したときも、準備で救われた場面がたくさんありました。完全にやめると決めなくても、まず30日だけ試してみるという入り口は、かなり気楽です。この記事では、始める前に決めた3つのことと、実際に夜の時間がどう変わったかを、体験にそってお話しします。

研究から見える、30日チャレンジのいいところ

1か月だけ、という区切りの力

英国で毎年1月に行われる「ドライ・ジャニュアリー」という取り組みに参加した857人の成人を追った研究があります。1か月後と6か月後にも調べたところ、参加者は6か月後も飲酒量が減り、お酒を断る自信が高まっていて、期間を完走できなかった人にも同様の傾向があったと報告されています。また、期間後に飲酒が増えた人はごく少数で、反動は起きにくいと著者らは結論づけています。出典: de Visserら, Health Psychology 35(3), 281-289(サセックス大学リポジトリ ID 57508)。

この研究は英国の参加者を対象にしたもので、日本の私たちにそのまま当てはまるわけではありません。それでも、「完走できなくても得るものがある」という点は、私にとって大きな励ましでした。

完璧を目指さなくていい

育児中は、予定通りにいかない日だらけです。30日を一度も崩さず走り切ることだけを目標にすると、1日の失敗で全部が嫌になってしまいます。私は「崩れた日があっても、翌日から再開する」というルールを先に決めました。

要点: 30日という区切りには、完走できなかった人にも得るものがあったと報告されています。完璧は目標にしなくて大丈夫です。

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始める前に決めた3つのこと

1つ目:期間と始める日を、カレンダーに書く

私は、予定の少ない週の月曜日を開始日に選びました。結婚式や飲み会が入っている30日は避けたほうが、スタートが楽です。カレンダーに終わりの日も書いておくと、ゴールが見えて気持ちが落ち着きます。

2つ目:夜の飲み物を、先に買っておく

私の場合、いちばん揺れるのは子どもを寝かしつけたあとの時間でした。そこで、炭酸水、ノンアルのビールテイスト飲料、ハーブティーを先に買っておきました。「ないから飲んじゃう」を防ぐより、「あるから飲まなくていい」を作る発想です。

3つ目:飲みたくなる場面を、3つ書き出す

私は紙に「寝かしつけ後」「週末の夕食」「友人との外食」と書きました。場面が見えていると、そのときの代わりの一手を決めておけます。外食では、最初からノンアルを頼むと決めておくだけで迷いが減りました。

要点: 期間、飲み物、場面。この3つを先に決めると、迷う時間が減ります。

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30日の中で、夜の時間はこう変わった

最初の1週間は、手が空く

最初の1週間は、寝かしつけ後の時間が長く感じました。手が空く感じがあって、そわそわします。無理に何かをしようとせず、お風呂に長めに入る、ストレッチをする、と決めておきました。

2週目から、夜の使い方が変わった

2週目あたりから、夜に読書や短いドラマを見る時間が自然と増えました。朝の起きやすさが違うと感じる日もありました。もちろん、個人の体感の話で、誰にでも同じ変化が起きるとは言えません。

終盤は、続けたいかどうかを自分に聞く

終盤の1週間は、「30日で終わるか、続けるか」を決める時間にしました。ここで正解はなく、私は「飲む日は選んで飲む」に落ち着きました。

要点: 変化は小さく、人によって違います。終盤は、続け方を自分で選ぶ時間です。

30日の流れを一枚にすると

私の記録を、週ごとに並べるとこうなります。

期間

夜の過ごし方

気持ちの動き

1週目

長めの入浴、ストレッチ

手が空いてそわそわする

2週目

読書や短いドラマ

夜の使い方が見えてくる

3週目

炭酸水とハーブティーが定番に

飲まない夜が普通になる

4週目

続け方を考える

選んで飲む形を決める

図: 筆者の30日間の記録(個人の体験であり、効果を示すものではありません)

公的な情報にも、同じ考え方がある

厚生労働省のe-ヘルスネットのパンフレットには、減酒のコツとして、飲酒の合間に水や炭酸水、ノンアルコール飲料を飲むこと、週に数日はノンアルコール飲料に置き換えること、周囲に伝えることが挙がっています。出典: 厚生労働省 e-ヘルスネット「あなたが決める、お酒のたしなみ方」。私が準備した炭酸水やハーブティーは、この考え方とも重なります。

また、厚生労働省のガイドラインでは、女性は一般的に男性より体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も少ないとされています。出典: 厚生労働省ガイドライン。女性の私にとっては、量の線引きを早めに決める理由になりました。

要点: 公的な資料でも、置き換えと周囲への共有は有効な工夫として紹介されています。

始める前の確認リスト

  • 開始日と終了日をカレンダーに書いた
  • 夜に飲む代わりの飲み物を家に用意した
  • 飲みたくなりそうな場面を3つ書き出した
  • 崩れた日があっても翌日から再開する、と決めた
  • 家族や周囲の人に、30日試すことを伝えた

体調や持病、服薬があって不安な方は、始める前にかかりつけの医師に相談してください。

よくある質問

30日の途中で飲んでしまったら、最初からやり直しですか。

やり直す必要はありません。先ほどの研究でも、完走できなかった人に同様の傾向があったと報告されています。翌日から再開するだけで十分です。

授乳中でも30日チャレンジはできますか。

授乳中の飲酒については、必ず医師や助産師に確認してください。この記事は一般的な体験の紹介であり、個別の判断はできません。

飲み会の予定がある月でも始められますか。

可能ですが、最初は予定の少ない時期のほうが楽です。外食の場面では、最初の一杯からノンアルを頼むと決めておくと迷いません。

今夜できる、最初の一歩

今夜は、カレンダーに30日後の日付だけ書いてみてください。それだけで、始める準備の半分は終わっています。

※本記事は一般情報であり医療的助言ではありません。